福山哲郎幹事長は2日夕、政府が緊急事態宣言延長を国会に事前報告したことを受けて記者団の取材に応じました。
福山幹事長は、緊急事態宣言が延長されることについて「非常に残念に思う。1カ月前、必ず改善をさせると言った菅総理には、なぜ延長せざるを得なかったのか、どのように今後の対策を講じるのか、具体的にこれからの国会でも説明をいただきたいと思う」と述べました。「病床の使用率は依然、高い数字だ。全国の重症者数や死者数は、まだ予断をまったく許さない状況」との認識を示し、「zeroコロナを掲げる私たちは今回の緊急事態宣言の延長はやむ無しと考える。何とかzeroコロナに向けて、国民の皆さまのご協力をお願いしたい」と述べました。
飲食店への時短要請に対する政府の支援が特定的、限定的だったことを批判し、「飲食店への協力金だけでは到底足りない。新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)の改正で立憲民主党と自民党で確認をした事業規模に応じた支援のあり方、さらにはほかの業種の皆さんへの十分な補償措置等の支援措置をわれわれも具体的に提案していくので、政府においては事業者と国民生活を守るためにしっかりと受け止めていただきたい」と述べました。
さらに「緊急事態宣言の1カ月の延長でますます事業者や国民生活は苦しくなる。そのことを真正面から政府は受け止めていただきたい」と述べ、持続化給付金の再給付、雇用調整助成金の再延長、休業支援金の延長、そしてひとり親世帯への特別給付金の再給付など、年度末や新学期を前に本当に厳しくなる国民生活を守るために新たな財政支援を強く求めて行きたい考えを示しました。
緊急事態宣言延長の事前報告のためにおこなわれた衆参両院それぞれの議院運営委員会での菅総理の説明について問われ、「これまでと同様の説明をするばかりだし、この1カ月で改善をしたことは強調されるが、病床の使用率や重症者が増えたこと、死者が増えていることについては、あまり言及をされなかった。加えて事業者への支援、生活困窮者への支援等も具体的な言及がなかった。非常に抽象的でいつもの答弁だと思った。あれでは国民は到底、納得できるものではないと思う。あと1カ月国民に協力をお願いするのであれば、十分な補償措置と財政支援が不可欠だと考える」と述べました。
菅総理が「1カ月で事態を改善する」と言っていたのに延長することになったのは最初の見通しが甘かったのか、政府の実施方法が甘かったのかを問われると「1カ月と当初決めた時に、なぜ1カ月なのかということをわれわれは何度も申し上げたが、具体的な言及はなかった。見通しも悪かったと思うし、特定的、限定的な協力金という形だったので飲食店も厳しかったし、それ以外の業種の方はより事業経営も生活も厳しくなった方も沢山いらっしゃると思う。その中で何故、緊急事態宣言を解除するまでに至らなかったのかについては、反省も含めてしっかり説明をいただきたい。今日の総理の答弁はまったくそれは伝わって来なかった」と述べました。
菅総理が与党議員が銀座で飲食していたことについて陳謝したことについて問われ、「銀座の問題があったことで、総理の今日の緊急事態宣言延長についての国民への協力(の要請)もなかなか国民は素直に受け止められなかったのではないか」と語りました。
令和3年度予算の審議にどのように臨むかについては「われわれとしては、1カ月で解除ができなかったことへの原因や今後1カ月のどういった対策をしていくのかについて明確な答弁を総理に求めて行きたい。来年度予算はまさに編成の時期に、緊急事態宣言を想定していない予算なので、新型コロナ対策が十分に編成されている予算ではない。特措法でわれわれが合意をした事業規模による支援のあり方や飲食店以外のあらゆる時短に協力をしていただいている業種、生活が不安になっている個人の皆さんへの救済措置、十分な補償措置等について予算委員会で具体的に要望していきたい。そうしなければ、潜在的な失業を含めて事業者も国民の生活も本当に壊れてしまうという危機感がわれわれにはある。zeroコロナをしっかりと求めて行くとともに、国民生活を守って行くという役割を野党第1党としても論戦の中で責任を果たしていきたい」と語りました。