5月21日の参院憲法審査会で、憲法と現実の乖離をテーマに意見交換が行われ、立憲民主党の打越さく良議員は、現状を憲法に近づける責務を強調しました。

 冒頭、打越議員は「憲法と現実が乖離する場合、憲法九十九条により憲法尊重擁護義務を負う私たち国会議員は、現実を憲法に近づけなければなりません」と述べ、立法府が憲法に適合しない法律を放置することの問題を指摘しました。

 共同通信の世論調査(5月1日公表)を引用し、改憲に前のめりな姿勢を戒めつつ、選択的夫婦別姓に71%、同性婚に64%の賛成が示されていると紹介しました。そして「憲法の基本的価値、個人の尊重、平等にかなう制度は、世論がたとえ消極的であっても実現すべきだ。今や世論も賛成している」と訴えました。 

 さらに、自ら第一次訴訟弁護団事務局長として夫婦同姓訴訟を闘った経験に触れ、現行法は憲法違反との学説が多数であることを強調し、「選択的夫婦別姓や同性婚を認めれば、社会の幸せは確実に増える。これを認めない議員は憲法尊重擁護義務に背を向けている」と強い言葉で批判しました。

 最後に「本審査会の使命は、憲法に沿わないとされる法律について立法府として熟議を行うことだ」と述べ、速やかな制度改革を求めました。