立憲民主党の農林水産部会は18日、農水省を訪れ高病原性鳥インフルエンザ対策に関する要請書を金子原二郎農水大臣に手交しました。申し入れには、田名部匡代農水部会長、神谷裕農水副部会長、緑川貴士、野間健、渡辺創各衆院議員、横沢たかのり参院議員が参加しました。
申し入れは、本年11月初旬に秋田県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが今季初めて検出された後、鹿児島、兵庫各県でも検出されていることから、昨年の事例などを踏まえ、農水省に対しこれまで蓄積してきた知見を活かし、早急に対応するとともに、関係府省庁、地方自治体との緊密な連携を図り、感染拡大の防止に向けた措置を求めるものです。要請は、(1)発生原因と感染経路の早期解明と対策の構築(2)養鶏農家などへの支援の充実(3)感染予防対策に向けた資材、施設整備等への支援(4)正確な情報提供と風評被害の防止――の4項目です。
申し入れ後に記者団の質問に応じた田名部部会長は、金子大臣からは、要望内容について検討すると回答があったこと、また生産者の皆さんにも感染が拡大しないよう防疫措置を徹底していただきたい旨発言があったと報告。処分の問題や風評被害については、担当職員から県とも相談していくとの回答があったとして、「連携を深めて、現場の声、要請を受けとめていただいた上で対応してもらいたい」と述べました。「大臣も現場のご苦労はよくご理解いただいているので、そこにも配慮して対応をお願いしたい。現場の皆さんも、基準に沿って対策をしていないところがあれば徹底していただく必要があるが、しっかり対策を取っていても完全に防ぎきれないところがある。だからこそ発生したときに初動が非常に重要であり、そうした体制を常にとっていく必要があると感じた。私たちも現場から要望があれば伝えながら取り組んでいきたい」と話しました。
今季1例目の感染が判定された秋田県で選出された緑川議員(秋田2区)は、「すでに14万羽が殺処分されたが、今後新たに発生した場合は、処分場の選定には地元の丁寧な調整がないと対応しにくいとの懸念がある。処分場の選定については、予算確保も含めて、引き続き声を届けたい」とコメント。今回発生した鹿児島県出水市が地元の野間議員(鹿児島3区)は、防疫措置等はすでにできているが、狭い地域社会であることから今後懸念される風評被害への対応、また予算措置を求めたと話しました。今年はまだ家きんとしては発生していないものの昨年12件で92万羽殺処分したという宮崎県選出の渡辺議員(宮崎1区)は、現場では緊張感が高まっているとして、仮に発生した場合の迅速な対応と、十分な予算措置を要望したと発言。神谷副部会長は、農家からの声として、埋却地の支援や迅速な検査、殺処分される方への精神面のサポートなどを求めたところ、これらについても大臣から「県とも連携しながら対応していく」旨発言があったと述べました。