「私は今回、東京都議会議員として『4Kの政策』を提案しています。その4Kというのは、『健康』と『教育』と『経済』と、それから『共生』(のそれぞれの頭文字)です。都民や区民の健康や命が守られて、十分な医療制度があって、今の時代に合った教育ができて、その教育は次に経済――職場に繋がる、誰もが働けるような社会になっていく――その時には、何もやらなくても、自然に共生社会が生まれると思っております」(東京都議会議員選挙・江戸川区選挙区よぎ候補)。

 福山哲郎幹事長は28日、東京都議会議員選挙で江戸川区選挙区から立候補している、よぎ候補の応援のため、平井駅北口で行われた街頭演説に参加しました。この演説には福山幹事長の他、水野素子衆院東京16区総支部長、笹本尚、滝沢泰子両江戸川区議会議員らが参加。司会は水野総支部長が務めました。

 よぎ候補は44才、インド出身で2012年に帰化。本名はプラニク・ヨゲンドラで、「よぎ」は選挙時の届け出名です。日本に帰化するきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だったと言います。大地震の直後に東北の亘理町、気仙沼にボランティアに行き、地元で募金活動に従事。その後、「不思議とインドに帰る気にならず、ボランティアを通じて『日本の一員』になったという思いが強くなり、帰化する決心をした」。翌年、日本国籍を取得しました。

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 初来日は、日本の国費留学生として訪れた1997年。2001年に今度はITエンジニアとして再来日。その後、日本のメガバンクに転職し、結婚。子育てをしながら、管理職として働いてきました。

 日本で政治を志すきっかけとなったのは、当時日本の公立中学校に通っていた長男が受けたいじめ。「在日外国人を取り巻くさまざまな問題に意識が向き始めた」と言います。その後、在留インド人の多い地元の江戸川区で「インド人街」構想が持ち上がった時に「日本とインドのコミュニティーが分断される」「日本人と外国人が楽しく一緒に暮らせる区にしたい」との思いが募り、区議選に立候補、2019年5月に江戸川区議会議員に当選しました。災害対策、SDGs導入を含めた経済対策、教育改革、共生社会の推進などを重点テーマに区議会で活動しました。今回、4年の任期を待たずに都議選に出馬することを決意した理由は、区議として事あるごとに「都政の壁」にぶつかり、区議としての限界を感じたためだったと言います。

※ 生い立ちなどは本人のウェブページ(「異文化理解から多文化共生へ」 https://jnk-japan.webs.com/life)で読むことができます。

■よぎ候補

 「20年前に学生として日本に来ました。2001年から日本で社会人を始めたんです。そこからIT企業と銀行で働いて、日本で子育てをしました。子どもが公立の小中学校に行ったのですが、その過程で私も待機児童を経験したり、公立学校での教育は『これじゃちょっとどうだろうか』という思いを感じたり、そしてその過程でいろんな方々とこの江戸川区内で、区民の方々と付き合いがあって、皆さんの課題を聞いたりして2019年に決心をしました。やはり行政とか政治に対して愚痴を言うだけではなくて、自分がその只中に入っていきたい。その思いで19年に江戸川区議員選挙に挑戦することにしました」。

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 「そして皆さんから、本当にたくさん、たくさんお力をいただいて、区議会議員になりました。それから2年が経ちます。区議会議員としての仕事が始まり、予算委員会、決算委員会、一般質問、いろいろなところで、いろいろなことについて質問を致します。質問するだけではなくて、何をすればそういうところが解決できるか――それは子育てのやり方から災害対策の問題まで――すべて、とことん提案をしていくような姿勢で、議会でも今まで仕事をしてきております。この点については、十分に努力してきたと思っています。そして、区の職員を敵に回さず、彼らに対して『こういうやり方もありますよ。だからこれでこの課題は解決できますよ』、『こういうふうに分析してみたら、結果が見えますよ』というのを示して、今までそういう事務的なレベルで問題課題を解決してきたと自負しています」。

 「最近は、国政から地方自治体まで 『共生社会』『共生社会』と言います。そしてその『共生社会』は具体的に何かというと、区のホームページとか、東京都のホームページを多言語にしましたとか、いろいろなところで『やさしい日本語』を始めたとか、または、東京都内のいくつかの区でLGBTQの方々の公営住宅での入居を認めたとか、そういったところをみんなが『共生社会』って言っているんですよね。私はあれは本当に表面的なことでしかないと思うんですよ」。

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 「人はまず自分の生活が安定していなければ、余裕を持たなければ、思いやりの心なんて育ちません。本当に思いやりのある人だったら、自分の生活が苦しくても相手を思いやるかもしれない。けれど、災害が発生した時、人はまず自分の命を考える。健康の問題があったときには、自分のワクチンが欲しい。まず自分を考える。だから私は今回、東京都議会議員として『4Kの政策』を提案しています。その4Kというのは、『健康』と『教育』と『経済』と、それから『共生』(のそれぞれの頭文字)です。都民や区民の健康や命が守られて、十分な医療制度があって、今の時代に合った教育ができて、その教育は次に経済――職場に繋がる、誰もが働けるような社会になっていく――そういう時に初めて皆さんの生活が安定してくると、私は信じています」。

 「その時には、何もやらなくても、自然に共生社会が生まれると思っております。こういうビジョンを持って、私は都議会議員の仕事をやっていきたいと思います。一点一点の課題だけではなく、ビジョンを描きながら、皆さんの生活を考えながら努力していきたいと思っております。ぜひぜひ皆さん、私のこの考えをご理解頂いてご賛同頂き、皆さんの大事な一票を私、よぎに託して頂きたいと思います」。

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■ 福山哲郎 幹事長

 「よぎさんは日本政府がお金を支給する国費留学生として、日本に2度留学されている。各国の非常に優秀な若者に日本で勉強して、日本を理解して頂き、将来にわたって日本と親密な関係を築いて頂くため国がご招待するというのが国費留学生の制度。そこに2度も招かれるとは、並の優秀さではない。よぎさんはインドの方。アジアの出身の方が日本に来られると、非常に謙虚に振舞われるが、よぎ候補も非常に謙虚に人々の声に耳を傾けられ、街の色々な問題について汗をかいてきた」。

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 「ご自身はIT企業で非常に優秀な仕事をされてきた。だからこそ、この江戸川の街づくりに貢献したいということで区議に当選された。優秀なよぎさんの能力、日本を少し離れた距離から見ることができる目線、日本が大好きなその思い。さまざまな思いを込めてこの東京都議会選挙に立候補された。江戸川区民の皆さんは、もうすでに抵抗がないと思います。江戸川区議としてのよぎさんの活躍、日本そしてこの江戸川区に対する熱い思い。本当にやさしく優秀なよぎさん、区議会も経験し、政治が何かをすでに経験しているよぎさんをどうかよろしくお願いいたします」。

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 「立憲民主党はよぎさんというインド(出身)の方を応援している。立憲民主党の言う、多様性とはこういうことだと。LGBTQもそう。女性もそう。障害を持った方もそう。そして外国からの皆さんもそう。みんなが共生できる社会を作っていく。まさにこれからの日本の課題だ」。