立憲民主党ジェンダー平等推進本部は16日、国会内で厚生労働省と日本弁護士連合会(日弁連)から生活保護についてヒアリングをしました。厚労省からは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策に伴う生活保護における対応について、日弁連からは日弁連が実施した「全国一斉・新型コロナウイルス感染症・生活相談ホットライン」について、生活保護法改正案の「生活保障法」日弁連案について説明がありました。

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 ジェンダー平等推進本部長の大河原雅子衆院議員(写真上)は冒頭のあいさつで、「COVID-19で世界中が苦しんでいる中、脆弱で一番大きな被害が及ぶのが当初から言われていた生活保護の問題。この国の一番矛盾に満ちた問題があらわになった」と指摘し、「今日のヒアリングを大事にしたい」と述べました。
 厚生労働省からは、まず生活保護制度の目的について説明がありました。説明内容は以下の資料のとおりです。

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 日弁連の猪俣正・貧困問題対策本部副本部長は、昨年11月におこなった全国一斉解雇・失業・生活相談ホットライン、12月におこなった全国一斉生活保護ホットラインの実施結果を報告しました。50代から60代の相談が多いことや、未受給者が福祉事務所へ相談した際に「働いて生活しなさい」「扶養義務者に援助してもらいなさい」「所持金が無くなってから来なさい」「車を処分しなさい」等の対応を受けたという回答が相談件数701件中49件にのぼることが説明されました。猪俣副本部長は、「コロナ禍が長期化して、非正規の方中心に仕事を失って見つからない方がたくさんいる。借金が増えたり問題が深刻化しているのが見える。貯蓄を崩したり何とかしのいだが難しい状況がたくさん増えている。(生活保護は)セーフティーネットとして重要だが旧態依然の水際作戦も横行している。生活保護を使いたくないという拒否感も少なくない」と問題をあげました。
 また、森弘典・日弁連貧困問題対策本部事務局次長は、現状の生活保護法の問題を改善するために、日弁連が生活保護法改正案「生活保障法」要綱案を作成・公表していることを紹介。改正案の5本の柱として(1)権利性の明確化(2)水際作戦を不可能にする制度的保障(3)生活保護基準の決定に対する民主的コントロール(4)一歩手前の生活困窮層に対する積極的支援(5)ケースワーカーの増員と専門性の確保――を説明しました。森事務局次長は、「菅総理は『最後は生活保護がある』と言うが、出てくる最初のセーフティ―ネットになっていて、生活保護の手前のセーフティーネットがないのが問題だ」と指摘しました。

 出席議員からは、COVID-19の感染拡大のなか女性で困窮する人が増えている状況を踏まえて「今日のデータには性別のデータがないが、それは示してもらえないのか」と質問がありました。厚生労働省担当者は、「現在、福祉事務所に負担が掛かっている状況。失業が多いとか貯蓄が切れているとかのデータはあるが、生活保護基準は性別で受けていないので、事務的に乗っかってこない印象がある」と性別でのデータをとることに難色を示しました。

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