衆院予算委員会で8日、2021年度予算案の基本的質疑が行われ、立憲民主党の3番手として稲富修二議員が登壇。新型コロナウイルス感染症禍にある大学生への支援策、生活困窮者への対策等についてただしました。

 小中学校・高等学校で対面授業が実施されている一方、大学では今でもオンライン授業を基本としていることに関して、あしなが育英会がおこなった調査結果を取り上げました。学生生活に「不満」「非常に不満」と回答した人が60.3%。退学を考えたかという質問に25.7%が「考えたことがある」という回答だったことを紹介。文部科学省に対して、「学生の生の声を直接聞いて、何に困っているか。現場の声を取り上げたものをぜひ調査をしてもらいたい」と提案しました。菅総理大臣から「私もやるべきだと思う」という答弁を引き出しました。

 あしなが育英会の調査で遠隔授業を受けている大学生や専門学校生の3割がスマートフォンで受講しているという結果を示し、稲富議員は小中学校で1人1台のタブレット配付が進みつつあることを踏まえ、高等教育機関学生にも「公助の世界で少なくともタブレット配るべきだと思う。総理はどう考えるのか」とただしました。総理は「公助でさらにおこなっていくべき」と前向きに応じました。

 昨年12月1日時点の就職内定率に関する調査で、大学生が前年比マイナス4.9%、専修学校生がマイナス11.7%と急落していると指摘。「就職氷河期の再来というのは絶対に阻止しなければいけない。それは望まない非正規雇用を生み、雇用の不安定化は賃金の低下、未婚化、少子化を加速させるという循環にもなってしまう」と危機感を示し、政府の対策を聞きました。菅総理が答弁に立ち、「新型コロナによって第二の就職氷河期を作ることがないようにしっかり取り組んでいきたい」と決意を示しました。

 新型コロナウイルス感染症禍の影響で生活保護を申請する人が増えているなか、申請者の親子だけでなく、祖父母、さらには曾祖父母や孫、曾孫の経済的状況まで確認する「扶養照会」によって、申請しづらい事態を招いていることを問題視。「最終的な役割として使えない権利。これでは制度の意味がない」と疑問を呈しました。これに対して総理から「DVや明らかに交流が断絶している者については、照会を不要とする取り扱いを認めている。この取り扱いについて、より弾力的に運用できるように今、厚生労働省で検討している」と答弁しました。

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