衆院予算委で5日午後、午前に引き続き2021年度本予算の基本的質疑が行われ、逢坂誠二議員が質問に立ちました。逢坂議員は、(1)COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策(2)森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長による女性蔑視発言(3)菅総理長男と総務省幹部との会食報道(4)政府の豪雪対策――などのテーマを取り上げました。
冒頭、逢坂議員は、不具合を起こした厚労省の新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAについて言及。この問題をメディアや野党が大きく取り上げているのは、このアプリが単なるゲームやお遊びのアプリではなく、「国民の命を守るためのアプリ」だからだと指摘。それとともに、厚生労働省の雇用調整助成金の電子申請が不具合を起こし、約3か月にわたり停止していた事実について菅総理をただしました。逢坂議員は「厚労省はこのIT関係のことで、同じ年度に2度も重大な不具合を起こしている」と述べた上で、管理監督体制の大幅な改善を求めました。
森会長が女性蔑視ととれるような発言をしたことについては、「森会長の記者会見やテレビ番組での発言を聞いていたが、この方が、世紀の平和の祭典であるオリパラの日本の組織のトップを務める、これはダメだ、私はそう思いました」と発言。「総理自身が直接(森会長に)会って、対応して頂きたい」と菅総理自身による対応を求めました。
総務省幹部が菅義偉首相の長男から接待を受けたとの報道があったことについては、会食に同席した総務省幹部に対し(1)会食に同席した理由(2)どれくらいの頻度で会っていたのか(3)直接的には誰から誘いを受けたのか――といった点を問いただしました。しかしこの幹部が「省内で調査中である」ことを理由に回答を拒むと、「『(刑事)捜査中だから』という理由ならば分かるが、同じ役所による調査を受けているだけなのに、なぜ回答できないのか」と迫りました。この幹部が再度回答を拒むと逢坂議員は「今のような答弁の繰り返しならば、国会の行政監視機能に対する侵害だ」と答弁に対する強い不満を表明しつつ、総務省による事実関係調査の早急な決着を求めました。
昨年末から北海道や東北、北陸をはじめとする地域が記録的な豪雪被害に見舞われたことについても触れた逢坂議員は「(昨年は)夏も雨や風も大変な状況だが、豪雪災害は特にひどい」と述べ、同じ豪雪地帯出身の菅総理に対し、万全の対応・対策を求めました。これに対し菅総理は「皆さんが大雪の被害を乗り越えていけるように、中小事業者の資金繰りだとか全体としてしっかり対応していきたい」と答弁しました。
最後に逢坂議員は、コロナ対策のため確保された予算の使い勝手が悪く、ほとんど使われていない予算があることを指摘。その例として、逢坂議員は(1)緊急包括支援交付金として用意された3兆円の予算のうち、実際に交付決定されているのは全体の約40%程度にすぎないこと(2)病床確保のために12月25日に閣議決定された緊急支援予算(約2,700億円)に対する病院からの申請件数が20件しかないこと――などを取り上げました。菅総理に対し「指示するだけでなく、きちんと(政策が実施されたかの)点検もして頂きたい」と要望し、この日の質問を終わりました。