東日本大震災から12年を迎えるにあたり、各地で防災に取り組む自治体議員から、それぞれの場所・立場での発災当時の思いや取り組み、その後の現在に至る復興と防災への取り組みついて、寄稿してもらいました。

 私の住む地域は、市内でも一番、高齢者が多い地域です。そして、中層階のマンモス団地がありますが、エレベーターがありません。一戸建ての地域も高齢者が多いです。

 また、市内で土地が一番低い場所であり、多摩川が望める景色は良いのですが、令和元年(2019年)台風19号では、浸水被害を受けました。

 市政施行以来、初めてとなる避難勧告が出されましたが、市民の避難行動や行政による避難所の開設などはスムーズとはいきませんでした。たくさんの課題が出てきましたが、特に避難場所への移動が、地域では重要課題となっています。

 中層階のエレベーターがない状況で「一人住まいの高齢者を誰が助けに行くのか」「どこに誰がどのような状況で住んでいるのか」を共有、把握できるのか。個人情報の保護の観点から自分の情報を教えたがらない、表札も出さないなどの状況があります。

 それでも地元の地区協議会や団地の防災委員会では、地域のつながりを今後も深め、ペットとの同行避難や要配慮者の避難について、見識を深めています。

 また、市が新たに風水害時要配慮者避難バスの運行を開始したので、こちらを最大に活用できるよう地域での支援を考えています。

 今後も一人ひとりが担い手となり、支え合えるコミュニティをますます深める活動を進めてまいります。