衆院内閣委員会で1日、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(特措法改正案)に対して、立憲民主党、自民党、公明党、日本維新の会等の4会派が共同で修正案を提出。衆院会派「立憲民主・無所属」から柚木道義議員が修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場から討論しました。その後、一括して採決がおこなわれ、与野党の賛成多数により可決しました。

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案修正案

 修正案の趣旨について、4会派を代表して立憲民主党の今井雅人議員は、「政府提出の原案における入院の措置等に係る罰則及び積極的疫学調査に係る罰則並びに緊急事態宣言、及びまん延防止等重点措置の際の命令に違反した場合の罰則の見直し等を求めるご意見を踏まえ、また、迅速な対応が求められている現下の状況にも鑑みつつ、与野党において真撃な修正協議を行い、国民的見地に立った迅速かつ柔軟な合意形成に基づいて取りまとめた」と述べ、主な修正点を説明しました。

特措法等改正案修正案趣旨説明.pdf
【要綱】特措法等改正案修正案.pdf
【修正案】特措法等改正案修正案.pdf
【対比表(改め二段)】特措法等改正案修正案.pdf
【修正案対照表(新旧三段)】特措法等改正案修正案.pdf

 修正案に対して柚木議員は、野党提案によって特措法改正案から刑事罰が全て削除され、過料も全て減額されたことに一定の評価を示しました。しかし修正案でも過料の感染拡大防止への科学的根拠、まん延防止重点措置への国会関与などで課題が残ると指摘。さらに昨年12月2日に野党が提出した特措法改正案ならば、十分な補償措置により罰則なしでも事業者の協力は得られると述べました。今回の修正を含む特措法改正案に賛意を示しつつも、以下の提案を「政府・与野党で全責任を共有して進められることが大前提」と要求し、討論を終えました。

(1)時短要請への補償は「緊急事態宣言地域」「まん延防止措置地域」各々一律補償でなく、売上、従業員数、店舗規模や店舗数など事業者規模に応じた補償実施で、全ての事業者が倒産することなく時短要請に応じられること。これで従業員の雇用・暮らしを守るために時短要請拒否し罰則対象となる事業者はほぼ無くせるはずである。
(2)「まん延防止等重点措置」実施へは、国民の代表たる国会に実効性ある関与を持たせること。緊急事態宣言が出しづらいからと、私権制限や罰則を伴うまん延防止措置が乱発されることがあってはならない。
(3)感染症法上の刑事罰が削除されたことは当然だが、過料の科学的実効性(立法事実)は不十分である。 子育て、介護、経済的理由などで入院困難な場合は、罰則となるのを恐れて検査を避ける人が出て感染防止に逆行しうる点、違法行為への告発義務が加わる保健所業務負担増でそうでなくとも遅れている入院調整がさらに遅れる、等の懸念解消が不可欠である。

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する付帯決議

 特措法改正案の修正案と修正部分を除く原案が可決した後、立憲民主党など4会派が特措法改正案に対する付帯決議を提出。立憲民主党の後藤祐一議員が趣旨説明をした後、採決がおこなわれ、与野党の賛成多数で可決しました。

新型インフル特措法に対する付帯決議案.pdf

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修正案の趣旨説明をする今井雅人議員
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付帯決議を説明する後藤祐一議員