枝野幸男代表は23日、宮城県仙台市を訪れ、鎌田さゆり宮城2区総支部長らと泉区で街頭演説をおこない、その後、青葉区の重症心身障がい児入所施設「仙台エコー医療療育センター」を訪問し、重症心身障がい児入所施設での新型コロナウイルス感染症の影響について視察しました(写真上は、支援を呼びかける鎌田総支部長と枝野代表)。
■街頭演説(ヨークタウン泉野村)
鎌田2区総支部長は街頭演説で、仁徳天皇の詠んだ「高き屋に登りて見れば煙立つ民のかまどはにぎはひにけり」を取り上げ、宮殿の修繕をしようとしたが、民のかまどから煙が上がっていないこと(貧困)を心配した仁徳天皇は、3年間租税を免除することで、民の生活が立ち直りかまどから煙が上がるようになったと説明。日本には良い手本が1700年前にあったと語り、「政治に無関心でいることはできても、無関係ではいられない」「『いままのままでは駄目だ。一緒に変えるべ』と思ってくれる人がいたら、政治を変えるわれわれ立憲民主党の運動に参加してください」と訴えました。
枝野代表は新型コロナウイルス感染症対策として、水際対策の徹底、PCR検査の徹底、自粛と補償のセットが必要だと主張。日本の水際対策の緩さについて、「当初、中国の春節の時期に重なるからと言い、観光客が来なくなると困るからと、入国規制が遅れた」と指摘。先日、変異株への水際対策として入国する人へ宿泊施設で10日間の待機が、国と地域を指定し3日間の待機に変更になったと語り、いまだに対策が甘いことを指摘しました。
また、鎌田2区総支部長については、「鎌田さゆりさんのパワーは皆さんにとってだけではなく、日本の政治にいまこそ必要だ」「4年前、本当に大接戦で本人もつらい思いをした。この4年間近くに鎌田さんがいてくれたら、どんなに心強かったか、私だけではない、多くの立憲民主党の仲間が思った。まさに戻ってきてくれたら即戦力で、ましてや政権を変えることができればど真ん中で働けるその力がある」と評価し、支援を訴えました。
重症心身障がい児入所施設「仙台エコー医療療育センター」視察
重症心身障がい児入所施設「仙台エコー医療療育センター」では、天江新太郎院長から、重症心身障がい児の慢性期医療の現状について話を伺いました。
※センター名にもある「療育」とは、医療訓練教育福祉などで障がいを克服し、発達能力をできるだけ有効に育て、自立に向け育成すること。
重症心身障がいは、先天性・後天性の原因によって生じた重度の知的障がいと運動障がいを併せ持つ状態のことで、最近では虐待が原因となっていることもあるとの説明がありました。また、重症心身障がいと言ってもさまざまな症状があるため、いろいろな医療・福祉の体制が必要との説明がありました。
現状の課題として、(1)病床数と医師の不足(2)保護者の年齢の高齢化に伴い在宅医療を継続することが困難となる家庭が増加する懸念(3)施設への補助金の地域格差(4)新型コロナウイルス感染症への対応――などが語られました。
感染症への対応については、障がい者施設でのクラスターは高齢者施設と同等かそれ以上のリスクがあるにもかかわらず、高齢者と同等の優先性は適用されなかったとの説明がありました。
その後、枝野代表と鎌田2区総支部長は病棟の現場を視察しました。
視察後、記者団の取材に応じた枝野代表は、「高齢者以上に感染した場合の命のリスクが高い中で、患者さん、お子さんたちには感染者を出さず、頑張ってきていただいていることに頭の下がる思い」「こうした療育のできる施設は、非常にニーズが高まっているが、なかなか増えていかない」「政治の大きな宿題をいただいた」と語り、党としてしっかり対応してくと述べました。