代表選挙(11月19日告示、30日投開票)に立候補している逢坂誠二衆院議員、小川淳也衆院議員、泉健太衆院議員、西村ちなみ衆院議員の4候補は22日、日本記者クラブ主催の討論会に登壇しました。討論会は2部構成でおこなわれ、第1部では各候補の所信を述べた後に候補者同士で討論し、第2部では日本記者クラブ代表質問団からの質問に候補者が答えました。
第1部ではまず、各候補が所信で 「めざす社会像」について主張しました。
■逢坂誠二候補(北海道8区選出の当選5回。元総理大臣補佐官)
「人への投資により、希望と安心のある社会をつくる」
子どもの頃は明日になれば今日よりも良くなる、来年になれば今年より良くなる、そういう希望の下の社会だった。経済もどんどん良くなる。ところが、今の日本の社会を見ると、残念ながら、若い人たちが希望を持てる社会になっていない。あるいは生活をしている皆なさんが明日の暮らしは大丈夫だろうか、将来は大丈夫だろうか、そういう不安の中で生活を送っていると思う。
「希望と安心のある社会」を実現していくことを大きな目標と掲げ、その原動力として「人への投資」に注力していく考えを示しました。
■小川淳也候補(香川1区選出の当選6回。国会対策副委員長)
「対話型の政治が創る持続可能な社会」
今まで昭和の時代の右肩上がりを前提にさまざまな社会の仕組みがつくられてきた。そこでは経済成長と全員が正社員、賃金が毎年上がる。そのかわり、人生のあらゆるステージで生活は自己責任、自助努力が問われる社会だった。
しかし平成になって30年、人口は減少に転じ、高齢化が進み、さまざまな前提が変わっている。正社員の門も狭くなった。毎年給料が上がることを今はなかなか期待できない。にもかかわらず、社会は自己責任、自助努力型のまま、放置されている。その狭間で、たくさんの方が苦しんでいる。
こうした構造問題に本格的に取り組んで、社会の持続可能性を回復していくことを通して、人々の希望や安心をつくりたい。そのために必要なのは、本当の対話型の政治だ。
■泉健太候補(京都3区選出の当選8回。政務調査会長)
「普通の安心が得られる社会 公正な政治行政」
簡単に言えば、庶民が元気な社会。自宅療養を強いられる人、そして孤立孤独で災害時にも逃げることすらままならない人、そして不安定雇用で、普通の生活の安心が得られない方もいらっしゃる。権力者が元気な国ではなく、 庶民が元気な国にしていく。これが大きな思い。そして、公正な政治行政と書かせていただいた。
やはり、立憲民主党は庶民の正義に理不尽なことを許さないという思いをしっかりと国政の中で、また、各地域行政政治の中で、反映させていく。そういう政党だと思っている。正義、公正、そして普通の安心をキーワードとしていきたい。
■西村ちなみ候補(新潟1区選出の当選6回。元厚生労働副大臣)
「多様性を力に 理不尽を許さない社会」
今わが国にはさまざまな理不尽が存在すると考える。新型コロナウイルスの感染で営業自粛、休業要請の影響を受けて、特に非正規の方々が、仕事を失い、収入を失くし、そして生活困難に直面した。そればかりではなく、適切な医療を受けることができずに、亡くなった方が本当に多くいらっしゃる。そして、わが国の入管行政は日本に憧れて来た外国人技能実習生ウィシュマさんの命を落としてしまうことになってしまった。
こういった理不尽を解決していき、そしてわが国には多様な力があると思う。地方の声、女性の声、草の根の声、これを活かして、みんなでがんばっていける社会をつくっていきたい。
所信を表明した後、「衆院選の総括」「外交・安全保障政策」「参院選に向けた対応」「経済政策」「男女共同参画」「原発政策」などのテーマについて候補者間で質疑をおこない、議論を交わしました。
第2部では、日本記者クラブ代表質問団からの、(1)自民党政権の評価(2)衆院選の総括・比例区での敗因(3)党勢拡大への具体策(4)共産党との共闘(5)連合との関係(6)国会対応(7)地方政策(8)政府の経済対策に足りないもの、18歳以下への10万円の給付の評価(9)税構造のあり方(10)憲法改正(11)安保法制と日米同盟(12)来年の参院選までに何をやるか(13)党名の変更――など、多岐にわたる質問に答えました。