蓮舫代表代行は26日、福島1区から立候補している金子恵美(かねこ・えみ)候補の応援で道の駅・南相馬で街頭演説を行ない、「弱い立場に置かれた人たちに手を差し伸べる」金子候補を国会に送り出してほしいと支援を強く訴えました。
■蓮舫代表代行
10年前の東日本大震災、東電福島第一原発事故が発災した当時、民主党政権で内閣府特命担当大臣を務めていた蓮舫代表代行は、参院議員だった金子恵美候補の先導で避難所を回ったことを振り返りました。「あの事故の時、津波の時、自宅で看てもらっている障がい者の名簿がなかった。在宅で介護を受けている人たちのリストがなかった。行方不明になったのかどうかの確認も取れなかった」「お薬手帳を1つとっても、(普段)何を服用しているかわからないから、投薬ができなかった」と障がい者や高齢者、乳幼児など特に配慮を必要とする人々に関する情報が集約されていなかったことに伴う問題点を指摘しました。
「人災や天災はいつだって弱い人を直撃する。政治は弱い人に手を差し伸べるのがいつも遅くなる。だから金子恵美だ」と訴えました。当時、支援を必要とする人々に関する情報がない中では、薬1つ間違っても、命に関わることになりかねない。その状況の中で「金子恵美は、寝ずに避難所を回り、そして家族からヒアリングをし一人ひとりの声を聞いてきた」と、弱い立場の人たちやその家族に寄り添ったことを明かしました。
金子候補が政界入りした原点について蓮舫代表代行は、「ねえちゃん、ねえちゃん」と呼び、まとわりついて離れない障がいのある妹さんのことがきっかけだと語りました。「家族は妹を見て、個性だと思っても、一歩社会に出たら、個性と受け止めてくれない。まだまだそういう社会があった。だから政治が人権として守って、すべての人、どんな人でも等しく皆さんと接する社会をつくりたい」。こういう金子候補の原点は、「天災や人災の時こそ、活かされると確信している」と力を込め、「弱い立場に置かれた人たちに手を差し伸べる。そういう政治家を南相馬から送り出してほしい」と、金子恵美候補への支持を強く訴えました。
■金子恵美候補
東日本大震災、原発事故に消費者担当大臣として対応した蓮舫大臣(当時)について金子候補は、「放射能で困っている方々をどうやって支えていくか」「弱い立場の方々をどうやって支えるか」を真剣に議論し、「障がいのある方々と直接話し、その時のニーズをしっかり吸い上げ、政策に反映してくれた。本当にありがたかった」と謝意を示しました。
あれから10年以上が経った福島県民の現状について「本当に苦しい思いをした方々、今もなお苦しい思いをしている方々がいる。アルプス処理水の問題、中間貯蔵施設をどうするかという問題、廃炉へのステップのあり方、たくさんの課題がある。どれも私たち、地元の意見なしで勝手に方針を決めてほしくない」と語気を強めました。ところが、アルプス処理水の問題で、政府与党側が地元の声を無視して方針を決めてしまったことに対して「今の政治は、私たちからずいぶん離れたところにある」と現在の政治に疑問を呈しました。今戦っている選挙で「私たちの手に政治を取り戻そう」と訴えました。
自らの原点を振り返った金子候補は、「『寄り添いたい』『皆さんのそばにいたい』これが私の原点。弱い立場の方々のためにも働きたい。これが私の政治の原点。政治とはそもそも弱い方たちのためにある。困った方々のためにある。そういうものだと思う。一部の人のためにあるような政治になってしまった。それに「ノー」と言いたい。私と一緒に政治を取り戻していきましょう」と、熱心に聞き入る聴衆の皆さんに呼びかけました。