泉健太政務調査会長は14日、国会内で定例記者会見を開き、(1)立憲民主党と自民党の政策の違い(2)総選挙で何が問われるか――等について発言しました。

 泉政調会長は13日に立憲民主党の「政権政策2021」を発表したことに触れ、これに加え、政務調査会の部会、PT、本部等での検討を踏まえ、現段階での立憲民主党としての考え方をテーマごとにまとめた「政策集2021」を党HPに掲載したことを紹介しました。

 立憲民主党と自民党の分配に関する考え方の違いについて「われわれは『分配なくして成長なし』で、自民党側は『成長なくして分配なし』。まずそれを大きな違いとして訴えていきたい」と話しました。分配の手法について、立憲民主党は直接家計を刺激する大胆な考え方で進めるのに対し、自民党は直接ではなく、国土強靭化や法人税の制度変更を通じた手法だと説明し、すでに実施してきた賃上げする企業に対する法人税優遇は効果が小さかったことを例に挙げ、「分配策を示して実際に分配は届かないことがこれまでの自民党政権でもよくあり、同じことになりかねない。だからこそ、われわれは直接的に家計に届く分配を今回訴えている。同じ言葉でも全くその手法、内容が違う」と強調しました。

 また、自民党では多様性に関する分野で後退が見られるのに対し、立憲民主党は選択的夫婦別姓、LGBT、同性婚などについて、生きづらさを解消する取り組みを進めると主張しました。さらに、国民が抱いている数々の疑惑、公文書の書き換えの再調査、政治による行政への干渉・介入の調査を実施し、真実を追及していくことも自民党との大きな違いだと述べました。環境政策については、原発に依存する形でのカーボンニュートラルなのか、原発に依存しない形なのかの違いだと言及しました。

 経済政策について、岸田総理が総裁選で掲げた令和版所得倍増はたち切れになり、総理就任後に打ち出した金融所得課税の強化が先送りになったことを指摘し、立憲民主党としては1億総中流の社会の復活を掲げながら、総選挙を戦っていきたいと語りました。

 総選挙でどのような転換を求めていくかと問われ、泉政調会長は、「任期満了に近い時期での解散という意味で、過去総決算選挙にすべきだと思っている。この4年間のアベノミクスで国民生活が向上したのか。そして後半2年間、コロナ対策は果たして成功したのか。これが問われるべきだ。看板を変えたから新しい次の政策、今後の経済政策を競争すればよいというものではない。これまでの自民党政治の過去総決算をする選挙であることは避けられない」と語りました。