11月21日から24日にかけて、鈴木庸介衆院議員(東京10区/比例東京)は、中道政党の国際連盟である欧州民主党(EDP)、自由主義インターナショナル(LI)、アジア自由民主連盟(CALD)より立憲民主党として正式な招待を受け、党を代表して欧州・アジアのリベラル政党ネットワークとの連携強化、ならびに安全保障・民主主義に関する国際的議論に参加した。各国の有力政治家・研究者とのパネルディスカッションやスピーチを通じ、中道政党としての立憲民主党を世界に向けて発信した。
スペイン・ビルバオでは、欧州民主党(EDP)の大会に招待され「Defending Democracy: Global Alliance of Democrats(民主主義を守る:世界の民主派政党の連帯)」と題するパネルディスカッションに登壇した。パネルには、米国人ジャーナリストのAlan Friedman氏、インド国会議員のManish Tewari氏らが参加し、専制主義国家の台頭や極右政党の伸長にどう対抗するかについて議論が交わされた。
鈴木議員は、主に次のような点を訴えた。

日本における極右ポピュリズムとヘイトスピーチの広がり
日本でも外国人排斥を掲げる勢力が勢いを増し、ネット空間を中心にヘイトスピーチが日常化している現状を紹介。右傾化する日本政治の中で、表現の自由と人権保護のバランスを取りながら法制度を整備する必要性を共有した。
選挙干渉・偽情報への対応
ロシアなどによる選挙へのサイバー干渉や偽情報キャンペーンが世界中で問題となる中で、日本も決して例外ではないと指摘。選挙プロセスの透明性確保、オンライン広告の規制、メディアリテラシー教育の強化など、立憲民主党として取り組むべき課題を紹介した。

オランダ・ハーグでは、世界中の中道リベラル政党でつくる自由主義インターナショナルの大会で登壇し、戦後日本の政治史の中で中道政党が国際的な会議に参加してこなかったことについて言及。今回の立憲民主党の参加は、民主主義の価値を守り、国際社会における責務を果たすための新しい道を開くもので、政策研究、若手議員交流、国際選挙支援、人道協力、そして共通の価値を守るための連携——こうした取り組みを、日本の中道政党として立憲民主党が本格的に担っていくことを訴えた。
続いてアジアの民主主義政党や民主運動活動家が参加するアジア自由民主連盟(CALD)が主催する特別セッション「Security in the Indo-Pacific and Europe」のパネルディスカッションに登壇。欧州の安全保障専門家であるWilliam Townsend氏や、台湾の安全保障研究者Puma Shen氏らが参加し、欧州とインド太平洋を取り巻く共通の安全保障課題について議論した。
鈴木議員は中国・ロシア・北朝鮮をめぐる日本の安全保障環境について、日本の周辺で軍事的緊張が高まる中で、専守防衛と日米同盟を基軸としつつも、際限なき軍拡競争に陥らないことの重要性を強調。力による現状変更に反対する立場から、国際法と多国間協調を基礎とした抑止と対話の両立を訴えた。さらに高市総理の発言で注目されている、台湾海峡危機と「存立危機事態」について、台湾有事は日本にとって「他人事ではない」一方で、「台湾有事=自動的に日本有事」といった単純なスローガンだけが独り歩きすることへの懸念を表明。憲法と専守防衛の枠内で何をどこまで行うのか、国会での十分な事前・事後の統制が不可欠であると指摘した。
そして、近年の日本政治の右傾化、排外的な言説の拡がりに触れつつ、「だからこそ中道リベラル政党である立憲民主党が、立憲主義と人権、多文化共生を守る防波堤としての役割を果たす必要がある」と述べ、アジアにおけるリベラル勢力の一翼としての決意を表明した。
今回のヨーロッパ視察を通じて、以下の点が改めて明らかになった。

安全保障と民主主義は不可分の課題
インド太平洋と欧州で直面する課題は異なりつつも、法の支配や人権といった価値をどう守るかという観点では共通しており、立憲民主党の掲げる「立憲主義」「平和主義」は国際的な共通言語になりうる。
極右・権威主義への対抗軸としての立憲民主党
日本国内で右派色の強い政権や排外的勢力が勢いを増す中、立憲民主党が「反対のための反対」ではなく、民主主義と人権を守る責任ある中道リベラル勢力として、国内外から期待されていることが各会議での対話から確認できた。
国際ネットワークの実利的な活用
CALD、EDP、LI等とのネットワークは、抽象的な「交流」にとどまらず、選挙制度改革、デジタル規制、安全保障政策など、具体的な政策立案や国会質問に直接活かし得る知見の宝庫であることを確認した。
鈴木議員は今後、今回の視察で得られた知見を、党の外交・安全保障、情報政策、人権政策の各PT・調査会等に共有し、国会での質疑、政策提言、そして次期総選挙に向けた公約作成に反映させて行くと結んでいる。
