立憲民主党は20日、東京オリンピック・パラリンピックの感染対策である「バブル方式」で次々と問題が明らかとなり、また、東京の感染状況が悪化する中、五輪関係者の入国や滞在によって新型コロナウイルスの更なる感染拡大のリスクが高まっていることから、丸川五輪大臣へ次の点について申し入れを行いました。
申し入れには、逢坂誠二新型コロナウイルス対策本部長、長妻昭厚生労働部会長、川内博史政務調査会長代行が参加しました。
1.「監督者の帯同等により厳格に管理する」と説明していたにもかかわらず、監督者が帯同していないなど、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の虚偽の説明について謝罪し、説明を訂正して下さい。
2.検査のためであっても、施設療養のためであっても、陽性者、濃厚接触者、その疑いの選手は、選手村の中に移動させず、選手村の外で施設療養等の措置を講じて下さい。
3.海外のオリンピック・パラリンピック関係者は入国後の最初の14日間であっても、デリバリーなどが利用できない場合、例外的にレストランの個室やコンビニなどを利用することが認められています。組織委員会が最大限、オリンピック・パラリンピック関係者の食事等の要望にデリバリー等で対応して下さい。
4.上記3.の対応を前提に、最初の14日間の個室レストランやコンビニの利用などを禁止して下さい。
5.そのうえで、入国後14日以内の人と入国後14日以降の人とを分離し、相互の感染のリスクがないよう対策を徹底して下さい。
6.大会関係者へのスクリーニング検査の未受検者については、対象者を限定せず、未受検者全員に対して受検するよう指示して下さい。
7.ICON(Infection Control Support System)の不具合を確認し、速やかに機能させて下さい。
申し入れ後、逢坂新型コロナ対策本部長、長妻厚労部会長、川内政調会長代行が記者団の取材に応じました。逢坂本部長は、「手交後のやり取りで丸川大臣が、これまでの経過について『隔靴掻痒(かっかそうよう)の感がある』とおっしゃったが、これは驚くべき発言。われわれも国民も組織委員会に直接いろいろ確認することができず、その窓口は丸川大臣しかいない。それで自分自身が『隔靴掻痒の感がある』というのでは、大臣として機能していないと言わざるを得ない」「野党のこれまでの取り組みによって組織委員会の動きも前進しているという大臣の発言もあり、一定の評価もいただいた。五輪開幕直前になっても問題が噴出しており、これからも指摘していきたい」と述べました。
長妻厚労部会長は、「東京都選出の議員として、都民と国民の命を守るために、今からでも延期・中止すべきではないかと申し上げたが、大臣は『もう選手が来てしまっているので』と。それは来る前に対応できない政府の問題」「日本への新規入国者は2週間待機というルールがあるが、オリパラ関係者には例外が設けられている。主権国家としてこの例外はなくすべきではないかと申し上げたところ、丸川大臣もプレイブックのルールが守られないのであれば2週間待機に戻すこともありうると仰った。きちんと実行してほしい」と述べました。
川内政調会長代行は、「安心安全という言葉ですべてを処理していこうというのが政府の基本的な姿勢だが、そこに科学的な担保をしていくことが重要。具体的には、濃厚接触者の選手の試合開始6時間前の鼻咽頭PCRについて、誰が検体を採取するか尋ねたが、確たる答えがなく残念だった」と述べました。