全国自動車交通労働組合連合会(全自交労連)と関東旅客自動車交通労働組合連合会(KPU)の統合を目的とした「全自交労連第78回臨時大会」が31日、東京都内で開催され、立憲民主党から枝野幸男代表、タクシー議員連盟会長を務める辻元清美衆院議員が来賓として招かれ、あいさつしました。

 全自交労連の伊藤実中央執行委員長は「10年前の盛岡大会を契機に組織分裂という不幸な経過を経て、今日団結の日を迎えることが出来た。緊急事態宣言が延長され、事業者の廃業が相次いでいる。この統合はハイタク業界の雇用を守るため、ライドシェア合法化阻止やタクシー事業法の実現に向けた取り組みへの組織の大きな力と確信している」と力を込めました。また先般出版された「枝野ビジョン」について触れ、「非常に共感した。われわれの政策実現には政権交代が近道だ。そのために、10月までには行われる衆議院の総選挙に取り組んでいく」と参加者に理解を求めました。

 続いてKPUの藤野輝一中央執行委員長があいさつを行い、「統合にご尽力いただいた関係者に改めて感謝申し上げる。ハイタク業界は規制緩和以降、リーマンショック、東日本大震災、コロナ等、限界を超えている。われわれだけの力だけではどうにもならない。国への働きかけが必要だ。そのために『枝野総理』実現のため、さらに支持基盤を固め、政権奪回に向けともに頑張ろう」と力を込めました。

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 枝野代表は「私も政党の統合という大きなハードルに向き合った経験者として、今回の統合に携わった関係者の皆さんに大変深く、敬意を表する」と述べました。また「新型コロナウイルスは言わずもがな、皆さまの業界を脅かしている。しかし危機意識が足りない今の政権に対策が立てられるわけがない。私どもの責任も大変重いと感じている。皆さまのご期待に添えるよう、今夏の東京都議会議員選挙、その次に来る衆議院選挙へのご支援をお願いしたい」と熱意を示しました。そして統合大会当日の5月31日が枝野代表自身の誕生日でもあることに掛けて、「全自交労連がますます大きく育つことを祈念する」とあいさつを締めくくりました。

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 続いて辻元タクシー議員連盟会長から、「国土交通省とのやり取りで、タクシー事業者は雇用調整助成金の受給率99%と圧倒的に高いということが判明した。それだけ多くの事業者が何とか歯を食いしばって賃金の補償を行っている中で、延長されたとはいえ7月以降パタッと雇用調整助成金が止まってしまえば事業が続けられないのではないか。われわれは雇用を守るため、引き続き雇用調整助成金の延長を求めていきたい」。また、「金融機関からの追加融資の条件についても緩和されていることを金融庁に確認した」と報告し、「『追加融資が受けられないので人員整理を考えねば』と思うようなことがあれば、金融機関には政府からしっかり指導させるので、われわれにお知らせいただきたい」など、国会でのタクシーに関する議論について報告がありました。

 この臨時大会は緊急事態宣言が延長されたことにより、300名の代議員を100名程度に絞り行われ、今年10月の本大会までの間、全自交労連の伊藤実中央執行委員長が新委員長に就任することとなりました。

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伊藤実 全自交労連中央執行委員長
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藤野輝一KPU中央執行委員長
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左から連合逢見直人会長代行、連合東京内村昌司会長代行、交運労協住野敏彦議長、枝野幸男代表、辻元清美タクシー議員連盟会長