立憲民主党は6日、新型コロナウイルス対策本部を中心に羽田空港CIQ棟を訪問し、羽田空港の検疫・感染防止対策に関する視察をおこないました。東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が目前に迫るなか、海外から来る東京五輪関係者に対する空港での検疫態勢等を確認しました。視察には、逢坂誠二対策本部長をはじめ、長妻昭副代表、川内博史政務調査会長代行、岡島一正、山井和則、小宮山泰子、中島克仁各衆院議員、石橋通宏、杉尾秀哉、木戸口英司、横沢高徳、青木愛各参院議員が参加しました。
視察では、飛行機から降りた後の一般乗客と五輪関係者の導線の振り分け、検査証明書の審査や、質問票、健康カードの確認をする場所、検体採取、検査結果の待機場所、入国審査、税関、バス乗り場へのルートを実際に見て説明を受けました。
視察終了後には、厚生労働省等の担当者と質疑応答をおこないました。質疑応答終了後に逢坂議員と長妻議員が記者団からの取材に応じました。逢坂議員は、「検疫は検疫、入管は入管、税関は税関でそれぞれの持ち分で頑張っているのは伝わってきたが、それぞれの連携は必ずしも良いとは言えない。せっかく空港に入ってからの導線を分けているのに入国手続きをしてから(五輪関係者と一般乗客の振り分け)があいまいになっている。濃厚接触者の判定も今日の時点でも明確なルールができていないことも含めて、水際対策は相当、課題が多い。大会関係者はすでに多く入っているので、早急に政府は立て直しをして、感染防止に努めなければいけないのではないかと感じた」と視察した感想を語りました。
長妻議員は「いったん入国すると、トイレもコーヒースタンドも一般の方と混在一体となって使用できるので本当に大丈夫かと思う。濃厚接触候補者は地元の保健所が(濃厚接触者だと)確定するが、1回入国手続を経て出てしまえば迎えや見送りに来ている皆さんと同じトイレに入れてしまう。そういうことは、非常に問題は大きい」と述べました。
到着ロビーに五輪関係者が出た後の行動は五輪関係者の行動に任されているのかを問われると逢坂議員は、「組織委員会のリエゾンが(関係者の)前後を挟む形で誘導するという説明だった。ただし、それがどの程度ルートが明確になって、トイレに行くとかコーヒーショップに行くことが禁止されているかどうかは今日の段階では明らかではなかった。入国した段階で人との接触がルーズになる印象を持ちました。入国の前にもう一つルーズなところがありまして、荷物受取所で一般のお客さんも五輪関係者の荷物も混在する可能性がある。ターンテーブルで取ることになるので、そこも接触の可能性があると感じた」と説明しました。
最後に逢坂議員は、「検疫、税関、入管はそれぞれ頑張っている。しかし、これを総合調整して最終的な責任は誰なんだということはまったく明確ではない。自分の持ち分野を離れると『そこはわからない』と言わざる得ない。加えて、大会組織委員会に依存している部分が非常に多い。ところが組織委員会は情報公開は後ろ向きなので、最終的に誰が責任を持って国民の命と暮らしを守るかは非常にあいまいと指摘せざる得ない」と総括しました。