「大臣の言葉は責任の証。大臣は国民に向けて行政府の長としての責任をもち、言葉を発するべき」(岡島一正議員)。立憲民主党をはじめとする野党4党が武田良太総務大臣に対する不信任決議案を提出したことなどを受け1日、衆院本会議で不信任決議案の討論と採決が行われました。立憲民主党を代表し、岡島一正議員が不信任決議案に対する賛成討論を行いました。

 岡島議員は、不信任決議案に賛成する理由として以下の3つの理由を挙げました。

■不信任決議案に賛成する3つの理由
  1. 総務省接待問題に関し「極めて無責任な対応を押し通したこと」

     不信任決議案に賛成する第1の理由として岡島議員は、総務省接待問題に関し武田大臣が「極めて無責任な対応を押し通したこと」を挙げました。

     第三者委員会による検証結果が出ていない段階で「放送行政が歪められた可能性は全くない」などと断言するような国会答弁をしたのは、第三者委員会の存在が「『おざなりである』と告白したも同然」だと批判しました。また大蔵省の接待事件以来の接待官僚の大量処分という醜態を晒しながらも行政の歪みを否定する武田大臣は「無責任だ」と重ねて批判しました。

  2. 委員会で答弁席に向かう官僚に対し「記憶にないと言え」と発言したこと

     不信任決議案に賛成する第2の理由として岡島議員は、総務省の接待問題に関する質疑で答弁席に向かっていた総務省幹部職員に対し「記憶にないと言え」と呟いたとされる事件を挙げました。武田大臣は、この件に関し別の委員会でも追及を受けると「口に出たかもしれない」としながらも「指示する意図は全くなかった」などと弁明。その後、参院でも追及されると「誤解を与えて申し訳ない」「なぜか無意識に出た」などとさらに釈明を重ねました。これらについて岡島議員は、武田大臣が「国民に対し、責任ある言葉での説明を一切行っていない」と、批判しました。

  3. NTT澤田純社長との会食の有無について、国民をはぐらかす無責任な言葉で国会答弁をしたこと

     岡島議員が第3の理由として挙げたのが、自らのNTT社長らとの会食の有無について、武田大臣が国民をはぐらかすような「無責任な言葉による答弁を重ねたこと」でした。週刊文春による報道前には、武田大臣が「国民の『疑惑を招くような』会食や会合に応じることはない」というような決まり文句の答弁を衆参合わせて30回程繰り返したと指摘。その後、実際に報道されると「同席はしたが、食事はしなかったので会食ではない」「許認可に関する要望や依頼は受けていない」がゆえに大臣規範には抵触していないと強弁したと武田大臣の対応を批判。

     武田大臣が「誤解を生んだ」などと発言していることについても、大臣規範に抵触したかどうか受け止めを「判断するのは国民。大臣ではない」と批判しました。

■その他の理由

 さらに岡島議員は、NTTがドコモを完全子会社化するための株式公開買付をしていた時期に武田大臣が両社の関係者との会食に参加していた点に言及。それにもかかわらず雑誌のインタビューの中では「携帯事業者の人とは一切会っていません」「利益団体の話を聞いて、大局を見失ってはならない」などと発言していたことについて、岡島議員は「実際には会っているじゃないですか」と指摘した上で、「大臣の言葉は国民への責任の証。直ちに大臣の職を辞するべきだ」と武田大臣の辞職を強く迫りました。

 武田大臣が衆院総務委員会で「利害関係者と認識した上で会食に応じた」「私は(会食は)ありうると思う」などと発言したことについては、「国会議員の常識では、そうした利害関係者との飲食の場には行かない」「大臣規範は全大臣共通の規範。武田大臣の好き勝手にはできない」と述べて、その発言を批判しました。

 最後に岡島議員は、「身勝手なその場しのぎの詭弁で保身に走る」武田大臣に「正直、がっかりした」と述べ、大臣としての「責任の証」のない言葉を発し続ける武田大臣の下では「総務行政の再生は望むべくもない」「残念ながら、あなたは不信任です」と述べて、討論を締めくくりました。

総務大臣武田良太君不信任決議案 賛成討論(2021年4月1日 衆議院本会議).pdf

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