立憲民主党は3月8日、エネルギー転換戦略に関する政調勉強会を開催しました。

 冒頭、あいさつに立った泉健太代表は、「立憲民主党は2050年に再生可能エネルギー100%を目指しているが、世の中が以前の電力構成に戻ってしまうのではないかと懸念している。そうしないためにも、再生可能エネルギーが十分現実的なものでありさらに普及をしていくべきものだということを政治家自身も自らの言葉で語れるようにしなければならない」と述べました。

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 田嶋環境エネルギーPT座長は、「この10年で、太陽光発電と蓄電池のコストは10分の1になり、風力発電のコストも10分の3になった。2013年から2015年の間で世界はがらりと変わった。再生可能エネルギーは高価ではなく、世界では原子力発電のコストより大幅に安くなっている。再生可能エネルギーの拡大が国民全体の利益につながる。今だけ金だけ自分だけではなく、将来世代のためにエネルギー政策を考える仕組みを考えなければならない」と述べました。

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 橘川武郎国際大学副学長・国際経営学研究科教授は、「2050年は、再エネは6割、カーボンフリー火力が残りという構成になると考えている。政府は電力需要が増えると言っているが、省エネを徹底的にやればそうなるか疑問。電力需要が減れば、再エネの比率はもっと上がる。再エネ拡大には市民が再エネ事業に参加することが重要」と述べました。

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 豊岡和美徳島地域エネルギー代表理事は、「長崎の五島では、魚礁になるような浮体式風力発電を行っていて、それが魚礁となり藻が増えて魚が増えている。漁業と再エネがセットでできる。大手事業者は地域の知見が足りない。コストだけの問題ではなく、地域の問題解決にもつながるよう、地元がもっと再エネ事業に参画すべき」と述べました。

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 佐藤彌右衛門 会津電力特別顧問は、「昔は山の木を伐採すればお金になって経済が回っていた。人口減少と木が売れないことで経済が回らなくなっている。戦後植えた木は伐採されず放置されている。バイオマス、水力、風力、太陽光、エネルギーを地域で回すことはできる」と述べました。

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 吉原毅城南信用金庫名誉顧問(元理事長)は、「東京電力福島第1原子力発電所で、日本が消滅しかねない事故が起こった。与野党を問わず、違いを乗り越えて考えていかなければならない。地産地消のエネルギーで豊かな経済を目指していくことを応援していくことが経済民主主義 エネルギー民主主義、そして本当の意味での政治の民主主義につながる」と述べました。

 その後、カーボンフリー火力の可能性や地方自治体の取り組みのあり方等について意見交換がなされました。

 最後に、長妻政務調査会長は、「誰でも安全なエネルギーが欲しいという気持ちがある。再生可能エネルギー中心で雇用も含めてきちんと着地できると説得力ある説明ができれば反対する人はいなくなる。学識経験者のみなさん、地域で再生エネ事業に取り組んでいる皆さんの意見も伺いながら、万人が納得理解できるような形をつくり上げていきたい。私たちは、総力を挙げて今後も取り組んでいきたい」と述べました。