企業・団体交流委員会は27日、連合をはじめとする友好団体に広く呼び掛けて、「第4回政策説明会」をオンラインで開催し、党経済政策調査会が6月に中間取りまとめをおこなった経済政策「『一億総中流社会』の復活…1%からとって99%に回す」について、江田憲司党経済政策調査会長と落合貴之同事務局長より説明しました。
説明に先立ち、近藤昭一企業・団体交流委員長より「衆議院選挙が近づく中で党の経済政策調査会の中間取りまとめを皆さまにご理解いただきたいと思っている」とあいさつがありました。
続いて江田会長から今回の中間取りまとめについて「立憲民主党結党以来、有識者を交えて会合を重ねて取りまとめた経済政策についての中間報告をおこなわせていただく」とあいさつがあり、「まずは自民党と立憲民主党の経済政策の立ち位置の違い、自民党は簡単に言うとサプライサイド、企業や業界団体をベースにした経済政策。われわれ立憲民主党は働く立場の生活者の立場に立ついわゆる需要サイド経済政策。そこに大きな違いがある」と述べ、「われわれが今回着目したのは、20年間日本経済がなぜ混迷から抜け出せないか。実質賃金は先進国で日本だけが下がり続けている。簡単に言うと可処分所得が減っている。国民の懐が寒くなっているのだから当然消費が伸びない。当然GDPも成長しない」とし、その要因を根本的に改善し、可処分所得を増やす方法について、説明しました。
そしてその方法には「大きく2つある」とし、まずは間接的なやり方として、「医療・介護・福祉などのベーシックサービスの充実」を挙げました。直接的なやり方としては「所得税免除と給付金、さらに消費減税がある」とし、コロナ禍においては年収1千万円以下の人の所得税を1年間ゼロに。非課税世帯には給付金を。コロナがおさまって通常に戻った時には時限的に消費税を5%に減税という2段階方式を提言しました。所得税免除は規模にしても約5兆円程度となり、法改正だけで煩雑な手続きも必要なく、「財務省の資料によると年収400万円から500万円ぐらいの標準世帯でほぼ10万円くらいの効果がある」と説明。また「中小企業の経営状況を慎重に配慮しながら国の支援で最低賃金を段階的に引き上げる」ことも提案しました。
そして「ベーシックサービスの充実の財源は法人税・所得税の優遇税制を是正していくことで捻出する」と述べ、「年間所得が1億円を超えると所得税の実質的な負担率がどんどん下がる。なぜ下がるのか。年間所得が1億円を超える人は株式譲渡所得が大部分を占めるが、これは分離課税でたった20%の税率しかかからない。お金持ちになればなるほど所得税の負担率が軽減される仕組みというのもおかしい。国際標準並み、欧米諸国並みの30%前後に上げていく」としました。また資本金100億円を超える超大企業が中堅・中小企業より法人税を負担していない事実を説明し、「法人税に累進税率を入れることも提言した」と述べました。
さらに「経済政策とともに国のあり方を示すものでもあるが、分権・分散型経済を推進し、大規模集中から地域分散型を目指す。地産地消の内需拡大型の産業を起こしていくために権限財源を地方におろして行く。OECDやIMFまでが貧困根絶、格差是正が経済成長を促すと唱えている。自民党の大企業の立場に立ったサプライサイド経済はもう限界。世界の潮流に乗っているのはわれわれ立憲民主党だ。その発想に立って今回まとめさせていただいた」と参加者に理解を求めました。
落合貴之事務局長からは「昨年の立憲民主党発足以来、立憲民主党の経済政策を作ろうということで経済政策調査会が昨年の10月から始まって6月8日の中間取りまとめに至るまで19回開催した。各分野の専門家の皆さまにプラスし、経済団体や労働組合の皆さまからもヒアリングをおこない取りまとめさせていただいた」と説明がありました。
司会は企業・団体交流委員会の熊谷裕人次長が務めました。