党消費者部会の「消費者目線の食の安心・安全ワーキングチーム(WT)」(座長:佐々木隆博衆院議員)は10日、「ゲノム編集技術応用食品の表示等について立憲民主党の考え方(中間報告)について国会内で記者会見をおこないました。記者会見には、宮沢由佳WT副座長(消費者部会長)、柚木道義WT副座長(消費者副部会長)、神谷裕WT事務局長、吉田統彦衆院議員が出席しました。

 佐々木座長はまず、消費者部会よりゲノム編集食品の表示に関する考えを取りまとめるべく、座長としてWTで検討を進めてきたことに触れ、今回の中間報告では、現在ゲノム編集技術に懸念されていること、期待されていること、それぞれの側面について、専門家や消費者団体の意見を聞いてきた経緯について説明しました。その上で、消費者の選択の確保や規制の実効性を担保するという観点から、更なる検討を要するものの、(1) 表示の義務化を進めていく(2) 厚労大臣への届け出を義務付ける(3)トレーサビリティの導入に向けた検討をおこなう(4)諸外国の表示の動向を踏まえてさらに検討を進めていく――との4点を提言にまとめたと報告しました。

ゲノム編集技術応用食品表示等についての立憲民主党の考え方(中間報告).pdf

 宮沢副座長は、「消費者目線の食の安心安全WTという名称にも表れているが、消費者目線で食の安心・安全をどう考えていくか、その視点に立って検討をしてきた。さまざまな方からお話を聞く中で、なお不安や懸念が残っている。消費者の選択の権利をどう確保していくか、消費者の安心・安全をどう確保していくかということで、佐々木座長に中間報告で取りまとめていただいた。今後も検討を継続していきたい」と発言しました。

 柚木副座長は、「昨日(9日)の党首討論でも、枝野代表はコロナ対策ならどうするかと具体的な提案をしていた。このWTでも、ゲノム編集技術食品の表示を義務付けることが、消費者だけでなく、事業者にもメリットになることを整理した提言となっている。現在、政府は表示を義務付けないとしている。事業者にとってはいいかもしれないが、消費者目線では懸念が残る。実効性があり、実現可能な形で提案し、EUなどの先例をみながらまとめていきたい」と話しました。

 吉田議員は、「ゲノム編集技術は再生医療や遺伝子治療などでも活用されている。遺伝子を組み替えたり、改変することはざまざまなことが可能となる。例えば、ある遺伝子を活性化すると、生物の寿命すら変えることができる。しかしある遺伝子を活性化し、働くようにすることで、単一の何かを起こすわけではなくて複数の生理活性を持つ。良い影響もあるだろうが、悪い影響を起こす可能性もある。良い面しか出てこなければいいが、良い面しかないと思っていた遺伝子が悪い面もある遺伝子であることが分かることはしばしばある。そのような事実に即した中間報告としてまとめられている」と語りました。

 記者会見では神谷事務局長が進行をつとめました。

 立憲民主党は、今回の中間報告から、消費者目線に立った食の安心・安全のための表示のあり方について、さらに検討を進めていきます。