福山哲郎幹事長は12日、常任幹事会終了後に定例の記者会見を国会内で行いました。COVID-19の感染が昨年末に東京で1300人を超え、新年に入ってからも広がり続ける中、立憲民主党など野党は12月2日時点で新型インフルエンザ特別措置法及び感染症法改正案を国会に提出し、同月中旬には緊急事態宣言の発出を政府に促してきましたが、菅総理が12月25日時点でも否定的見解を示していたと指摘。それが急きょ、7日に1都3県に緊急事態宣言を発出し、さらには近畿圏への発出の検討へと方針転換した政府の対応に関して、「絵に描いたような後手後手の状況で、現実の感染拡大に対してもう全て後追いで、追っかけながら対策を打つという状況が国民の不信感を招いている」と苦言を呈しました。

 第3次補正予算に関して、昨年末に編成された時点ではGoToトラベル・GoToイートに1.1兆円、カーボンニュートラルへの基金に2兆円、公共事業に2兆円など、緊急事態宣言の発出を想定せずに計上されていたと指摘。現下の感染拡大状況を踏まえ、不要不急の事業への支出を見直し、「貧困対策、医療機関への支援、PCR検査拡充のための予算、そして、雇用調整助成金の延長や、さらには休業支援金等々にすぐに予算を使うべき」と組み替えを要求しました。特に2月末までとされている雇用調整助成金の特例措置について、「現時点で雇用調整が始まっている。つまり、もう首切りの準備のために、事前の通告があちこちで始まり、年度末に向けて広がる」と懸念を示し、「更なる延長」を強く求めました。

 韓国の従軍慰安婦訴訟でソウル中央地裁が日本政府に慰謝料の支払いを命じた問題に関しては、「国際法上の主権免除の原則と、日韓請求権協定の内容から考えて、全く日本政府としては受け入れられるものではない」との見解を示し、韓国側に適切な措置をとるよう求めました。また、元徴用工訴訟に伴う日本製鉄資産の現金化問題については、「日韓両国の友好な関係は、安全保障の点からも、そして新しいバイデン大統領就任という状況からしても、アメリカとの同盟関係である日韓両国の友好関係を考えても、この現金化というのは、ぜひ、思いとどまり、やめるべきだということを強く申し上げたい」と述べました。