枝野幸男代表記者会見

2020年10月30日(金)12時00分~12時34分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/a3W-QW4dOas


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○臨時国会冒頭の所感について

【代表】
 月曜日からようやく臨時国会が始まりまして、代表質問での論戦がスタートしました。政調会長、幹事長と続いていただき、きょうの午後には水岡参議院議員会長も代表質問に立ちます。事前に4人の登壇者、周囲の皆さんにもご協力いただいて、いい意味での役割分担がうまくでき、よい質疑ができているのではないか。もっとも、答えるほうが、想定どおり、真正面から答えた部分が1人に対して1問、2問あるかどうかというようなレベルだなと残念に思っています。
 ただ、大きな成果があったと思っておりまして、かなり明確に、「自助」か「共生」かという対抗軸が明確になったと思っています。(新型)コロナの危機で多くの皆さんが不安を感じている中、自分で頑張れという冷たい社会を目指すのか、お互いさまに支え合う温かい社会を目指すのかということが、かなり鮮明に見えたと思っております。新しい総理との最初の論戦で、「我が党がもう一つの選択肢となる」と申し上げてきた、その議論の土俵を明確にできたのではないかと思っています。
 菅総理の答弁ぶりでありますが、遺憾ながら、やはり官房長官という印象が非常に強い。答弁の際、本当に役所の答弁を朗読しているだけで、政治家としての熱意やメッセージが残念ながら伝わってまいりません。コロナ危機を含め非常に難しい時代のリーダーとして物足りないと言わざるを得ません。私も官房長官経験者として申し上げれば、官房長官という半分陰で支える立場を長くやってきていきなり総理になられたというのは半分同情をしながら受けとめておりますが、個人的にはそういった同情できる部分があるにしても、この状況のリーダーとして残念だと言わざるを得ないと思っています。

○休業支援金拡充法案を提出

【代表】
 きょうの午前9時に、我が党を中心にまとめてきました「休業支援金拡充法案」(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案)を提出しました。中身は既に担当政調のほうから説明がありましたが、国会開会直後にコロナで苦しむ皆さんを支援するためにこうした法案を提出できたことを大変うれしく思っておりますし、長妻厚生労働部会長を初め関係者の努力に感謝をしたいと思っています。
 菅内閣発足から1カ月余り、残念ながらコロナ対策については制度の不備が次々と明らかになるばかりで、新たな対策は全く見えてまいりません。そうした中で野党がこうした提案を行ったことを与党も真摯に受けとめて国会論戦の俎上にのせていただきたいと思っております。
 引き続き「ともに支え合う社会」「共生社会」実現に向けて各分野での議員立法を進めてまいりたいと思っております。


■質疑

○経済政策について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 経済政策に関して、枝野代表はいつも、消費や需要が押し上げる経済を成長戦略という形で水曜日もおっしゃっているかと思うが、生産・製造・供給といったものが引っ張り上げるというお考えがあるのか。経済調査会、江田さんが会長をやっているところの論点も示されたが、いわゆる成長というのは研究開発、R&Dしか見当たらない。国連方式でいうと10年前までは研究開発はGDPにカウントされなかったものだ。工場が今世紀初めに25万件から20万件に減っており、一つ提案になるが、枝野内閣になったら工場を5万件全国で新設するといったような目標を入れたほうがいいのではないかという考え方は私だけではないかと思うが、いかがか。

【代表】
 生産側と言われているような分野、つまり供給サイドについてもさまざまな政策が必要であるということは否定いたしません。しかしながら、約30年にわたってこの国はそちらに一辺倒の政策をやってきました。その結果、国際競争で負けて停滞しているわけではありません。国際競争の中では、4%前後の経済成長をしている、この数字は先進国の中では決して低い数字ではないのですね。つまり生産側・供給側の問題で日本の経済が低迷しているのではない。国内の需要が日本経済の6割を占めている、ここが停滞をしているから先進国の中で特に日本だけが停滞を続けている。これは再分配に失敗をして、消費者の側に購買力がない、これが日本経済の低迷の本質であると。
 したがって、ここのところを相当強調しないと、経済政策というと、この従来もやってきて一定の成果を上げている供給側の問題ばかりが経済政策だという、この刷り込みを変えなければいけないと思っていますので、私は徹底してこの消費力・購買力という点からの経済を訴え続けたいと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 そうなると、細かいところはいいが、理想とする社会像として、例えば工場のもとで単純労働をするだけで誰でも1億2000万人が食べていける経済というのはイギリス産業革命以降の理想ではないかと思うが、そういった考え方はおとりにならないのか。世の中、高校や大学を出た人ばかりではないが。

【代表】
 とりません。なぜならば、日本を初めとして先進国の生活水準、別の言い方で言えば賃金水準、それはグローバル化の中で圧倒的に高くなってしまっています。規格大量生産分野では賃金水準の低い新興国との競争に勝ち得ません。したがって、先進国は付加価値の非常に高い、付加価値が高いということは実は少量多品種の分野であったり、あるいは製品の研究開発、大量生産に至る前の段階の部分であったりというところでないと、国際競争では生き残っていけない。この部分の例えば雇用の需要というのは決して大きなものではない。そうすると、一方で先進国は国内において富が蓄積されているので、国内の消費、内需によって一定の経済を回して成長していくことができる。これのバランスといいますか、国内の特にサービス化された内需が一定程度のベースを支えながら国際競争をしていく。これが日本だけ実は先進国の中で内需が停滞を続けるということで成り立っていない。やはりそこを変えない限りは日本の経済は成り立たないと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 人事的な話になるが、おそらくきょう社会保障調査会が党で始まるのではないかと思うが、慶応大学の井手英策教授が、ベーシックサービス、社会保障調査会のほうで講師として見えるかと思う。代表は人選にはかかわっていないかもしれないが、井手教授は社会保障専門のほうに移っていただいたという形でよろしいか。

【代表】
 私自身、井手先生が従来からおっしゃっている社会保障分野の普遍主義であるとか現物給付を中心にするべきだという考え方は、もう十年来、私もそう思っておりますので、そうした意味では西村調査会長も同じ問題意識で最初の講師としてお招きされたのではないかと思っています。

○「代表質問所感」「学術会議任命拒否問題」について

【NHK・佐久間記者】
 臨時国会が始まり所信と代表質問があったが、真正面から答えていないというご指摘だった。具体的にどこの部分でどのように足りていないとお感じになっているかと、来週から始まる予算委員会でどう追及をしていくのかお考えをお聞きしたい。
 それと弊協会で日本学術会議の山極前会長にインタビューを行い、2年前の会員補充の際に事務局を通じて杉田官房副長官に人事について難色が示され、理由を教えてくださいと言っても、来る必要はないと、理由も言うつもりはないという答えが返ってきたという問題がある。これについて野党側は予算委員会への杉田官房副長官の出席を求めているが、代表はこれについてどのように感じられるか。

【代表】
 丁寧にお答えしたいのですが、代表質問のやりとりの速記の速報が届いたので、早速ワードに転換して、私の問いと答えで、答えているか答えていないか私のパソコン上で整理をしたのですが、答えているところのほうが珍しい。答えているのは、原発をふやすと悪いほうに大方針転換をした部分と、生殖補助医療のところについては若干お答えになったかなと。それから選択的夫婦別姓については後退をして明確にお話しになったぐらいのところで、あとは答えていませんよねという感じです。答えていない部分は(文字サイズを)10.5ポイントに下げて、答えている部分で何を更問いしていこうかなと思ったところに14ポイントでラインマーカーをパソコン上でつけたのですが、ほとんどの部分が10.5ポイントになってしまったと。こんな状況です。
 山極前会長の御社の報道番組でのご発言は、本当のことであれば単なる参考人ではないですね、これは(杉田副長官には)証人で来ていただかないといけない。法律上の権限も超えたところでそんな圧力をかけていたとすれば、そのことそのものが大問題だと思っておりますので、まずは参考人として来ていただいて、それが事実とすれば証人喚問だし、そもそも公務員法上許されるのかというような問題だと思っています。だから、大スキャンダルですね。あのNHKの「クローズアップ現代」での発言で大スキャンダルが発覚したということだと思っています。

○経済政策について(2)

【毎日新聞・宮原記者】
 代表質問の後に「ニュースウオッチ9」に出演され、ベーシックサービスの財源として、新たな開発型の大型公共事業は投資に見合った効果が出ていない、むしろ社会保障などの人件費に充てたほうが経済波及効果が大きいのは常識ということで、こうしたところの予算に転換していくとおっしゃったと思う。ここの部分を聞いていて、昔の「コンクリートから人へ」といったことも想起されたが、改めて財源的にどう変えていって代表がおっしゃるような社会をつくっていきたいか伺いたい。

【代表】
 短い時間の番組でして、1分以内で話してくれということをNHKさんから言われていましたので一例を挙げましたが、例えば我々は既に税体系全体の見直しをして、法人税も所得税も累進的な要素を強化していくというようなことも申し上げています。こうしたことを全体としてパッケージで、そして財源を確保できたところから充実をさせていくということを堅実着実に進めていきたいと思っています。

○新型コロナ 感染再拡大について

【IWJ・塩澤記者】
 コロナウイルス感染者が欧米で再び増加していることについて伺いたい。第2波の感染者は第1波よりも数倍と言われており、再度ロックダウンに入った国々もある。日本政府は欧米諸国がそういう状況にありながら五輪開催前提で渡航規制緩和などを行っているが、野党のリーダーとしてこのような状況をどうお考えか伺いたい。

【代表】
 我が国においてもじわじわと感染が拡大する状況にあります。さらにPCR検査などを拡大させるべきだし、また、特にいわゆる濃厚接触者等以外の方に、状況状況、立場立場において、もうちょっと低廉に簡易にPCR検査を受けられるような状況をつくっていかなければならないと思っています。

【IWJ・塩澤記者】
 続いてコロナと学問の自由について伺いたい。イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの調査で、ウイルスに感染してできた抗体はその後急速に減少し免疫が十分に持続しない可能性があることが判明した。それをイギリスのデイリーテレグラフや共同通信が報道している。このような政権にとってある意味不都合な研究は学問の自由が保障されていなければ行うことができないと思うが、立憲民主党のリーダーとして政権を獲得された際には学問の自由が保障されると考えてもよろしいか。

【代表】
 まず前段の話については、学問の自由の確保以上に報道の自由と報道機関の矜持が一番重要だと、特に我が国においては、というふうに思っています。
 後者については、当然のことです。

○「地方訪問(1)」「地方組織整備」について

【共同通信・玉井記者】
 代表は結党以来、地方視察に精力的に出られているかと思う。今週も北海道への視察を予定されているが、今後の党の方針についてお聞きしたい。改めて「共生社会」であるとか「支え合う社会」を目指すに当たって、地方訪問の意義や、地方の声をすくい上げることの意味合いについても合わせてお聞きしたい。

【代表】
 新型コロナウイルスの影響もあって、なかなか大規模な集会はやり得ない状況の中にあります。小規模の集会とか、3密にならないような街頭であるとか、そうした状況の中ではやはりできるだけ現場を見させていただくということが従来よりも地方に行ったときに入れやすいというところは、片方で難しい側面がある分だけ、そこは生かしていきたいと思っています。
 もちろん東京にいて仲間が各地から持ってきてくれるさまざまな声というのを想像力を働かせて全体としての構造をつくっていくというのがリーダーの本来的役目だと思いますが、とは言いながらも、やはり直接話を伺うとか現場を見ると、その仲間を通じて届けられた声が比喩的に言うと立体化できると思っていまして、この間もそうした現地を見させていただいたことで単に言葉で聞いている話が非常に本質的なところに理解がつながりやすかったと思っていますので、できるだけ現場で生の声であるとか生の実態実情を聞かせていただくというのはリーダーとして不可欠な仕事だという思いで各地を回っていきたいと思っています。

【共同通信・玉井記者】
 全国の地方組織の整備という意味では、43都道府県の整備状況だと思う。競合区も残り少なくなっているかと思うが、次期衆院選をにらんだ現在の調整状況、進捗状況について評価をお願いしたい。

【代表】
 正直言って9月15日に想定していたよりも何倍も速く進んでいて、その分、平野さんとか大島さんとか、あるいは関係する地域の皆さんにはご苦労をおかけしているのだと思いますが、でも思ったよりも何倍も速く進んでいてよかったなと思っています。

○菅首相・菅元首相に関する報道について

【フリーランス・堀田記者】
 福山幹事長が代表質問の中で菅(すが)さんの最新のスキャンダル、「週刊新潮」が報じたやつをやった。これを予算委員会等で追及するかどうかはわからないが、この問題の中には同じ主役の、名前がきちんと出ているので言いますが、河本善鎬さんは、かつて菅(かん)さんが大量のお金をもらっていた。本人から。それでご存じのように3月11日の参議院内閣委員で追及されていたところに地震が起こり、何もその後の説明はしていない。これも立憲民主党として菅(すが)さんに対していろいろと質問するかどうかはわからないが、大体いつもいいところでいわゆるブーメランが起こっている。ですから菅(かん)さんに、総理も務めた人ですから、きちんとこれはどんな献金であったかということを釈明させる必要性があるのではないか。

【代表】
 私の認識では、当時、菅(かん)議員は総理としてご説明されたと認識しています。

○野党連携について

【西日本新聞・川口記者】
 国民民主党が参議院に続いて衆議院でも共同会派を離脱された。これについての受けとめと、社民党が全体の合流ではなく離党による部分合流という形で党内協議が進んでいるが、それについての受けとめと、代表は従来から共同会派を組む党で過半数233以上の衆院候補者擁立を目指すとおっしゃっていたが、その目標がどのような形で変わるのか変わらないのか伺いたい。

【代表】
 残念です。そして目標は変わりません。

【西日本新聞・川口記者】
 社民党の部分合流の受けとめも。

【代表】
 残念です。

○新型コロナ 経済対策について

【西日本新聞・川口記者】
 先日の衆院本会議の代表質問で代表は、ハイブリッドな政策の一つとして、消費税減免という言葉を使われた。減免という言葉はなかなかイメージしづらい方もいると思うが、改めて減免という言葉の意味するところをお聞きしたい。

【代表】
 全体としてハイブリッドなので、その一部だけを切り取られた話についてはお話ししません。

【西日本新聞・川口記者】
 政権の選択肢として有権者が、次期衆院選で政権をとった場合にどんな政策がとられるのかということを考えながら代表質問を聞いたときに、これは一種の選挙公約というか。

【代表】
 違います。議事録を読んでください。

【西日本新聞・川口記者】
 有権者にとって消費税というのは大変重要な関心事で、その言葉の意味をできるだけわかりやすく。

【代表】
 読んでいただいたとおりですし、それから、その後、私はそのことを提案した上でさらに提案をしています。

【西日本新聞・川口記者】
 (政府・与野党での)協議の場を設けるというふうに提案されているということだが。

【代表】
 私は、今やるべきだと言っているので、1年後だったらまた経済状況は、コロナの状況は違っていますから。そこはちゃんと今の状況のもとで例えばこうした思い切ったことをやるべきだと提案しているということなので、正確に受けとめてください。

○リニア新幹線計画について

【「フランス10」・及川記者】
 立憲民主党としては今のリニアモーターの計画について賛成なのか反対なのか、お立場を伺いたい。

【代表】
 まず、静岡県知事が静岡県知事の権限に基づいて反対をされているということについては地域主権の観点から尊重しなければならないと思っています。
 また、今回のコロナ危機によってさまざまな需要見通しはおそらく抜本的に見直さなければならない状況にあると思っていますので、コロナ危機がおさまるまで一旦立ちどまって、その上で、このコロナ危機によって運送業、長距離大規模運送はいろいろな意味で深刻な打撃を受けていますので、それを踏まえ、もう一度再検証が要るのではないかと私は思っています。

○地方訪問(2) 北海道訪問について

【北海道新聞・文記者】
 先ほど地方訪問の話が出ていたが、あしたから北海道入りということで、具体的にどういった点を見てどういったことを訴えていきたいか。意気込み、狙いを伺いたい。

【代表】
 一次産業についての厳しい状況と、それから逆に北海道はそうした中でもさまざま先進的な努力をされている側面もあるというところについて、現地を見たり現場の皆さんから話を伺ったりするのを大変楽しみにしています。
 それからもう一つは、私自身も沖縄北方担当大臣をやらせていただいた経験がありますので、10年ぶりぐらいに根室をお訪ねすることになりますので、現地の皆さんから、この10年、残念ながら進んでこなかった北方領土返還に向けた現地の皆さんの思いを改めて伺ってきたいと思っています。

○大阪市廃止・分割構想(大阪都構想)について

【NHK・佐久間記者】
 大阪都構想、大阪市廃止・分割構想について、今、一進一退と伝わっているが、代表としてこの大阪市廃止・分割構想について、府連の立場を支援するということだと思うが、現状の問題点と、どのような結果を望むか伺いたい。

【代表】
 基本的にはまさに住民自治によって判断されるべきことだと思っていますので、大阪府連として反対ということで一生懸命戦っているのを党としては支援するという立場ではありますが、私自身が大阪に先月お伺いしたときに申し上げましたとおり、かなり無理をして合併をして何とか政令指定都市になれてよかったなと思っているさいたま市の住民としては、これだけの強い権限を持っている政令指定都市・大阪市を廃止して、権限の弱いというか、ないに等しい区に分割するというのは全く理解できない。みずからの自治権をみずから手放すということについては正直理解できないということなので、ぜひ住民の皆さんには慎重に冷静にご判断いただければと思っています。

【NHK・佐久間記者】
 関連して。賛成の場合、反対の場合、さまざまな場合が考えられると思うが、これについての中央政界への影響についてどう考えているか。答えられる範囲で教えていただきたい。

【代表】
 メディアの皆さんとか有識者の皆さんは、地方選挙なども含めて、必ず国政への影響とかいうことをお聞きになるのですが、それは地域主権、地方分権の趣旨からすれば、それに答えること自体が間違っていると私は思っています。地方の自治に基づくさまざまな判断と国政の判断は全く別次元で見なければならない。国政に得だから損だからみたいなことで地方自治がゆがめられることはあってはならないと、私はそこは一貫して徹底して分けています。

○衆院選 候補者擁立・調整について

【フリーランス・堀田記者】
 競合区のことで、この前、福山幹事長が、岡山3区の内山さんと森本さんの件で森本さんに決まったが、その大いなる原因は、内山さんは地元でない、森本さんは地元であるということでおっしゃったが、内山さんも17年選挙で負けてからずっと岡山でやっている。枝野さんに伺いたいが、枝野さんの考えとしては地元というのはどのぐらいまでを指すか。

【代表】
 まず、福山幹事長の発言について私は承知しておりませんが、私が平野選対委員長から聞いている報告はそういう報告ではありません。

【フリーランス・堀田記者】
 地元ということについて、枝野さんはどのような概念を持っていらっしゃるか。

【代表】
 それはケース・バイ・ケース、どういう文脈で地元という言葉を使うかによりますので、ちょっと一概には答えられません。

【フリーランス・堀田記者】
 細かいことで申しわけないが、千葉7区と千葉8区だが、共産党が千葉8区、出ないと思われたところに立て、千葉7区は立憲が出すよと言っていたのに、元千葉4区の斉藤さん、元職を持ってきて、その後で立てたということで、いろいろとトラブルが続いているが、どのぐらいまでに競合区とかそういったことを含めて、ぎりぎりまで候補者を出す予定はあるか。

【代表】
 その千葉の事情は、すみません、全く承知しておりませんので、何とも申し上げようがありません。

【フリーランス・堀田記者】
 最後まで、例えば共産党が、選挙調整はいろいろやっていると思うが。

【代表】
 まず前提として、参議院選挙と違って衆議院選挙は全ての選挙区で一本化をするということは申し上げていません。全国の選挙区のうち50から100の選挙区は一騎打ちの構図にしたいと申し上げているので、競合するところが、それ以外のところでは競合する余地がたくさん出てくるのは初めから前提にしています。

○野党合同ヒアリングについて

【J-CAST・工藤記者】
 野党合同ヒアリングについて、与党から見直し論が出ているが、きのう国民民主党の玉木代表が記者会見で、メリット・デメリットを検証した上でよりよい形を求めていくことが必要と、ちょっとそれに同調したような発言をされている。このヒアリングでは、代表がテレビでおっしゃっていたように、役所が資料を出さないとか、ちゃんと答弁しないとか、そういった問題がもちろんあるわけだが、今のあり方が望ましいのか、それとも何らかの改善点等があり得るのか。そのあたりのご所見を伺いたい。

【代表】
 これは皆、誤解されているのですが、従来であれば各党派ごとに部会等でヒアリングをしていたのを、ばらばらにやったのでは同じことを何度も繰り返さなければいけないので野党で一回で済ませましょうということで、役所の仕事を減らすために合同ヒアリングをやっている。まずその前提を理解されていない方が多いのではないかと思います。

○乃木坂46 白石さんの卒業について

【J-CAST・工藤記者】
 代表がファンでいらっしゃる乃木坂46だが、先日、白石麻衣さんが卒業された。もし卒コン等の配信をごらんになるとして、受けとめというか考えというか、そういうものがあったらお聞きしたい。

【代表】
 やはり一つの時代が終わったんだなと思います。生駒さんが卒業されて、西野さんが卒業されて、1期生の中心メンバーが3人卒業されてというのは一つの時代の終わりを非常に強く感じました。一方で、乃木坂は、2期、3期、4期、それぞれちゃんと後継者が育っているので順調に世代交代ができるのかなという期待をしています。
 コロナの影響もあって卒業コンサートというのか、これがちょっと特殊な形でないとできなくなってしまった。同じようなことはことしの3月の学校を卒業された方を初めとして日本中で起きているわけですが、ある意味でそれを象徴する姿として、やはりこうしたことが一日も早くないように、通常の生活が送れるように早くしなければいけないし、そのためにはやはりPCR検査をもっと安く幅広くできるようにしなければいけないなというのが感想です。

○学術会議任命拒否問題について(2)

【朝日新聞・吉川記者】
 菅総理が学術会議の問題について、民間出身者や若手が極端に少なく、大学や出身に偏りが見られる、多様性が大事だということを念頭に任命権者として判断したと述べ、学術会議側からは反論も出ているが、代表の考えをお聞きしたい。

【代表】
 きょうの朝刊、各社がそもそもファクトをしっかりとお示しになって、むしろこの10年ぐらいで一気に多様性が進んできていると。そして、申しわけないけれども自民党さんの国会議員の構成などよりもよほど多様性があるというのは間違いないし、正直言って、例えば女性の比率などでは我が党も実は遅れをとっているという状況なので、どういうファクトに基づいておっしゃっているのか全く理解不能であるし、いつも申し上げている支離滅裂の一つだと思っています。