福山哲郎幹事長は9日、国会内で定例の記者会見をおこないました。常任幹事会について報告し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・森喜朗会長の女性蔑視発言に対して所属女性議員が中心となり抗議の意思を示したこと、バイデン米大統領がラジオ番組で東京オリンピック・パラリンピックの開催について発言したこと、海上自衛隊の潜水艦と民間の商船が衝突したこと、枝野代表らと米国の外交安全保障の専門家とzoomでミーティングをおこなったことを報告しました。

 福山幹事長は、「今日の予算委員会でわが党の亀井、金子、山本それぞれ3人の女性議員が質問に立ちました。女性参政権のシンボルの白スーツに身を包み、森会長の発言に抗議の意思を表しました」と報告。森会長の発言が五輪憲章に反するもの、発言を受けてボランティアが400人近く辞退したこと、国際社会からも非難の声があがっていることを「非常に残念」と述べ、「菅総理も自民党内も日本の国際的な信頼をおとしめていることについて対応いただきたい」と政府・自民党の対応を求めました。

 バイデン米大統領がラジオ番組で東京オリンピック・パラリンピックの開催に触れたことについては、「日本の総理と話したと、そして『安全に開催できるかどうか科学に基づいて判断されるべきだ』と開催されることを祈っているとバイデン大統領がラジオ番組で話されたと聞いておりますが、1月28日のバイデン大統領と菅総理の電話会談では、『東京オリンピック・パラリンピックに関するやり取りはありませんでした』と菅総理は仰られています」とバイデン大統領と菅総理の話に矛盾があることを指摘。開催の是非が注目される中、「日米両国の電話会談の内容に齟齬があることは遺憾に思う。日本政府が、菅総理がやり取りしたことを隠していたとしたら、問題だと思います。バイデン大統領が科学に基づいて判断されるべきだということを言ったのだとしたら、なぜそのことを隠したのか、やり取りがあったのか、なかったのかも含めて、明確にしてほしい」と日米の電話会談の内容を明らかにすべきだとの考えを示しました。

 海上自衛隊の潜水艦と民間の商船が衝突したことについて、「安全確認がどうだったのかに加えて、事故発生から3時間外部との連絡ができていなかったことについては非常に大きな問題だ」と述べ、国会で確認する考えを示しました。

 また、枝野幸男代表、亀井亜紀子国際局長、篠原豪外交・安全保障調査会長と福山幹事長の4人で、1月13日と今日、米国の外交安全保障の専門家とミーティングをおこなったことに触れ、「日米関係そして米中関係を含めたアジアの安全保障の関係、さらには経済の問題も含めてさまざまな方々と意見交換をさせていただき、バイデン大統領の下でのアメリカの外交政策について建設的な意見のやり取りをしました」と報告しました。

 森会長の発言をめぐり東京オリンピック・パラリンピックのボランティア辞退が相次いでいることについて、自民党の二階幹事長が「静かになったら考えも変わるだろう」等と述べたことについて記者団から受け止めを問われました。福山幹事長は「ボランティアの皆さまの気持ちを踏みにじっているものだと言わざるを得ないし、今回の森会長の発言がどれほど大きく、このオリンピック・パラリンピックを成功させたい思いの人たちを傷つけているか、失望させているかに考えが及んでいないのではないか」と述べました。

 公職選挙法違反の罪に問われている元法務大臣で衆院議員河井克之被告の公判で、「河井被告の陣営スタッフへの現金供与に使われたお金は自民党本部から支出された1億5千万円が原資だった」と会計担当者の供述調書が読み上げられたことについて受け止めを問われました。福山幹事長は「安倍前総理そして広島選挙区に何度も応援に入っている当時の官房長官である菅総理の責任は免れないと思います。菅総理は自民党の総裁としても、こういった調書が出てきたことについて、しっかりと説明をするべきだ」と菅総理の説明責任に触れました。