Policy 2「1億総中流社会」の復活
分配なくして成長なし
この20年来、日本経済は低迷を続けています。
実質賃金が下がり、消費増税の影響などもあり、国民の可処分所得が減少してきたことが原因です。
そのために、GDPの半分以上を占める消費が伸びないのです。
アベノミクスは、お金持ちをさらに大金持ちにし、強い者をさらに強くしただけでした。
日本の購買力を支えていた「中間層」が底抜けし、貧困層が増え、格差が拡大しました。
「1億総中流社会」の復活を目指し、国民の可処分所得を増やして「国民のふところ」を温かくする政策に転換します。
その柱として、「減税・給付金」と「ベーシック・サービスの充実」を実現します。
その財源は、富裕層や超大企業に応分の税負担を求めることで賄います。
1. 時限的な減税と給付金
年収1000万円程度までの所得税ゼロと給付金
- コロナ禍の影響で家計が苦しい世帯に対する即効性のある支援として、個人の年収1000万円程度まで実質免除となる時限的な所得税減税と、低所得者への年額12万円の現金給付を行います(再掲)。
時限的な5%の消費税減税
- コロナ禍が収束した時点を見据え、税率5%への時限的な消費税減税を目指します(再掲)。
2. 生きていく上で不可欠なベーシック・サービスの充実
- 医療や介護、子育てや教育といった分野に予算を重点配分します(具体策は「4 暮らしの安心への投資」に別掲)。これらの分野に税金を投入することによって、間接的に可処分所得を増やすとともに、将来不安を解消して消費を伸ばします。
3. 雇用の安定と賃金の底上げ
- 「同一価値労働同一賃金」の法制化を目指します。
- 時給1500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成をしながら、最低賃金を段階的に引き上げます。
- 「職業訓練・訓練中の生活保障・マッチング」をパッケージ化した雇用の総合的セーフティネットを創設します。
- 雇用は、「無期・直接・フルタイム」を基本原則とします。派遣法の見直しなどで、原則として、希望すれば正規雇用で働ける社会を取り戻します。
- 雇用類似就業者の命と健康を守るため、労働者と同様に必要な労働関係法などを適用できるようにします。
4. 地域分散・分権(内需主導)型の経済を実現
- グリーン(環境・エネルギー分野)、ライフ(医療・介護分野)、ローカル(農業・観光分野)で、地産地消、地域のニーズに応じた新たな地場産業を創出します。特に、中小・小規模事業者の専門性や独自性を伸ばす公的支援を拡充します。
- 5G通信環境の整備、地方大学の機能強化や郵便局ネットワークの活用などにより、地域の活力を高め、人口の流出防止・定着を図ります。
5. 中長期的な視点に立った研究・開発力の強化
- 基礎研究を重視し、ポスドクや大学院生の処遇改善、女性研究者比率の引き上げなどに配慮しながら、公的助成を拡充します。デジタル、通信、自動運転などの研究開発・実用化に大胆な支援を行います。
- 国立大学への運営費交付金を増額し、大学財政を健全化します。
6. 富裕層や超大企業への優遇税制の是正で所得再分配を強化
- 法人税は、必要な政策減税は残した上で、所得税と同様、累進税率を導入します。
- 所得税の最高税率を引き上げ、現在、分離課税になっている金融所得について、将来の総合課税化を見据え、国際標準まで強化します。
- 社会保険料の月額上限を見直し、富裕層に応分の負担を求めます。