衆院本会議で2日、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」(特例公債法案)が審議され、立憲民主党の落合貴之議員が反対の立場から討論しました。

 赤字国債の発行を認めるための特例公債法は、昭和50年度から赤字国債を発行しなかった数年間を除き、毎年、年度ごとに審議がされてきたが、その後、4年ごと、近年では5年ごとに束ねる法案へと変節したと指摘。特例公債法案が予算と密接に関係する法律案であるにもかかわらず、「毎年国会で審議をしない意味はあるのか」と期間の長さに疑問を呈しました。

 そもそも国債発行を含む国家が行う財政活動は、国会や国民がしっかり監視をするべきであるという財政民主主義の観点から国会で審議、議決されなければならないと指摘。「予算、税制、国債発行を同じタイミングでその都度議論する。そしてその過程を国民に示していく。これがあるべき姿ではないか」と訴えました。

 さらに、法案に「財政の健全化」が明記されていることを取り上げ、「持続可能な財政を実現することは、国家を運営する上でも、国民生活を安定させる上でも重要なこと」と強調しました。ところが、昨年来のコロナ禍で、持てる者の経済状況だけが回復し、持たざる大多数が更に没落してしまうという危険性に触れ、「もしこうなってしまえば、国民の担税力は弱まり、持続可能で健全な財政は実現することはできない」と厳しい見方を示しました。

 昨年度発行された約90兆円の赤字国債に関しては、「経済対策や災害対策と言いつつ、一部の与党政治家の利権のためというような項目が並ぶ予算。このために赤字国債を費やしていていいのか」と使途について疑義を呈しました。「財政は国民のために使い、日本の良さであった分厚い中間層、これを復活させなければ、国民の担税力は上がらない。自律的な経済の好循環も生まれない。健全な財政も実現できない」と力を込めました。

 最後に「予算、国債発行、税制、重要法案は、国民の生活のため、この国のために、その都度国会でしっかり審議をするべき。ねじれ国会でもないのに、5年間もの長い期間にわたり、重要な国債発行を白紙委任するような内容となっている本法案には、とうてい賛成することはできない」と言明。「国会のチェック機能を自らの手で弱体化させるべきではない」と述べ、反対討論を終えました。

特例公債法案反対討論(予定稿).pdf

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