衆院予算委員会は2日、菅総理をはじめ全閣僚が出席する基本的質疑をおこない、立憲民主党・社民・無所属から1番手として江田憲司代表代行が質疑しました。

 江田議員は、日本学術会議が推薦した会員候補者6人の任命を菅総理が拒否した問題に触れました。菅総理は日本学術会議について「官房長官の時からさまざまな懸念を持っていた」と述べ、「閉鎖的で既得権になっている状況があった。前例踏襲はやめて、民間人や若い人を増やした方がいいのではないかと判断した」と答えました。江田議員は、「総理が個人で思うのは自由だが、(法解釈を変えるのならば)法の改正案を提出して国会で議決し、国民の代表である国会が定める条文に基づいて任命するのが大事だ」と法律に基づいて行政をおこなうべきと迫りました。

 「本件で学問の自由は侵されていないか」と問う江田議員に対し、「まったく侵されていない」と菅総理は答弁。江田議員は、「大学の学長の任命まで介入してくるのではないか、このような教授がいる大学の補助金がいるのではないか懸念がでており、学問の自由を脅かす」と指摘。せめて、学術会議の会長には人事について説明して納得してもらわないと官邸との関係がおかしくなり、今後学術会議側で候補者の推薦基準が分からなくなると懸念を示しました。

 日本経済の状況について江田議員は、アベノミクスは強い者を強くし、お金持ちがさらにお金持ちになり格差が開いたと指摘。雇用が増えたと言っても、非正規雇用が増え、可処分所得は下がり、消費が落ち込んでいる時に消費税を増税し、今年に入ってコロナが襲い、日本経済は非常に苦しい状況になっていると述べました。そのうえで、抜本的・包括的な経済対策を与野党で協議して決めることを提案しました。所得が増えるほど税負担率が低くなる所得税を年収1千万円未満であれば減免することや一時的な消費税の減免、税金が20%である株式の譲渡益について、「少なくとも30%にあげましょう」と提案しましたが、菅総理は「経済社会の変化を見据えて判断する」と答弁するのみでした。江田議員は、「お金持ちや大企業がお金を貯めこむから庶民に回らない。だから経済が良くならない。根本的な対策は総理の役目だ」と菅総理の決断を促しました。