立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党の4党は11日、「農業用植物の優良品種を確保するための公的新品種育成の促進等及び在来品種の保全に関する法律案」を衆院に提出しました。立憲民主党の提出者は、佐々木隆博、神谷裕両衆院議員で、田名部匡代、徳永エリ両参院議員が衆院事務総長への提出に同行しました。
同法案は、地域における農業の基盤である農業用植物の優良な品種を確保する上で農業用植物の新品種の育成および在来品種の保全が重要であることから、(1)公的新品種育成の促進(2)公的育成品種の有効かつ適正な利用(3)在来品種の保全(4)種苗の生産に係る技術を有する人材の育成――に必要な措置を講ずるよう求めるものです。
法案提出後の記者会見で佐々木隆博議員は、昨年の通常国会の終わり頃から準備を進め、今国会では与党との折衝を行い、委員長提案での成立を目指していたが、自民党の了承を得られなかったために、会期末での提出になったと、これまでの経緯を報告。
徳永参院議員は、「種苗法に関しては、育成者権と許諾料があるので、海外の種子メジャーが育成者権者になった場合は、法外な許諾料を使用者から取るのでないか、農家負担が増大するのではないかという懸念があった。加えて、農業競争力強化支援法の8条4項で農業試験場や農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)といったところが開発した情報を民間に提供せよという部分があった。昨年の臨時国会で種苗法が提出され、審議されることになったので、できればこの法案とセットで審議をしたかったが、党内でもさまざまな意見があり、なかなかそれができない状況にあった。公的機関での新品種の促進と、地域にある伝統的な在来種を探索、保管・保全していくことがとても大事であり、そのために政策を打っていく。在来種、種取りなどの技術がどんどん失われていくなかで、そうした人材育成もきちんとしなくてはいけない」と述べました。
農林水産部会長の田名部匡代参院議員は、本来全会一致での成立を目指していたものであり残念だとした上で、「粘り強くこの法案のすばらしさを訴えていきたい。種を制すものは世界を制す。在来種を守るということは食料の問題だけではなく、地域の伝統と文化を継承していくものでもある。成立に向けて頑張っていきたい」と力を込めました。
【ポンチ絵】農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等及び在来品種の保全に関する法律案.pdf
【要綱】農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等及び在来品種の保全に関する法律案.pdf
【法律案】農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等及び在来品種の保全に関する法律案.pdf