衆院本会議で19日、政府提出の予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(予防接種法改正案)の採決がおこなわれ、全会一致で可決しました。
採決に先立ち、立憲民主党・社民・無所属を代表して稲富修二議員が賛成の立場から討論をおこないました。
改正案は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について、予防接種法の臨時接種に関する特例を設け、市町村において予防接種を実施し、国が費用を全額負担すること、健康被害に係る損害賠償によって製造販売業者等に生じる損失を政府が補償することができることとし、国民には接種を受ける努力義務が発生するほか、検疫法の改正で指定感染症の指定を1年以内に限り延期できるようにするものです。
稲富議員は「感染収束に向けてワクチン接種は必要であり、本法案に賛成する」と立場を示したうえで、「ワクチン接種は、国民の命と健康を守るベネフィットを有するものである一方、国民の身体に深刻な影響を及ぼすリスクも抱えている」と危機感を示しました。
立憲民主党は、国民の皆様が納得して接種することができるように、「新型コロナワクチン5原則」をとりまとめ、田村憲久厚生労働大臣に同意する旨の答弁をいただいたと述べ、5原則について説明しました。
1.政府はリスクとベネフィットを包み隠さず、最新情報が更新される度に迅速に説明する
2.政府がリスクとベネフィットをどう比較衡量して接種を判断するのか、わかりやすく科学的根拠に基づいて説明する
3.接種対象者の選定や優先接種者の決定を行う場合は、その科学的根拠を示した上で、国民の意見をよく聞き判断する
4.接種についてはあくまで個人の判断とする。その判断のために国民が求める情報はタイムリーに迅速・的確に届ける
5.副反応含め疑い事象について相談窓口を周知し、迅速な対応と情報公開を徹底する救済制度の更なる充実を図る
「『来年前半までにすべての国民に提供できる数量を確保』するという目標を急ぐあまり、問題のあるワクチンを購入するようなことがあってはならない」と政府に要請し、討論を結びました。