野田佳彦代表は6月6日、国会内で記者会見を開き、(1)「物価高から、あなたを守り抜く」全国キャンペーン(2)麻生太郎議員の皇族数の確保策に関する発言――等について発言しました。
(1)野田代表は「物価高から、あなたを守り抜く」全国キャンペーンについて、「明日から本格的に始める。全国キャンペーンを都内の街宣からスタートする。物価消費者指数が上昇を続けており、都議選にも関わるし、参院選の最大の争点になる」と指摘しました。立憲民主党の考え方は「上げるものは上げる、下げるものは下げる」と述べ、「介護、保育士のエッセンシャルワーカーの賃金をあげる等、暮らしを向上させる大きな対策」「賃金も上昇をさせる」と語りました。「下げるのは消費税、特に食料品の値上げラッシュ、ガソリン税の暫定税率。下げるものは下げる」とも説明し、「政府は減税も給付もやらない無策。大きな対比になる」と強調しました。
(2)自民党の麻生衆院議員が派閥の会合で、衆参両院の正副議長のもとで議論している皇族数の確保策について、「多くの党が支持する養子縁組案を棚に上げ、取りまとめることは不自然でまかりならない」と述べたことについて、野田代表は麻生議員の発言を「ちゃぶ台返しをされた」「看過できない」と批判しました。「1つは、水面下で議長、副議長、元総理で丁寧な議論をやってきたのは事実だが、水面下のことで私からコメントすることはしなかった。それなのに派閥の会合で話をしてしまったら、静謐な環境で政争の具にしないルールが確立できなくなるという強い懸念」、「もう一つは、内容がファクトではない。養子縁組の案もあるが、まだ議論が十分ではない。立法府として最低限のことは決めて行こうと4者で合意をしたことをちゃぶ台返しをするのは、信頼性の問題。きわめて遺憾」と述べました。
その他、立憲民主党の修正が盛り込まれた年金改革法案については「改革の一里塚。目減りを防止する。それを避けるするための最低限の案を入れる」とその意義について述べました。
また、ガソリンの暫定税率の廃止については「国民民主党も法案を提出。維新は与党との協議を打ち切った。できるだけ多くの党の賛同を得て進めていく環境が整ってきた。少なくとも、3党が共同で対応していけば可決する可能性が出てきた。丁寧な協議を進めていたい」と意気込みを述べました。
野田佳彦代表記者会見
2025年6月6日(金)10時29分~11時08分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/aRfjfH3mq1E
■冒頭発言
■質疑
- 皇族数の確保に関する議論について(1)
- 年金改革法案について
- 「物価高から、あなたを守り抜く」について(1)
- 参院通常選挙に向けた取組について
- 皇族数の確保に関する議論について(2)
- ガソリン減税法案について(1)
- 終盤国会の対応について(1)
- 選択的夫婦別姓法案について
- 終盤国会の対応について(2)
- 米価高騰 米政策について(1)
- 「物価高から、あなたを守り抜く(2)」「参院千葉選挙区」等について
- ガソリン減税法案について(2)
- 米価高騰 米政策について(2)
- 皇族数の確保に関する議論について(3)
- 「終盤国会の対応について(3)」「党首討論」について
■冒頭発言
○「物価高から、あなたを守り抜く」全国キャンペーンを開始
【代表】
おはようございます。
まずは、後ろにこういうのぼりを立てていますが、「物価高から、あなたを守り抜く」キャンペーンを、あしたから本格的にしようと思っています。全国でキャンペーンをしようと思いますが、スタートはあしたの都内での街宣からスタートいたしますので、ぜひ日程等をご確認いただければと思います。
○皇族数確保策の議論をめぐる麻生氏発言報道について
【代表】
きょうの幾つかの新聞に、報道としてはあまり大きくなかったかと思いますが、ちょっと看過できない記事が出ておりました。自民党の麻生元総理が、昨日の麻生派の会合で、政府の有識者会議が示した皇族数の確保策の主要2案のうち、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案のみで先行合意をすることは拒否をすると。もう一つの、皇統に属する男系男子の養子縁組を認める案に触れ、多くの党が支持しているので、これを取りまとめないというのは不自然だというような言い方をされたということでありますが、看過できないというのは、二つあります。
水面下で議長・副議長と元総理2人で丁寧な議論をやってきたことは事実でありますが、これまでは、いろいろお尋ねいただいても、水面下のことでございましたので私から何かコメントすることは全くありませんでしたけれども、こういう派閥の会合で中身に触れることをお話しされてしまったら、静ひつな環境で政争の具にしないで物事を決めていくというルールが確立できなくなってしまうという強い懸念を持っています。
しかも、おっしゃっていることがファクトではないということでございまして、先週の火曜日にもこの4者の会合がございましたが、そこで決まったことは、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持するということについてのみ、この国会では決めていきましょうと。養子縁組の案もあるが、まだ議論が十分ではないと。でも、少なくとも何も決めないというと国会のまさに権威の問題になるし、立法府の総意として今最低限言えることは少なくとも決めていかなければ、女性皇族の人生設計に関わることなので最低限のことは決めていこうということを4者で合意をしています。合意をしています。
その合意をしたことを、ちゃぶ台返しのような話にまたするというのは、これはもう交渉当事者としての信頼性(に関わること)になってくると、問題であると思いますので、極めて遺憾であるということを申し上げさせていただきたいと思いますし、(本来であれば)今週の火曜日に4者が協議をして、いわゆる女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについての正副議長の取りまとめ案を火曜日に示し、それを踏まえて確認して党内手続に入っていくことまで決めておりましたので、完全にこの話はちゃぶ台返しだと私は思っているところであります。正副議長のしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
○参院通常選挙に向けた取組について
【代表】
たぶんこれもいろいろお尋ねがあるだろうと思いますので最初に申し上げたいと思いますが、いわゆる1人区の候補者の調整状況についてであります。
まず、国民民主党との競合区については、現在滋賀県と奈良県と福井県で候補予定者が競合していますが、例えば今、滋賀県においては、連合滋賀の皆さんから国民民主党の候補予定者をまとまって応援したいという考え方が示されております。
一方で、その前提として、国民民主党に対して、一本化に向けて各政党と意思疎通を深め、誠実かつ真摯な行動を要請し、調整作業に尽力していただきたいと、これは連合滋賀の会長名で意思が表明され、そして、それは様々なレベルで国民民主党に伝わっていると思いますが、現時点で残念ながら国民民主党からそうした何らかの呼びかけというものはありません。
我々としては呼びかけがあれば十分に柔軟な姿勢を持って臨む所存でありますが、だんだんと期限(までの時間)がなくなってきた中で、その対応を注視していきたいと思います。
それから、もう一つ。日本維新の会との関係では、基本的には、これはもう何回も申し上げていますが、国民民主のみならず、維新の会のみならず、その他の野党との関連でもそうでありますが、やはり1人区は限りなく一本にまとめていくと。そのために各党と誠意ある対話・交渉をしていくということに尽きると思うのですが、維新の会からは、ことしの1月に続いて、去る5月30日に再度予備選の呼びかけがございました。
期限をきょうの6月6日ということでございましたので、我々の対応を示さなければいけないと思っていますが、1人区において、与党の議席を一つでも減らしていくという大義については共有する中で、各党を含めた対応が必要であるという考えをこれまでも示してきましたが、この呼びかけについてはしっかりと受け止めているところであります。
具体的な対応については、きょうの午後にでも、最終的な調整をした上で、対応についての方向性はお示ししたいと思います。
■質疑
○皇族数の確保に関する議論について(1)
【NHK】
冒頭の皇位継承の件で伺いたい。ちゃぶ台返しという表現があったが、取りまとめをするかどうか見通しが立たない状況だと思うが、代表としては一定のところまでで取りまとめをすべきだとお考えか。その辺りをお願いしたい。
【代表】
かなり突っ込んで丁寧な議論をしてきて、女性皇族ご結婚後の身分の問題、配偶者の問題等についても、かなり認識としては近寄ってきた部分もありました。そして、養子縁組の案についても、これもいろいろな議論をしてきて、かなりかみ合った議論も随分できてきているんですね。ですから、参議院選挙後にこれらの検討課題は私自身やっていきましょうと。
ただし、この国会中はもう時間がないので、決められる部分は何かというと、女性皇族がご結婚されたときも皇族であり続けることができるということ。そのことだけ決めてでも、人生設計に影響があると思うので、早く決めましょうということについては先週の段階で合意をしました。
私は、何も決めないのではなく、少なくとも何か決める、立法府の総意として決めることが大事だと思っていますので、最後までこれを諦めずにいきたいと思っています。
○年金改革法案について
【NHK】
別件になるが、年金のことで伺いたい。引き続きネットや世論を中心に、流用したというような表現が見受けられる。これについての受け止めと、修正協議自体の意義というか評価というか、そこを改めてお願いしたい。
【代表】
厚生年金から基礎年金に「流用」ではなく「活用」してきたことはこれまでもずっとやってきたことでありますので、その事実関係を押さえた上で、基礎年金の部分が将来3割減となることのないようにするための措置を今回講ずることであるので、急に何か「流用」とかという言葉が出てきていますが、それは適切ではないということは、これは今は今回の法案を修正案に協議をして整えた政党が責任を持って説明していかなければいけないと思いますし、議員立法ですから、これが今月中に成立した暁には今度は政府がしっかりとそういう説明をしていくことが大事だと思います。
【NHK】
今回の修正は一定程度評価できるというか、意義はあったと。
【代表】
やはり年金改革、一里塚だと思いますが、大事な一里塚で、これをやらないと将来3割、厚生年金・国民年金の受給者もみんな(給付水準が)目減りするということですから、それを避けるための最低限のあんこを入れるということをしたということだと思います。
○「物価高から、あなたを守り抜く」について(1)
【読売新聞】
冒頭で、背後にあるのぼりを紹介されながら、キャンペーンを開始するということだが、最初が都内ということで、これは参院選の前にある都議選を意識されているのか。その辺りをお願いしたい。
【代表】
きのうのNC(次の内閣)で今回の選挙公約については最終的に確認をさせていただいて、最終は私と政調会長に一任されていますが、基本はもうできましたので、できた以上は、1日も早く、きちっとキャンペーンをして訴えていく。
しかも、物価高というのは今最もやはり大事なテーマだと思いますし、きのうもNCの前で申し上げましたが、実質賃金がやはり4か月連続マイナスというような状況で、消費者物価指数も依然として高くなっているという状況を見たときに、これは最大のテーマです。それは都議選にも関わるテーマだと思いますし、当然参議院選挙でも最大の争点だと思いますので、しっかりキャンペーンをしていきたいと思います。
○参院通常選挙に向けた取組について
【読売新聞】
関連して、参院選について伺いたい。選挙区では空白区が埋まってきて、もう候補者をどんどん立てている状況で、代表も地方を週末に回られたりしていると思うが、一方で、比例区についてどういった戦略を持って今まで動いてきている、あるいは今後動いていきたいとお考えか。比例区の重要性についてもお願いしたい。
【代表】
比例区も重要ですし、まだ10人なんですよね。やはり従来と比べてまだ数が少ないと思っていますし、より比例区の候補者を発掘して擁立していくという作業をこれからも続けていきたいと思います。
全国的に名前が知られている方が出てくることも必要ですが、例えば四国だと、公認候補はいないけれども野党系という人たちもいる中で、党の名前を書いてもらうためには、やはり四国ブロックで一定程度活動できるような人とか、例えばもう一人、例えば北海道で今は1人ですが、そんな中で、普通だと北海道はいつも2人出したりして街宣車2台走ったりした分、やはり北海道できちっと比例票を取れるような人とか、そういう地域ブロックごとの単位などでもいい候補がいないかということも含め、擁立の数は増やしていきたいと思います。
【読売新聞】
昨年の衆院選で50議席増やして躍進されてきたというところから判断すると、前回の参院選よりも比例票の目標はそれ以上になるように設定するのかなと考えているところだが、現状何か目標値とかは設定されているか。
【代表】
掘り起こしするためには候補者の数というのが決定的な要素になってきますので、そのことを含め、一定程度の数が固まってきたときに数字の話をしたいと思います。
○皇族数の確保に関する議論について(2)
【産経新聞】
冒頭ご発言があった皇族数確保に関する議論について伺いたい。まず事実の確認になるが、今週の火曜日に4者での協議は行われたのかどうか、その点について確認したい。
【代表】
行われるはずだったのに、急になくなったんですね。急になくなって、おかしいなと。前日に連絡がありました。
急に開催しないということになって、おかしいなと思っていたら、だから、文案調整がちょっと時間がかかっているのかなと思ったんですね。そうしたら、その日に、読売新聞さんでしょうか、記事を見たら、何も決めないで先送りするということが複数の関係者が言っているというのを見て、誰が決めたんだよと思いました。
だから、火曜日には本当は文案が出てきて、それに基づいて最終確認をするという、そういう会議が開かれるはずだったということです。
【産経新聞】
今も言及があったが、今国会で結論を出すのを見送るというような報道もあるが、一方で、女性皇族の婚姻後の身分については今国会中にという4者の合意はまだ生きているのか。
【代表】
生きていないのだったら、例えば麻生先生から、ごめんなさいと、元に戻して議論してくださいと言ってくるべきではないでしょうか、外向けに何かの発信をする前に。あるいは、正副議長も事情が異なったからもう一回きちっと議論しましょうと言ってくると思うのですが、現時点で、今のところそういう話はありません。
【産経新聞】
その後、今後また協議を継続していくのかどうかとか、そういった話もまだ現段階では決まっていないか。
【代表】
現時点では何も聞いていません。
○ガソリン減税法案について(1)
【産経新聞】
別件で、ガソリンの暫定税率について伺いたい。日本維新の会が自民党・公明党と行っていた協議を打ち切る考えを示し、野党との協議に回帰するような動きを示している。また、国民民主党としても今国会に暫定税率廃止の法案を提出して維新や立憲民主党にも賛同を呼びかけたいとのことだが、維新の会や国民民主とどのようにまとめて暫定税率の実現につなげていきたいとお考えか。
【代表】
元々、私どもは既に議員立法で法案を提出していますので、できるだけ多くの党のご賛同を得て進めていきたいと思っていましたが、維新は与党との協議をこれで打ち切ったということですので、今、一緒に共同して対応できる環境が整ったと思います。
一方で、玉木さんのほうも、きのう非常に前向きに、自分たちも案を出したのでということで、呼びかけをしたいとおっしゃっていますので、少なくともこの3党が共同で対応していくということは、議員立法として委員会で可決する可能性が十分出てきたのではないか。丁寧な協議を続けていきたいと思います。
○終盤国会の対応について(1)
【日本テレビ】
今週火曜日の党会合でもご発言あったが、内閣不信任案について伺いたい。今週、石破総理が内閣不信任決議案が提出されたら採決を待たずに解散をするという報道があったが、改めて野田代表が現時点でそういったことについてどのようにお考えになっているかと、内閣不信任案提出の判断のタイミングについて、G7サミットであったりいろいろなタイミングがあるかと思うが、野田代表が考えているタイミングについて伺いたい。
【代表】
おっしゃったような報道がありましたが、その後、森山幹事長がそうではない方針みたいな方向性についてはお話しされていますが、どれが本当に定かかわからない中で、私はうかつなコメントは控えたいと思います。
かねてより申し上げているとおり、適時適切に対応していきたいと思います。総合判断をしていきたいと思います。
○選択的夫婦別姓法案について
【日本テレビ】
別件で、選択的夫婦別姓について伺いたい。野田代表は国民民主党が提出している案に賛同する形で今国会での可決を進めたいというお考えを持たれているかと思うが、そういうふうに考えている理由と、その上で、衆議院の法務委員会、立憲民主党と国民民主党だけの賛成では可決することが難しいと思うが、自民・公明を含む他党に対してもそういった呼びかけを行っていくお考えがあるか伺いたい。
【代表】
法案を提出した以上は、それを実現したいという思いで法案を提出していますので、我々の案がベストだと思いながらも、一方で、国民民主党さんの考え方も極めて根幹は一緒だと認識をしていますので、連携できるならばより法案を通していく実現可能性が高まりますので、そういうことは一つの選択肢として申し上げています。党内でいろいろな議論をしなければいけませんが、一つの選択肢だと思いますし、そうすると実現可能性が高まったときに与党がどう対応するかなどを見ていきたいと思います。
○終盤国会の対応について(2)
【朝日新聞】
先ほどあった不信任に関連して伺いたい。報道でもあるように、提出した場合、石破さんが採決の前に解散に踏み切るという報道もあり、前原さんも実際にそれをお聞きになったというふうにきのう発言されている。石破さんがこのタイミングでそうしたことを発信されている意図や狙いについて、代表は率直にどう受け止めているか。
【代表】
発信しているのかどうかって、わからないではないですか。私が確かめているわけではないですし、前原さんがおっしゃったというけれども、私と会ったことを何かおっしゃっているみたいですが、あまり人と会って何を言ったということは私はしゃべらない質なので、お話しされることについてはたぶんニュアンスの違いなどもよくあると思うので、そういうことをよく経験しておりますので、それをストレートに聞いてどうしますかと言われても、それはコメントは避けたいと思います。
【朝日新聞】
今お話にあったように、前原さんはきのうの会見の中で、判断を下すときには野田さんが相談を前原さんにするという趣旨の発言をされている。野田さんとしてはやはり出す出さないというときには野党各党には事前に、どちらの場合も何かご相談というか、事前にお話をするという、そういうお考えか。
【代表】
急に出したら、みんな驚きますでしょう。それはもう、どの党にも事前にはお話ししながら進めていくものだと思います。それに尽きるので、ご相談といっても、特別に何かご相談というよりは、物事を実現するためには事前に少しお話しするというのは、どの党との関係でもあるだろうと思います。
【朝日新聞】
もう一点だけ伺いたい。ダブル選挙の可能性もある中で、政権選択に直結する可能性もあると思う。不信任を出す場合に、いわゆる首班指名の対応とか政権構想、その先のことを考えることも大事だと思うが、不信任を出す場合は、政権構想の枠組みとか内容とか、そういうものをセットで提示するというのが基本路線か。
【代表】
総合的に判断、「総合」の中にいろいろな要素があると思います。
【共同通信】
前原さんの発言の関連で伺いたい。不信任をめぐる判断はすごく重いものだと思うが、その相談の過程のことを前原さんが会見というオンの場で明らかにされたことの是非というか、お考えについては、代表はどう受け止めているか。
【代表】
人の癖というのがいろいろありますから、何とも言えませんが、私は誰かと会って、何か食べたとか、どんな話をしたとかということを言うタイプではありません。
【共同通信】
逆に、前原さんがあのように明らかにされる背景や意図みたいなものは何かお感じになるか。
【代表】
本人に聞いてください。私はわかりません。
○米価高騰 米政策について(1)
【毎日新聞】
政府は昨日、米の関係閣僚会議を開いた。まず米の価格高騰の原因について究明するように指示があったということだが、米の価格急騰はこれまでもそれなりに長く問題になってきたことであって、この時点でこれを究明しようという指示が出ること、これについて率直にどのように思われるか。
【代表】
農水委員会で小泉大臣と質疑をしたときにも、このことは少し私も質問しているんですよね。何で米が高騰しているのかという、その原因を突き詰めて分析していかないと問題解決はできないと。やはり病状を把握しないと診断して適切な処方箋を描くことができないという趣旨で申し上げ、そのことについてはご本人もうなずいていらっしゃいましたが、今、改めて分析を関係閣僚会議でやるというのは、何か順番が違うのではないかと。
分析をした上で着実な手を打っていくというのが順番ですが、ある種電光石火で進めたことに対して評価をする向きもありますし、気合は入っていると思いますが、やはり本当はきちっと分析して正しい処方箋を書いていくということが基本だと思うので、ちょっと順番が違っているのではないかと思います。
【毎日新聞】
一部報道では米の生産調整の見直しや所得補償の新設というところが出ているが、こちらについても率直に受け止めがあれば伺いたい。
【代表】
やはり米価をマーケットで決めていくという、これが基本だと思うのですが、一方では生産者が厳しい状況に追い込まれていくと、今はどちらかというと政府は米離れに対する対策を中心にやっているけれども、そうではなく、やはり米農家が生産現場から離れないようにするための、離農を防ぐという意味においては、やはり直接支払制度。農地に着目した直接支払ということを我々の政策で訴えていますが、ようやくその観点が出てきたのかなと。
農水大臣との質問のやり取りではあまり明快に答えがなかったのですね。(米価が生産コストを下回った際に発動する)「米のトリガー」の話などをさせていただきましたが、ようやくその観点が出てきたのかもしれないというふうに思います。
○「物価高から、あなたを守り抜く(2)」「参院千葉選挙区」等について
【フリーランス】
「物価高から、あなたを守り抜く」ということだが、3年前の参院選のときは泉代表は岸田インフレと戦うということで、私も船橋駅の南口に行って、小西さんと泉代表と野田さんの3人で演説されたときがあるが、小西さんの発案だということだったが、3年前は小麦だったが、十分な選挙の結果にはつながらなかった。「物価高から、あなたを守り抜く」というのは、物価を下げるという話なのか、賃金を上げるという話なのか、消費税率を食料品ゼロにするという話なのか。そこのところについて伺いたい。
【代表】
物価高対策は、基本的には、上げるものを上げて、下げるものは下げると。
上げるものというのは、例えば介護であるとか、あるいは保育であるとか、そういうエッセンシャルワーカーの皆さんの待遇を改善して、やはり賃金を上げていく、待遇をよくしていくということは、これは暮らしを向上させる意味で大きな対策だと思うんですね。
下げるものは下げるというのは、消費税、特に今は食料品の値上げラッシュでありますので食料品の消費税ゼロ税率とか、あるいは、先ほど話題になっていたガソリン税引下げの問題など、下げるものは下げるということが物価高対策だと思います。
一方で、政府は減税もやらない、給付もやらない。無策ですので、これは大きな対比になってくるだろうと思います。
【フリーランス】
賃金についてはいかがか。
【代表】
賃金は、もちろん上昇。実質賃金が4期連続マイナスではないですか。春闘で奮闘して、賃上げの努力は本当にされていると思うのですが、それ以上に消費者物価が上がっているという現状があるので、実質賃金が下がっているんですね。だから、賃金を上げる努力は当然のことながら必要になってくるし、最低賃金にも関わってきますけれども、そういう問題はセットになってくると思います。
【フリーランス】
参議院千葉選挙区の話が続いてしまうが、旧統一教会の現役信者が参議院千葉選挙区に出馬することを、2日、記者会見して発表している。「世界日報」のホームページに、政治団体「日本の家庭を守る会」というものからこの男性は立候補すると出ている。これはどういった動きなのか。千葉は3人区に自民党公認が2人という、全国的にも珍しいところだが、個人で出馬としながら「世界日報」で大々的に書いてあるが、この辺は、今、情報は入っているか。
【代表】
いや、入っていませんでした。
定数3ですが、おっしゃるとおり、現有は自民党2に立憲1なのですが、国民1も出てくる、その他も、あらゆる政党から出てくる動きがあるので、10人ぐらいになりそうという話だったので、だから、全部を私も把握しているわけではありませんでした。今の話は初めて聞きました。
【フリーランス】
それから、衆議院の千葉6区で事務所をきょう構えると、きのう市議会議員のフェイスブックで見て、たった今、きょうは金曜日だが本会議がないので、おそらく委員会をこの時間には終えた千葉6区の衆議院議員が地下鉄のほうに向かって急いで帰っていかれたが、衆議院の千葉6区で事務所を構えるというのは、どういった動きなのか。
【代表】
千葉6区、現職の安藤さんのことですか。
【フリーランス】
安藤さんが、結構急いで、おそらく千代田線の地下鉄に行かれるところを、たまたま偶然すれ違ったが。
【代表】
いや、何か特に意図はないと思うのですが、いい場所が見つかったので事務所を構えたのではないでしょうか。
【フリーランス】
最後に、江藤前農林水産大臣の不信任決議案のときに、5野党国体対策委員長会談だった。5野党で230議席ということは、あと3議席で過半数だ。有志の会と参政党と保守党は各々3議席、4議席あるわけだが、ということは、どこか一つが乗れば過半数で農水大臣解任決議案が可決されるとわかったから早朝に更迭されたと思っているが、これは内閣不信任案に向けて、なぜ5野党だったのか。6野党だったら結構政府は大変なプレッシャーになったかと思うが。
【代表】
江藤大臣については、あの発言が問題だと思った野党が多かったから、そういう大同団結できて、その構えがあったから事実上の更迭になったと思います。
内閣不信任案については、ちょっとまだ言及する段階ではないと思います。
○ガソリン減税法案について(2)
【TBS】
先ほど話が出たガソリン暫定税率について伺いたい。代表は先ほど、維新や国民との共同対応ができるような環境が整いつつあると、丁寧に議論を進めていきたいという発言があった。来週には党首討論も控えているが、法案を提出する場合のスケジュール感など、進捗をもう少しお話しできる部分があれば。
【代表】
これはなるべく早く意思統一をして共同で対応できるように、来週の早い段階にしていただきたいですね。やはり国会対策上も、例えば共同提案で法案という場合には、一応限界がありますからね、衆参(の審議を)考えて。そうすると、来週のなるべく早い段階にそういう環境が整備されることを私も望みたいと思いますし、党首討論で何をやるかはまだ決めていませんが、その前後が山場になってくるのではないかと思います。
【TBS】
来週の早い段階で、例えばまとまった段階で党首同士で合意の場を設ける考えというか、これからの協議次第かとは思うが、そういうお考えは。
【代表】
あくまで、やはり実務者間できちっとできるかどうか、様子を見ながらの判断だと思います。
○米価高騰 米政策について(2)
【フリーランス】
先ほどの米の関係閣僚会議に関連して。農家への所得補償という話を与党のほうでも検討し始めたということだが、これは民主党政権時代に導入した戸別所得補償制度を第2次安倍政権が発足してから徐々に減らす一方で農業土木・土地改良事業を増やしていったということからすると、過去の過ちを自民党がようやく認めて民主党政権時代の政策に近づいたようにも見えるが、その受け止めをお願いしたい。
【代表】
民主党政権時代に取り組んだ中で、農業者の戸別所得補償制度というのは、ばらまき4Kと言われた一つなんですね。本当に厳しい批判を受けました。すぐに方針は、安倍政権以後、変わってしまったんですよね。小泉さんもあの当時は厳しく批判をしていたと思います。とても厳しく批判をしていたと思いますが、ようやく所得補償の意義というものがおわかりいただけてきたならば、それは一つの前進だと思います。
ただ、我々は今、所得補償は全体の農政改革の一部であって、むしろ、中山間地なども含めて、農地に着目した、いわゆる直接支払制度を重視しています。その中で「米のトリガー」という形の所得補償も入れていますが、もう我々のほうはむしろ所得補償制度をバージョンアップして今構えていますので、そちらを実現できるように頑張っていきたいと思いますし、自民党もそちらに追いついてくることを期待したいと思います。
【フリーランス】
先ほどの小泉大臣会見でこのことを聞いたら、もう立憲民主党は戸別所得補償制度を言わなくなったと言っていたが、これは名前を変えたとか、そういうことはあるのか。
【代表】
いや、食農支払という、直接支払制度の新しいワーディングでやっていますが、農家の戸別所得補償制度をバージョンアップしたという、ちゃんとその前に書いてある文章があるので、そこはよく読んでくださいと言っておいてください。
【フリーランス】
最後に。3党で共同で対応するということをガソリン減税などでおっしゃったが、この農業関係、いわゆる戸別所得補償、農家への直接支払の法案を共同で提出していくみたいなことはお考えになっていないか。
【代表】
これは大テーマなので、また、共同して出せるほどの時間があるかどうかというと、そうではないので、これはむしろ夏の参議院(選挙)の公約として打ち出していきたいと思います。
○皇族数の確保に関する議論について(3)
【産経新聞】
皇族数確保の議論について伺いたい。先週の火曜日に、配偶者の身分、配偶者が婚姻後も皇族に残ることについてのみ合意されたということだが、自民党はその前の21日に党会合で、女性皇族の配偶者と子の身分については皇族としない方針を確認していた。一方で、立憲民主党としては論点整理という形でまとめておられたが、そういった違いを乗り越えてでも、まずはそこの点だけ決める、婚姻後も残るということについては合意をしたという理解でよろしいか。
【代表】
その身分については、自民党は配偶者の問題とか、これは否定的だったではないですか、皇族にすることを。我々は論点整理の中で一つの案ではないかという形で、意見をずっとやってきました。
かなり認識では近づいてきたところもあったんですよ。でも、会議がある度に少しまた後退するので、ずっと続いてきましたが、まだ時間がかかるなと思ったので、むしろ、もう絞って、両方の最大公約数は、女性皇族がご結婚されても皇族に残れると。配偶者やお子さんの身分の問題は、これはちょっと先の課題にして、引き続き議論しましょうということで、そこまでで合意しているというのが先週の火曜日です。これ以上の何物でもないということですね。
【産経新聞】
今までこの議論に関して野田代表は、あまり表に出さないというか、慎重なご発信をされていたが、今回、きょうあえてそのご発言をされたお考えを伺いたい。
【代表】
粛々と静ひつな環境で、やはり第1党と第2党が合意することが、政争の具にしないで決めていく、2017年の皇室典範特例法のときだって、ほとんどの党というか、ほぼ立法府の総意としてまとまったではないですか。
ああいうものを目指していたので、ずっと静かな環境でやってきたので、中身も言わずに、まとまったら、それが出てきて各党に理解してもらうという形に持っていきたいと思っていたんですね。そうしたら、ちょっともう外向けに相手側が発信をしてきて、しかも中身が違っているのでは、これはちょっと黙っていられないと思いましたので、きょうはお話しさせていただきました。
○「終盤国会の対応について(3)」「党首討論」について
【「FACTA」】
きのうの前原さんの会見は、終盤国会で、私は異例も異例の踏み込んだ発言だと受け止めた。もちろん代表も録画で聞かれたと思うが、下旬に訪ねてきて、政治空白の話も含め、るる話をしたとおっしゃっていた。別にコメントというか、前原さんがあそこでお話ししたことについてのニュアンスについて、著しくこれは違うというようなことがあるのだったら伺いたいが、あんな感じだったのか。
【代表】
それを詳しくコメントすると、いいのかどうかということがありますし。
【「FACTA」】
まさにそういう答えになるのだろうと思ったが、前原さんが言っていたことは、いわゆる内閣不信任案を出すということが、この政治状況の中では解散権に匹当するものだということを話していたと私は受け取ったからびっくりしたのだが、まさに石破さんが駄目よと言っていることも含め、それが事実かどうかわからないが、やはりこのハングパーラメントの下で野党第1党が不信任を持っているということ、この重みについて、まさに政治空白を含め、そこはどうお考えになっているか。全然違うと思うのだが。
【代表】
全然違うんですけれども、あまり軽々しくほかの野党の人たちも言ってほしくないなと思うなら、どうしても不信任を通したいのだったら、では、共同提案するつもりはありますかということではないですか。我々だけに何か「しろ」「しろ」ではなく、そういう思いがあるのだったら、ご自身たちはどうなんですかということを問いたいと思います。
【「FACTA」】
私は古い記者だから、12年の11月14日、安倍さんと野田さんのQTというのは私は歴史に残ると思って見たわけだが、今回、来週あるんですよね、ああいうのが。
【代表】
そうですね。
【「FACTA」】
だから、やはりすごくイメージが湧くようなところもある。そういう運命にたぶん野田さんは生まれているのかなと思うぐらい、なかなか面白いなと思って見ている。伺いたいのは、やはり野田さんと前原さんはそれなりのパイプが太いものがあるが、最初の滋賀の話などを聞いても、野党第1党と第3党の党首の間には、あまりそういう突っ込んだ話がないのかなと。すると、野党はやはりまとまらないのだろうなと受け止めているが、その辺は、玉木さんとはそういう話をするような場面は今までないんですよね。
【代表】
いや、まだそういうお話はしていません、内閣不信任がどうのとかと。ご意見はいろいろなところで発信されているのは聞いていますが、直接では聞いておりません。ただ、暫定税率の問題などがありますので、野党の連携はやはり最後の最後まで粘り強く追求していきたいと思います。
党首討論は水曜日で、18時からは初めてということなので。今まで視聴率が1.1と1.2だそうなので、視力検査みたいなので、今度は、普通は6%らしいですね、「首都圏ニュース」。
【「FACTA」】
10%ぐらい行くのではないか。
【代表】
そうなればいいですけどね。頑張りたいと思います。
(以上)