2020年12月25日

第5次男女共同参画基本計画の閣議決定にあたり(談話)

立憲民主党ジェンダー平等推進本部

 本日、第5次男女共同参画基本計画(以下「第5次計画」という。)が閣議決定されました。

 新型コロナウイルス感染症禍で、ジェンダー不平等の社会構造が女性に厳しい負担をもたらすことが浮き彫りにされ、脆弱な立場に置かれやすい女性の視点に立った政策がなお一層強く求められる今、第5次計画の果たすべき役割は重いはずです。しかし、「選択的夫婦別姓」の文言が削除され、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度」(以下「202030」という。)とする目標は、最長10年先延ばしになるなど、全体として、ジェンダー平等から後退したと言わざるをえません。

 選択的夫婦別姓は、個人の尊厳、両性の本質的平等から実現されるべきです。11月に発表された民間における調査では、7割が選択的夫婦別姓に賛成であり、当事者ともいえる20代・30代ではより賛成の割合が高い結果でした。法制審議会が選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案要綱を答申してから間もなく四半世紀を迎えるこの段階で、なお第5次計画に記載することすら容認しない政権与党に対し、立憲民主党は強く抗議します。立憲民主党が既に国会に提出している選択的夫婦別姓法案は、個人の尊厳と両性の本質的平等に根ざしたものであり、速やかに国会で審議の上可決・成立させることを、政権与党に強く求めます。

 「202030」が達成できず、第5次計画では「2020年代の可能な限り早期に30%程度」に後退しました。数値目標を掲げながら達成できなかったことを、政府、国会は真摯に反省をし、具体的な要因を検証すべきです。このままでは、数値目標の形骸化が加速し、基本計画そのものの意義が損なわれかねません。
 立憲民主党は、非正規雇用労働者の約7割は女性であること、男女の賃金格差、セクハラといった、雇用の現場における問題を始め、社会全体に根付くあらゆる男女不平等に真正面から向き合い解決していくことこそ、「指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度」とする目標の実現に不可欠と考えます。そのために、必要な施策の実現に努力していきます。

 世界経済フォーラム2020年版世界ジェンダーギャップ指数における、日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位(前回は149か国中110位)と世界最低のレベルにあります。

 立憲民主党は、あらゆる分野にジェンダー平等の視点をとりこむジェンダー主流化を推進し、第5次計画の不備を補うべく、立法化、政策立案を進めていきます。真の男女平等が実現できるように、立憲民主党として最大限の努力をしていきます。

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