代表選挙に立候補している4人の候補者は25日、横浜市での街頭演説、討論会の後、記者会見をおこないました。質疑に先立ち、討論会の受け止め等について各候補者から発言がありました。司会は相原しほ海老名市議会議員が務めました。
■西村ちなみ候補
今日は3回目で最後の、東京以外での街頭演説、討論会となったが、地域の皆さまからさまざまな声伺うことができ、とても有意義だった。私は今回の代表選挙を通して、ぶれない政策にかける思い、政権を取ることへの思いを改めて確認させていただいた。残り数日となったが、精一杯訴えていきたい。
■逢󠄀坂誠二候補
今日、横浜での討論会には多くの方にご参加いただき、壇上から見ていて熱意、熱気が今までの会場に比べて質が違ったと思っている。そういう意味では、立憲民主党に期待する声が大きいと痛切に感じた。私が原発や公文書の問題について発言したあたりで、多くの皆さんが頷いたり、拍手したりして下さって、こういう部分で改めて期待されているということを確認できた。大きな勇気をいただいた討論会となった。
■小川淳也候補
北海道、福岡に続いて3カ所目だった。いずれも立憲民主党の基盤がある、層が厚いと感じたが、神奈川は数段そのボリューム感を感じた。それは現職議員の存在、支援者、党員、パートナーズの皆さまの層が厚かったと感じる。質問も重要な指摘が相次ぎ、気候変動等長期的な問題の提起もあり、これからの党運営を考えるにあたって非常に有意義な会になったと思う。これで地方遊説が終わりだが、まったく基盤がないところ、最も弱いところ、議員がいないところ、支持者がいない地域での声を聞く機会があって良かったかなと逆に感じた。
■泉健太候補
街頭演説も集会も非常に沢山の方で、日に日に熱気が上がっているという気がした。立憲民主党の再生を願う思い、声が大きいと感じた。だからこそ、候補者4人とも責任が大きい。全国各地で統制拡大に努めていく役割がこれからもあると思って討論をさせていただいた。私は、厳しいことも言ってきたが、それは立憲民主党が真に政権を担当し得る政党にまで成長していかなければいけないから。これは一足飛びではなかなか大変難しいかもしれないけれども、われわれは政権を担うということを視野、念頭に置いた上で着実に支持者を増やしていかなければいけない。新しい支持者をしっかり迎え入れて、党内で一致結束してやっていく必要がある。改めて挙党一致の体制を築いていくのだという契機に代表選がなってきているのではないかと思っている。
記者からの質問に移り、他候補に負けていないところを聞かれると逢󠄀坂候補は「実務経験が長いところ。鈍感なところ。リーダーには鈍感力が必要なこともある」と答えました。
小川候補は「人から言われるのは、熱量で負けていないこと。自分で思うのは、徹底した対話姿勢」だと話しました。
泉候補は「人から言われるのは明るさ。党は明るくなければいけないので、前向きに発信したい。自分としては調和、解決力。いろいろな主義主張の声をうまく聞きながら1つの答えを見出していくことは、今までさまざま、やってきた」と語りました。
西村候補は「ブレない力は誰にも負けない。選挙期間で、他候補が時折、ウィングを広げるとか支持拡大とか発言していることに疑問を持っていた。国民の命と暮らしを守り、理不尽をなくすことが政治の目的ではないかと考えているので、利益に反することはしっかり反対しないといけないし、政策を提案する。その時に外からどう見えるを気にしていては、それが出来ない。立憲民主党の主張、政策をブレずにやっていくことが違いだ」と話しました。
来年の参院選までにどのように支持率、党勢を引き上げるかと問われると小川候補は「刷新感と安定感を両立した執行部をつくる。女性、若手の登用し、徹底的に対話を重ね、国民の皆さまとの対話を通して公約を練り上げる。それが運動であり選挙対になる」と話しました。
泉候補は「年内に選対を立ち上げる。選対は党の総力を挙げて体制を作って行く。支持率を上げるのはそう簡単ではないが、党、所属議員が本来持っている力が発揮されて、世の中に伝わっていけば自ずと支持率が上っていくはずだと思うので、それぞれが持つ能力が伝わるように発信力に強化をやっていきたい」と語りました。
西村候補は「支持率を上げる妙案があるわけではなく、日々コツコツとした積み重ねしかないと思っている。まずは党の執行部が変わったことを可視化していく。臨時国会、通常国会で、党の素晴らしい人材からもバッターに立っていただくなどして、党の考え方を広く知っていただけるようにした。立憲民主党の力は、地域で活動している議員が地域課題に真面目に向き合っていること。小さな成功事例、地域の課題を一緒に解決することを通して政治が役に立つのだということを思っていただけるような事例を各地に、小さくても沢山つくっていきたい」と話しました。
逢󠄀坂候補は「支持率は重要だが、あまりそれにとらわれずに、やるべきことをやる。選対本部を早く立ち上げ、比例代表の候補者を早く決める。公約は参院選挙に向かって、ボトムアップで公開型で、政策議論を多くの場面でやっていく。車座集会を多用する。こういうことを着実に積み重ねて行った結果、どういう状況になっているかということだと思う」と話しました。
次に、自民党総裁選では年金の全額税方式などが議論されたことを引きあいに、年金制度をドラスティックに変える必要があるのか、現行制度を基本としてプラスアルファでよいと思うか問われると、泉候補は「現行制度プラスアルファで十分なんてものはないと思う。年金は給付がしっかりしていればしているほど良いのだから。かつての民主党の時に最低保障年金を訴えたが、計画が完結するのに40年間かかるものだったので、評価をいただいた部分もあったが、あまりに時間軸が長いという問題点もあった。現時点で、抜本的な見直しは構想しているわけではなく、現行制度を改善していくことにまずは着手していく」との考えを示しました。
西村候補は、「当時の河野太郎総裁候補は、大変大胆な提案をされたと注目した。私は、基礎年金部分については、もう少し税でやる――GPIFの運用は切り離して――というところが現実的かなと思っている。国民年金を将来的には厚生年金と統合していくということ、その途中の過程でやるべきことはいろいろある」との考えを示しました。
逢坂候補は「年金制度をドラスティックに変えることは相当時間がかかることなので、現行制度をベースに考えざるをえない。したがって現行の年金制度の足らざる部分を別の仕組みでどの程度足し算をしていくのか、そこが出発点だと思う」と話しました。
小川候補は、「これだけ時代が変わっているから、一気にガラガラポンしたいという気持ちは分かる。しかし、既に3000万人以上が受け取っている。もう何十年と保険料を払って来ている人たちもいる。これをリセットするというのは現実問題、簡単な話ではない。丁寧に給付が足りないところはどこなのか、そこにどう給付を積み増すのか、給付が不要と思われるのか、そこはどうご辛抱いただける可能性があるのかの検討が必要。社会保険料の負担構造は最も逆進性が高いと言わている。消費税よりさらに高いので、負担構造をどう見直せる可能性があるのか、丁寧に構造を見直して行くことが今求められている現実的な解ではないか」と話しました。