枝野幸男代表は11日、次期衆院選の公認候補予定者である渡辺創・宮崎県第1区総支部長(宮崎県連代表、同県議)主催の「WEB対談」に出演しました。対談で枝野代表は「いわゆる新自由主義的な成功体験など、さまざまな意味でこの国は昭和を引っ張っている。今までの歩みを軌道修正するきっかけを作らなければ社会全体が沈んでいく」と現状へ強い危機感を示し、「(現状を)何とか変えたいし、その可能性は十分にある」と次期衆院選の意義を強調しました。

 このウェブ対談は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大で通常の政治活動が制約を受ける中、新たな活路を見出そうと同総支部が企画した5回シリーズの第2回目。Zoomを活用し渡辺総支部長のYouTubeチャンネルでライブ配信されました。宮崎県産品の話題から和やかに始まった対談は、元全国紙政治部記者の渡辺総支部長が聞き手を務め、次第に核心へ。予定の60分をフルに生かし、枝野代表の信念や旧立憲立ち上げ時の心境にも踏み込んだ内容になっています。

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渡辺総支部長(左)から送られた宮城県産品を手にする枝野代表

 枝野代表は、新型コロナウイルス感染症対策について、ニュージーランドや台湾など入国管理を徹底し、封じ込めに成功している国を例にzeroコロナ戦略の重要性を強調しました。話題が正常性バイアスに及ぶと、政府のこれまでの対応を振り返り、「事態が深刻であるほど(現実を)直視したくないという本質が働いてしまう」と指摘。党首討論や代表質問で繰り返し指摘をしてきた理由を「原発事故時に自らに強く言い聞かせてきた。それでも発生から数日は想定よりも事態が悪くなった」と当時官房長官として危機管理にあたった東日本大震災の経験が影響していることを明かし、「政権が重く受け止めていないのは大変残念だが、繰り返し指摘しなければならない」と述べました。

 また、新型インフルエンザ等対策特措法改正案・感染予防法改正案の与野党修正協議に踏み切った理由について「前科がつく刑事罰に加え過料も外したかったが、政治は理想を目指す一方で、日々最悪を避ける判断もしなければならない」と言及。「これまで与野党の力があまりにも違い過ぎて、安保法制や共謀罪などでも最悪を止めることができず、歯がゆい思いをしてきた。衆院で100人を超える大きな塊を作ったことで『まっとうな政治』復活の第一歩になった」との認識を示しました。

 結党時から行動を共にしてきた渡辺総支部長が2017年衆院選後に「史上最少の野党第1党」として歩み始めたことに触れると、枝野代表は「結党時は重たい判断で大変な緊張感はあったが、戸惑いはなかった。ただ最初の選挙で野党第1党になるとは思っておらず、正直うろたえた」と当時を回顧。「『ゼロから始めた政党だから大事にしたいこと』と『野党第1党という公の器の責任』が矛盾や衝突しかねないと感じていた。このことを両立させるのが私の3年半のテーマだった」と正直な心情を吐露し、政権選択の選択肢を目指す段階まで進んだ歩みを振り返りました。

 対談の締めくくりでは、旧立憲民主党で自治体議員団の立ち上げから幹事長を務めてきた渡辺総支部長に「さまざまな状況の自治体議員団をまとめてきたリーダーとしての実績を国会で発揮してほしい。必ず国会へ」とエールを送りました。

対談はこちら(https://youtu.be/LFzuyU9xjF0)でご覧いただけます。