小川淳也幹事長は4月1日、国会内で会見を開き、企業・団体献金禁止法案をめぐる政治改革の動きなどについて発言しました。
冒頭、昨日令和7年度本予算が再修正された上で成立したことについて小川幹事長は「本日、値上がりするものが多い。立憲民主党は物価高対策を含め全力を尽くす。予算の再修正、再可決は極めて異例。ひとえに石破総理判断力、決断力のぶれが混乱につながった」と改めて強調しました。
政治改革法案について自民党が昨日、採決の申し入れをした件について、小川幹事長は「改革を進めたいのか。改革の議論を葬り去るのか。あらぬ疑いがかからないようにと感じた」「法案を出して、委員会で勝負しましょうとこの場を借りて言いたい」と訴えました。
小川幹事長は、自民党の案について「7千支部に企業献金を認めるということか、オンラインで収支報告を出すように推奨しているが、なぜオンラインで出すと、企業献金を受け取れるのか意味不明。企業献金存続ありき」「1千万円を5万で公開と合意があった。公開という言葉の使い方。そもそも公開されている。名寄せしやすいかどうかだけ。やったふり、やった感を出すためだけなら有害でしかない。名寄せの基準の1000万から5万への引き下げは大いにやってもらえばいい。公開されていないものを公開するかのように言うのは有害」と問題点を指摘しました。
3月末までに結論を出すことになっていた点について小川幹事長は「3月31日までの企業・団体献金禁止が百点満点だった。4月をまたいだことを悲観すべきかは、葬り去られるよりは、議論継続で土俵際で踏ん張ったほうがまし」と引き続き企業・団体献金の禁止の実現を求めていくと述べました。
小川淳也幹事長記者会見
2025年4月1日(火)10時30分~10時49分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/xwMs1BRvweM
■冒頭発言
■質疑
- 企業・団体献金禁止法案の審議について(1)
- 国民民主党との基本政策協議について(1)
- 企業・団体献金禁止法案の審議について(2)
- 裏金問題 旧安倍派幹部の参考人招致について
- 国民民主党との基本政策協議について(2)
- 企業・団体献金禁止法案の審議について(3)
- 参院通常選挙に向けた取組について
- 企業・団体献金禁止法案の審議について(4)
■冒頭発言
【司会(中谷幹事長特別補佐)】
それでは、定刻となりましたので本日の幹事長記者会見を始めさせていただきたいと思います。まず冒頭、幹事長より、よろしくお願い申し上げます。
○新年度に当たって
【幹事長】
おはようございます。きょうもご協力ありがとうございます。
きょうから、4月1日ということで、非常に値上がりする品物もまた多いのではないかと思います。改めて、新年度、都議選・参院選を控えた新年度の幕開けですが、物価高対策を含め全力を挙げたいと思っております。
○予算審議を振り返って
【幹事長】
昨日代表が申し上げたとおりですが、予算の再審議というのか再可決というのか、極めて異例でした。これはひとえに石破総理の判断力・決断力のぶれと欠如がこういう混乱につながったということで、一言苦言を改めて呈させていただきます。
○企業・団体献金禁止法案の審議について
【幹事長】
政治改革について、昨日の与党側の採決の申入れは、改革を進めたいのか、改革の議論を葬り去りたいのか。あらぬ疑いが与党側にもかからないようにすべきだと感じましたし、国民民主党もそれに加担すべきではないということを強く感じました。
おっしゃりたいことがあるようですから、法案を出されてしかるべきだと、法案を出して正々堂々委員会で勝負しましょうということを、この場をおかりして申し上げます。
○フジテレビ第三者委員会の調査報告について
【幹事長】
最後に、大手放送局が自らを厳しく総括される昨日の報道にも接しました。
私どもとしても少なからず関わりがある立場から非常にショッキングでしたが、しっかり自らに厳しく身を処していただいて、再生をお祈り申し上げたいと思います。
○エイプリルフールに当たって
【幹事長】
きょうはエイプリルフールで、一つ、二つ、かましたいなとも思ったのですが、ちょっとリスクもあるので控えておきたいと思います。
■質疑
【司会(幹事長特別補佐)】
ありがとうございます。それでは、皆様方から質問ございましたら挙手にてお願いできればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○企業・団体献金禁止法案の審議について(1)
【共同通信】
冒頭ご発言あった企業・団体献金の件で伺いたい。自民・公明・国民の3党が昨日、規制強化に関して、収支報告書のオンライン提出を条件に政党支部が企業・団体献金を受け取れることなどを盛り込んだ合意事項を発表したが、いかが評価されているか。
【幹事長】
7000支部に企業献金を認めるということなのでしょうか。それから、オンラインで収支報告を出すように私どもそもそも推奨されているわけで、一部今度義務化されるわけですが、なぜオンラインで出したら企業献金を受け取れるのですか。全く意味不明。わかりません、理解しかねます。とにかく企業献金の存続ありきの、アリバイづくりのような議論だということを強く申し上げたいと思います。意味不明です。
それから、1000万円で公開を5万円で公開(に引き下げる)という合意があったようですが、これはちょっと「公開」という言葉の使い方を、私どもも気をつけたいし、メディアの皆様にもご協力をお願いしたいのですが、そもそも公開されていますからね。名寄せしやすいか、しにくいかという問題だけであって、そもそも公開されていますから。何だか公開していないものを公開するかのように、やったふり、やっている感を出すためだけの議論だとすれば、有害でしかない。そのことも申し上げたいと思います。
したがって、名寄せをする基準を1000万円から5万円に引き下げる、それは大いにやってくれたらいいのですが、公開されていないものを公開するかのような、誤解につながりかねない表現は有害であると。この改革論議にとってむしろ有害であるということも、あわせて申し上げたいと思います。
○国民民主党との基本政策協議について(1)
【共同通信】
もう一点、連合が立憲民主・国民民主両党に呼びかけていた共通の基本政策について伺いたい。当初、立憲民主党のほうからは参院選での候補者調整を見据えたようなものであると伺っていた気がする。一方で、最近国民民主党の幹部からは選挙協力について否定的な発言も出ている。改めて、立憲民主党として、共通の基本政策と参院選での候補者調整との関係について、どのようにお考えかお聞きしたい。
【幹事長】
私どもとしては、非自公の枠組みで野党の大同団結を呼びかけ、本格的なこの国の政治と社会の改革を訴えてきました。その主たる一番目の相手を、元々兄弟政党たる国民民主党だということで、それなりに誠意を尽くしてきたつもりです。
したがって、今般、先方のご意向もよく踏まえながら、連合さんの協力をいただいて大筋合意目前にあるわけですが、こうした政策的な協調路線、それから、それを足がかりとした、てこにした、ばねにした、選挙区調整や選挙協力に持っていきたいというのが私どもの本意です。
先方は先方でいろいろ思いや思惑があるようですから、それはそれとして受け止めたいと思いますが、私どもの掲げる大義はあくまで「非自公」「野党の大同団結」「本格的な政権交代による政治と社会の改革」、これ以外にありません。
【共同通信】
差し支えない範囲で伺いたいが、立憲民主と国民民主で若干温度感に差があるようにも感じられるが、その点について小川幹事長が思うところを伺いたい。
【幹事長】
繰り返しますが、私どもは「非自公」「野党の大同団結」「本格的な政治と社会の改革」。それと温度感が違うようにもし感じられるとすれば、国民民主党さんが「非自公」「野党の大同団結」「本格的な政治と社会の改革」に向かっておられるのかどうかを、先方に問うていただきたい。
○企業・団体献金禁止法案の審議について(2)
【朝日新聞】
企業・団体献金の関係で関連して伺いたい。自民・公明の幹事長と国対委員長がけさ会談し、きのうの自公国の素案について、立憲民主党にも呼びかけ、この素案をさらに煮詰めていきたいというような方針が確認された。立憲民主党として、自公国の案に対してこうして協議を求められているが、どう対応していくか。もう少し具体的にお願いしたい。
【幹事長】
とにかく法案を出してこいということです。一言。本気ならば、やったふりではないならば、思いがあるならば、法案を出してこいと。ただそれだけです。
【朝日新聞】
それはつまり、やはり委員会の場で議論すべきことであって、いわゆる委員会の外で政党間で協議を先にするものではないというようなお考えか。
【幹事長】
自民党はもう出しているわけで、当方も出しているわけで、野党5会派の案を。これ以上、ちゃんと土俵に乗りたい、その思いが本気ならば法案を出す以外にないでしょうと思っています。
○裏金問題 旧安倍派幹部の参考人招致について
【朝日新聞】
別件で、安倍派の衆議院での参考人招致の件で伺いたい。予算案の審議も終わり、参議院側では、世耕さんについては参院の予算委員会で全会一致で議決された。衆院側では安倍派の4人の件がまだ決まっていないと思うが、今後どういうタイミングで、どのように実現を求めていくか伺いたい。
【幹事長】
これはかねてから衆議院の予算議決の段階で与党側に対して申入れをしていることであり、予算終了後に集中審議を行うという確約を得ており、その中で参考人招致は引き続き大きなテーマであるということです。ちょっと参議院の実現の状況や、その中の審議内容を見ながらにはなりますが、基本的に実現していただくということが前提です。
○国民民主党との基本政策協議について(2)
【産経新聞】
先ほど質問があった国民民主党との共通政策の協議について伺いたい。3月末を一応期限として設定していたと思うが、先ほどのご発言の中で大筋合意が目前にあると幹事長おっしゃったが、現在の調整状況と合意の具体的な時期について伺いたい。
【幹事長】
確たることを申し上げられる段階にはありませんが、今後予想される政治日程だけ、党内日程だけ申し上げると、あさって3日がNC(次の内閣)です。8日の火曜日が常任幹事会。そして、17日の木曜日が、今回仲立ちの労を取っていただいた連合における中央執行委員会。こうした政治日程を意識したいと思っています。
【産経新聞】
関連して。国民民主党の榛葉幹事長はこの共通政策の協議について、先週金曜日の会見で、連合さんが訴えていらっしゃる政策を確認するということだ、新たなものをつくって立憲民主党と距離が縮むとか接着剤になるとかそういう類いのものではないし、その先に選挙協力があるなんていうことは当然ないとおっしゃった。立憲民主党としては参院選に向けた選挙協力の前提として位置づけていたと思うが、このような国民民主党の対応についてはどのようにお考えか。
【幹事長】
元々彼らが、基本政策のすり合わせがないのに選挙協力はできないと。元々彼らがおっしゃっていたことに誠実に応えたい、誠意を持って応えたいというのが私どもの思いでした。もちろん両党に一定幅がある政策は当然ありますから、ある種の最大公約数で、部分的には表現も抽象的にならざるを得ないというものがあったことも当然だと受け止めていますし、それでも前向きに意味があることだと私は思っております。
そして、それは最終的には選挙区調整を含めた両党の共闘態勢につながらなければ、この間、予算(審議)を見ていてわかったではないですか、自民党と個別交渉で、シングルイシューで、条件闘争に持ち込んで、キャスティングボートを握って、一体何を得たのかと。そろそろおわかりではないのですかということを申し上げたいわけですが、そうではない大きな枠組みをつくっていきたいというのが私どもの思いであり、先方にそうではない思いがあるとすれば、それは先方の問題であると。温度感の違いについては、先方に聞いてみてください。
【産経新聞】
先方に聞いてみてくださいとのことだが、国民民主党は最近、基本政策の協議に対する対応もそうだし、企業・団体献金の禁止についても与党側と協議をしたりとか、野党から距離を取っているようにも見えるが、その点についてはどのようにお感じになっているか。
【幹事長】
私どもとしては極めて不本意です。繰り返し申し上げますが、この間の政治と社会のありように最も一義的に責任を負うのは自公ですから、これに代わる枠組みをつくることが最大の大義であるという私どもの立場からすれば極めて不本意であります。
それは参院選前なのか参院選後なのか、自公と国民との距離感がどう変遷していくのか、変化していくのかもよく見届けたいと思っていますが、とはいえ、「非自公」「野党の大同団結」という私どもの願いとする枠組みに一刻も早くお返りいただくことを切望し、誠意を持って地道に努力を続けたい。現状、私どもの立場は変わりません。
○企業・団体献金禁止法案の審議について(3)
【NHK】
企業・団体献金の関連で、一応確認で伺いたいが、きのうまでと与野党で申し合わせていた期限が結果的に先送りになってしまったことについて、改めてどう考えるか。また、この問題の結論をいつまでに出していけばいいとお考えになっているか。お伺いできる範囲でお願いしたい。
【幹事長】
願わくは3月31日までに、特に私どもの立場からいえば企業・団体献金を禁止するという方向で着地できれば、百点満点だったと思います。
3月31日をまたいだことをもって直ちに悲観すべきかといえば、先ほども申し上げたように、きのうの採決の申入れは、何かを実現したいではなく、議論を葬り去りたいと、そういう趣旨の申出だと私は受け止めていますので、葬り去られるよりは年度をまたいでも議論を継続ということで、土俵際、踏ん張ったほうがましだったという認識でおります。
今後は、これは政治改革特別委員会の委員会の開催や運びも含めて、そして、先ほどからご質問が続いていますが、自公国がちゃんと政治的な意思を法案の形で、法律(案)を提出するということをもって責任を果たされるかどうかによって大きく異なってくるので、私どもとしては可及的速やかに企業・団体献金の禁止をベースとした各党合意に至りたい、それを目指したいという気持ちは変わりませんが、相手の出方によって少々、必ずしも見通しを持って言える状況にはない。
○参院通常選挙に向けた取組について
【毎日新聞】
「非自公」「野党の大同団結」という観点から、共産党とは参院選に向けてどのような対話を現状されているか教えていただきたい。
【幹事長】
政権を共にするとか共同で政権を運営するという関係性にはありません。
一方、連合さんにもいろいろな葛藤がありながら一定お認めいただいているのが選挙区調整の必要性でございまして、その幅の中で連携なり信頼関係を維持していくというのが基本線です。
【毎日新聞】
関連して。日本維新の会からは予備選のお誘いがあるかと思うが、その点は、これも3月末というめどもあったかと思うが、現状どのような交渉状況か。
【幹事長】
元々2月末までにお答えをと言われていたのを、そう急かないでくださいということでお返しをし、2度説明を受けている状況です。近々先方の岩谷幹事長とは、3度目、お目にかかりたいという申出もいただいているので、ちょっと対応を検討したいと思っているところです。
いずれにしても、野党が一本化すべきだと。先ほど申し上げた枠組みでですね。「非自公」「野党の大同団結」ということは、1人区の一本化、これは私どもの念願とするところですから、前向きに様々な協議を続けていきたいと思っています。
【毎日新聞】
立憲の党内手続的に、その一本化に向けたお尻というか、ここまでには結論を出さないといけないというような意識はあるか。
【幹事長】
代表はかねて4月中に一本化ということを公に発信されたと記憶しています。これは私自身の経験則から言っても、ゴールデンウィーク明けに一斉にヨーイドンで、選挙区をめぐる事実上の選挙戦といいますか選挙運動といいますか、政治活動が本格化しないと間に合わない。そういう時間感覚を持っています。
○企業・団体献金禁止法案の審議について(4)
【西日本新聞】
企業・団体献金の議論に戻って、確認だが、きのうの自公国合意の中で取り決められた、オンライン提出をする政党支部は企業・団体献金の受け皿となるという議論に関して、当初の公明・国民の発表した案の中では受け皿として政党本部以外の支部としては都道府県連に絞るという案を出していた。きのうの自公国の合意ではだいぶ内容が変わったかと思うが、その比較した点でどういうふうに捉えていらっしゃるか。
【幹事長】
変わり過ぎでしょう。
もちろん、あの時点では全面禁止を、今もそうですが、訴える立場からすると、たとえ都道府県連となったところで簡単には乗れないとは思っていましたが、それでも一定意味のある議論をされているなと感じていました。
今度は7000支部で、繰り返しますが、オンライン提出と企業献金を受けられる資格とがどう関連するのか全く理解できませんが、改革の後退と言えばいいのか、そもそもやる気がなかったと言うべきなのか。あるいは、自民党に気を遣っているのか。何を目指しているのか毛頭理解できません。
【司会(幹事長特別補佐)】
そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは、本日の幹事長記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆様ご参集いただきましてありがとうございました。
【幹事長】
ご協力ありがとうございました。
(以上)