福山哲郎幹事長記者会見
2021年6月1日(火)16時00分~16時28分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/LEJ_lkonI64
■冒頭発言
■質疑
- 新型コロナ「郵便投票の対象拡大」「職域接種の開始」について
- 新潟6区について
- 東京都議選について
- 憲法論議について
- 「暫定総支部の設立」「次期衆院総選挙」について
- 重要土地利用規制法案について
- 菅原議員の公選法違反事件について
- 国会対応について
■冒頭発言
○第24回常任幹事会を開催
【幹事長】
ご苦労さまでございます。
まず、常任幹事会のご報告をします。
代表のご挨拶はご案内のとおりでございます。
私からは、東京都議会議員選挙対策本部の設置について。都連の長妻会長を本部長に、代行に私、副本部長に蓮舫代行、事務局長に平野選対委員長、そして東京都連幹事長の手塚さんを事務局次長として、党本部に都議会議員選挙の選対本部の設置をしました。今後、都議会議員選挙に向けて、「緊急事態宣言」下の中ですが、どういうような形で気運を盛り上げていくかということで対応していきたいと思っております。
国対委員長からは、終盤国会の状況についてご報告がありました。菅原一秀議員が離党とか辞職とかいうお話が出ていますが、まだ正式に何かがあるわけではないということですが、結果として全く説明責任を果たしていないというような話でご報告がありました。それから、アキタフーズ(農水省の調査報告)並びに総務省の調査報告もいよいよ出てくるということで、国対委員長からの報告がありました。
参議院国対委員長からは、参議院側の進捗状況、憲法審、それから来週の決算(委員会)等々についてのご報告がありました。
政調会長からは、議員立法、政府提出法案等々についてのご報告がありました。
選対委員長からは、自治体議員選挙の結果、それから公認・推薦等について(報告が)ありまして、了解をしました。
組織委員長から、暫定総支部の設立、それから自治体議員の入党・離党の承認についてありまして、入党8名・離党1名の1264名となりました。離党は、市議会の議長になるのに党籍を抜いてくれというような話があって、党籍を抜くということでございました。
協議事項としては、選対委員長から東京都議会議員選挙(候補者公認)の1名追加でございます。中央区で松田朝子さん、定数1でございますが、追加がありました。
○LGBT理解増進法案の取り扱いについて
【幹事長】
私からは以上でございますが、一点だけ、LGBT関連法案(LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案)についてコメントさせていただきたいと思います。
先週末に、自民党がLGBT法案についてはこの国会は断念だという報道が流れまして、私としては、長年のLGBT当事者の皆さんのご努力、運動、LGBT法連合会を初めとして多くの皆さんがこの法案にかかわってこられました。それから、議連も与野党を越えて合意に向けて努力をされてこられました。何とか、差別を許さないという文言で、いろいろそれぞれ議員立法ですから与野党ともに足りない部分はあると思いながらも、お互い合意をした案になりました。ですから、この国会、特にオリンピックの年ということで、オリンピック憲章にもうたわれているものですから、何としても成立に向けて自民党にはさらにご努力をいただきたいと、我々野党としては国会日程の関係は協力をすると、自民党の政審でもこの内容については了としたと承っておりますので、国会日程が理由ならば我々協力をすると申し上げました。
残念ながら、きのうの議連でも何らかの新しい提示はなく、引き続き努力をしようということで確認をしたと聞いております。もしこのままこの法案が国会に提出されることなく成立がかなわない場合には、一にも二にも自民党の党内の問題であると言わざるを得ません。自民党から、特に何人かの議員から非常に差別的な発言もありました。我々としては非常に遺憾ではございますが、そこをのみ込んだ上で何とかこの国会で成立させたいという強い思いを今も持っておりますが、もし法案が提出されるような状況が、環境がつくれないとすれば、それは自民党の責任だと言わざるを得ませんし、非常に、LGBTに対して理解増進と言っていますが、理解が足りないのは自民党そのものだと言わざるを得ないと思いますので、引き続きご努力をいただきたいと思います。
■質疑
○新型コロナ「郵便投票の対象拡大」「職域接種の開始」について
【NHK・金澤記者】
コロナに罹患した患者さんに対する郵便投票について、党の考えを伺いたい。
もう一件、全く別件で、きょう政府が職場や大学などのワクチン接種について今月21日から始めるという方針を示した。そのことについての受けとめも伺いたい。
【幹事長】
1点目の、いわゆる郵便投票の問題でございます。特に宿泊療養等をして経過観察をしている(新型)コロナの感染者の皆様に投票の機会をということについては、僕も一定理解をしています。しかしながら、今の法案の中身ですと、法案が通って5日後の施行ということで、各自治体そんな急に準備ができるわけではないし、現実の問題として、宿泊療養の2週間なら2週間、3週間、もしくは10日、それぞれの皆さんの感染状況によって一体どの時点での有権者名簿を確定するのかという実務的な問題が残っています。そして、そのことはおそらく保健所が管理することになりますので、保健所はそれでなくても検査、それからワクチン接種、そして病院の調整等々、今、激務の状況だと思いますので、そこに改めてこの有権者名簿の確定等々の管理をお願いするということが本当に現実的なことかどうかということ。それから、病気の療養はコロナに限らず他の疾病でも療養されている方がたくさんいらっしゃいますが、その方々に対してどういう対応をするのかということ。それから、自宅の療養というか自宅で経過観察をしている方についてはどのように対応するのかもあるので、まだ課題が、見えないところが山積をしていますので、この辺のところをしっかり現場とすり合わせていただいて、我々も政調と、この法案の審議をする政治改革推進本部のところで、今、そのすり合わせを鋭意しているところでございますので、与党側もこういったことについてきちっと説明をしていただく中で法案の問題については対応していきたいと考えております。
2点目ですが、接種を21日から職場や大学でやるということは、現場の混乱がないようにしていただくことが一番です。それから、各自治体はそれぞれ自分らの住民のいらっしゃる方を中心にもう準備をしていますが、急に職場そして大学等でやるという形になったときの自治体の接種計画との調整が本当にうまくいくのかどうか。それから、いわゆる接種をする医師の確保等々について、どのように担保できるのか。他の会場とのバランスもあります。それから、大学や職場でやるといったときの、じゃあ政治の皆さんの接種について、そういうところだけが先行することが本当に自治体にとって混乱に陥らないのかどうか。これも課題がありますので、ワクチン接種を急いでいる気持ちはわかりますが、現場の混乱が起こらないような状況の仕組みをどのような形で政府が考えているのかについて、発表もいいのですが、足元を固めていただきたいと、そのことをきちっと国民に説明いただきたいと思います。
○新潟6区について
【新潟日報・横山記者】
新潟6区について伺いたい。6区は梅谷さん公認で決まったが、一方で風間直樹さんが今も選挙区内に長妻さんとの二連ポスターを張っている。幹事長は先回の会見で、風間さんは党本部預かりで党籍をお持ちだとおっしゃっていたが、党員であるならば党の公認候補が決まっている選挙区で党の幹部の方との二連ポスターを張るというのは反党行為に当たるのではないかという声も地元から出ている。仮に風間さんが党籍がないのであれば、逆に、党籍のない方と公認候補がいる選挙区で一緒に写真を撮っている長妻さんはどういうお考えなのかちょっと気になるが、そのあたりについて幹事長の考えと、今後何か対応されることがあるかお聞きしたい。
【幹事長】
きょうも常任幹事会で森参議院幹事長から、新潟のことだということで、そのような報告がありました。私も長妻さんにこのことについては確認して、新しいポスターは張っているという認識はないというようなご返答をいただきましたので、本人も含めて一度確認したいと思います。
○東京都議選について
【読売新聞・田村記者】
都議会議員選挙について伺いたい。きょう公認発表された方を含め、現状で都議選の候補者が28人だと思う。党内では候補者をもう少しふやすようにという声も一部で出ているようだが、残り1カ月だが、幹事長としてはこれからさらに候補者擁立をする考えはあるのかと、もし擁立されるのであれば何人ぐらいなら上積みできるかという見通しもあわせて伺いたい。
【幹事長】
現状、公認と推薦合わせて33になっています。今、現職が会派を同じでやっているのが7名かな、非常に厳しい4年前の選挙を経て今の状況ですから、この33の候補者も、都連も含め大変ご努力をいただいていると思います。なるべく多いほうがいいと私も思いますが、それは現実の戦う現場の事情もありますので、今、都連の会長や幹事長とも新たな擁立に努力をいただきたいと言っていますから、それぞれの事情を聞きながら最大限努力をしていきたいと思っていますので、きょうの時点で私が何人とかいつまでにと言うような段階ではありません。
○憲法論議について
【日本経済新聞・依田記者】
憲法について一つお尋ねしたい。日経新聞の直近の世論調査で、改憲について、議論すべきだという回答が77%と高い数値に達した。コロナ禍で緊急事態の対応をめぐる議論等々への関心の高まりが一因だと見られているが、まず幹事長はこの結果をどのように受けとめられるか。それから今後の改憲の論議にどのように向き合っていくおつもりか伺いたい。
【幹事長】
議論は我々も否定しているわけではないので、いいと思います。
緊急事態に関しての緊急事態条項が本当にこのコロナ禍とか災害・地震時に要るのかどうかについては、私は十分に今の法体系でやれると思っています。憲法改正したら何かバラ色のことが起こるなんていうことはありません。結果としては政府が機能するかどうかです。私は今の状況でも、コロナの対応でも地震の対応でも対応できると思っていますので、逆に言うと、このコロナの後手後手の状況とか非常に行き当たりばったりの状況をつくっている菅内閣の責任は重いと思いますし、これは決して憲法の責任ではないと思っています。
憲法の議論は、議論するのはやぶさかではないと思いますが、ただ、一体何を議論するのかということが重要だと思います。
○「暫定総支部の設立」「次期衆院総選挙」について
【西日本新聞・川口記者】
きょうの常任幹事会について、小選挙区暫定総支部を大分1区に設けたということで、このタイミングで暫定総支部を設ける狙いについて伺いたい。この選挙区は共産党が新人を候補者擁立されていると思うが、立憲民主党としてこの選挙区に衆院選候補を立てるお考えも可能性としてあるのかも含めて伺いたい。
もう一点は、立憲民主党さんはまだ次期衆院選に向けて空白区があると思うが、これからどのくらいの候補者の増加を目指しているのかについて伺いたい。
【幹事長】
1点目は、大分1区は我々にとってはすごく大切な選挙区なので、候補者がいるいないは別にして、京都も暫定総支部を候補者がいないところに三つつくりましたが、それは党の活動として当然のことだと思いますし、そこに党員がいたり自治体議員がいれば当然、総支部長がいるいないは別にして総支部を立ち上げてそこの地域での活動をしていくことは党の活動として当然だと思いますので、その一環だと思います。
空白区は、もちろんあることはわかっておりますし、今の208総支部長を一人でも多くふやしていきたいということは平野選対委員長とも常に話しているところですので、なるべく多くの候補者を立てていきたいと考えております。
【西日本新聞・川口記者】
特に具体的な目標数というのは今のところはないか。
【幹事長】
あまり目標数というより、一つ一つ立てていく、積み上げていくということだと思います。
○重要土地利用規制法案について
【共同通信・小野塚記者】
土地利用規制法案の関係で伺いたい。きょう法案が衆院を通過したが、立民は反対ということだったが、改めてその判断に至った理由や、この法案の問題点についてと、今後参院では日程が非常にタイトだが廃案を目指していくのか、対応方針を伺いたい。
【幹事長】
この法案、急に出てきましたよね。与党内での調整も結構時間がかかりましたし、重要施設の指定を受けた周辺地域をどういうふうに誰が調査してどう生かすのかとか、それが一体何が意味があるのかとか、その情報を一体どういう形で共有するのかとか、私権の制限は行われないのかとか、プライバシーの問題、課題がいっぱいありますね。そういうことに関して、衆議院側の審議時間は少な過ぎると私は思っておりますので、そこも含めて、現実問題としては強硬に採決されているので不正常な状態だと思っております。その重要施設の周辺は逆に言うと地価がどうなるのかという、それこそ私権に及ぶ問題もありますので、いろいろな課題を抱えていると言わざるを得ません。ですから、まだまだ審議が足りないという認識です。
○菅原議員の公選法違反事件について
【朝日新聞・横山記者】
常任幹事会でも国対委員長のほうから菅原一秀氏の辞職の話が出ているというところで全く説明責任を果たしていないという話があったということだが、今回辞職の意向を固めたと報道があるが、幹事長自身の受けとめをお願いしたいのと、二階幹事長が、随分政治と金の問題はきれいになってきているというようなことを会見で発言されたようだが、枝野代表も冒頭挨拶で述べられていたが幹事長の受けとめをお願いしたい。
【幹事長】
菅原一秀議員については、事実としての報道がまだないものですから、ご本人の説明もないものですから、何ともお答えしようがないのですが、あれだけの金品を選挙区でばらまいていたという事実、そして今回検察の聴取も受けているという事実、そのことも含めて、広島の1億5000万円も含めて、自民党の選挙に対する金銭感覚とか、こういったこと自身、おそらく広島の問題も菅原一秀議員の問題も最近では前代未聞だと思います。こういったことが続けざまに起こっていることについては、自民党に対して非常に猛省を促すとともに、ちょっと考えられないなという思いです。
これ河井ご夫妻もそうですが、菅原一秀さんもそうですし、秋元司議員もそうですし、やめられた吉川元大臣もそうですし、これみんな何も国会で説明をせずに、やれ議員辞職だとか逮捕だとかという状況に至っています。ちょっとあり得ないことが続いていますね。このことに対する自民党の反省もどこに行っているのかよくわからないということですから、強く抗議したいと思いますし、本当に言語道断だと思います。
二階幹事長のご発言は、きれいにやっているのではなくて、その方々のある意味で言うと罪状が明らかになって、辞職や逮捕や離党で簡単に言うと国会の中からいらっしゃらなくなっていることについて「きれい」だと言うのだったらそれはきれいかもしれないですけれども、全く本質的には変わっていないと思いますし、こんなことが立て続けに起こっていること自身が前代未聞ですし、このことに対しての説明責任も反省の弁もあまりないので、呆れ返るとしか言いようがないと思います。総選挙のときには、自民党のこの体質はいかがかというのは当然争点の一つになってくると思います。
○国会対応について
【共同通信・小野塚記者】
終盤国会と土地利用規制法案の関係について、今、御党幹部からは会期延長の話が出ていて、それこそ土地利用規制法案のこれからの非常に短い中での審議ということがあると思うが、仮に自民党が土地利用規制法案の審議を非常に荒っぽいやり方でやってきたり延長に応じないという場合には、内閣不信任案の提出というのはその理由の一つとして挙げられるか。
【幹事長】
この法案が大きな内閣不信任案の理由の一つかと言われれば、幾つも不信任案の理由があるうちの一つだとは思いますが、このことをもって不信任案に値するかどうかはまた別だと思います。
一方で、不信任案は、菅内閣の就任してからの半年以上たったコロナの対応を見れば、当然国民は不信任に値すると思っていると感じますし、最近の世論調査の結果を見ても当然信用しているような数字が出ているわけではないので、不支持があれだけ広がっているというのは、不祥事も含めて、十分に不信任に値すると私は思っています。
野党第1党としてはその意思を表明することは非常に重要なことだと思いますが、不信任というのは、やはり我々は解散・総選挙を覚悟して不信任案を提出する、解散されるということを前提に提出するべきだと思いますので、じゃあ解散すれば選挙ということになります。このコロナの「緊急事態宣言」の中で、本当にそういった解散・総選挙を誘発することを野党がやることについてどうなのかという、ごくごく一般的な良識的な考え方として、我々はこの不信任案についてはコロナの感染が広がっているということをもって慎重にしなければいけないという考え方もあると思います。その中で、我々は枝野代表の考え方を最も大切にしながら、国民の期待の声もいただきながら、最終的に終盤国会どういう形にするのかについてはしっかり考えていきたいと考えています。
【北海道新聞・袖山記者】
今の質問にほぼ重なってしまうが、きょう二階幹事長が、不信任案を提出した場合は解散だと、直ちに解散の決意はあるとおっしゃったようだが、今の福山幹事長のお言葉を引用すると、もし不信任案を出すのであれば、それはもう解散するお気持ちが当然あって出すということでよろしいか。
【幹事長】
もちろん不信任案を出すということは解散を覚悟しなければいけませんし、そういう覚悟だからこそ不信任案を出すということになると思います。ましてや、これだけもう任期がぎりぎりのところまで煮詰まっている状況ですし、これだけコロナの後手後手の対応、そして不祥事も積み重なっているわけですから、当然、不信任案を出すということは解散されることを前提というか覚悟をして出すべきだと私は考えます。
ただし、先ほど申し上げましたように、一方で、これも菅内閣の対応のまずさで、「緊急事態宣言」を何度も延長しなければいけないような事態になっています。国民は本当に厳しい状況になっています。経済も厳しい、生活も厳しい、飲食店も本当に厳しくなっているし、周辺の業者の皆さんも本当にきつい状況になっています。このときに本当に不信任案を出すことが国民の理解を得られるのかどうかについて我々も慎重に判断をしながら、一方で不信任に十分値する菅内閣だという考え方の中で、枝野代表を中心にしっかりと判断をしていきたいと考えています。
【北海道新聞・袖山記者】
不信任案を出せる時期というのが、9日に党首討論があり、その後、土日も挟んでいくとなると、会期延長がされなかった場合16日に国会が閉じるという、なかなかタイトな日程の中でご判断されるということになるか。
【幹事長】
枝野代表は先日から延長するべきだと申し上げています。今の16日が前提とも限りません。つまり我々は、これだけ「緊急事態宣言」で感染が広がっている中で国会を閉じることが、国民の声やそれぞれの地域の感染状況を含めた声を届けるのに国会を閉じることがいいのかどうかという問題もあります。また、LGBTの法案も国会が理由ならば国会を延長すれば通ることになるわけですから、そういったことも含めて、今おっしゃった16日を所与のものとしているとは限りませんが、我々はやはりこの「緊急事態宣言」下の中で、国会を延長して補正予算の議論も始めるべきだと思っているので、そのことも含めて、時期について、今、私がどうのこうの言うことではないと思います。