国会対策委員会と財務金融部会は24日、同日政府が閣議決定した令和4(2022)年度予算案について政府からヒアリングしました。

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 冒頭、馬淵澄夫国会対策委員長は「3.2%の経済成長(実質GDP成長率)見通しを掲げた岸田政権だが、資源輸入国であるわが国が、原油高騰など、さまざまな困難な状況の中、これを達成し得る予算案になるのかしっかりと見定めていきたい」と述べました。また、岸田総理が成長と分配を掲げていることに触れ「成長への道筋が見えない中で、従来どおりの分配でいいのか。さらに予算の切り分け方そのもの、再分配を見直していく必要があるのではないかという視点から予算委員会、ならびに財金(財務金融委員会)の皆さまに論戦を挑んでいただきたい」と話しました。

★末松財務金融部会長 DSC04745.jpg

 末松義規財務金融部会長は、「成長と分配の中でも、分配を重視するという岸田政権だが、予算案でそれが出されているかどうかを含めて、論戦をお願いしたい」と述べ、今後予算案の精査を進め、国会審議に生かしていく考えを示しました。

★全体 DSC04760.jpg

 政府から予算案の概要の説明を受けた後、出席議員から(1)コロナの影響があっても税収増が見込めるのか(2)名目GDPの数値に建設工事統計データ書き換えが影響するか(3)「新しい資本主義」の概念(4)農林水産予算(5)賃上げ税制の実効性(6)岸田総理が主張する「子ども関連予算を倍増」は反映されているか(7)来年10月から高齢者医療の窓口負担が一部2割に引き上げられることによる財政への影響(8)看護・介護・保育・幼児教育従事者の給与3%引き上げの恒久財源――などの質問が上がりました。

★大串予算委理事 DSC04765.jpg

 ヒアリング終了後、大串博志衆院予算委筆頭理事、白眞勲参院予算委筆頭理事らが記者団の取材に応じました。大串理事は予算案について「極めて漫然と過去最大規模に至っているという印象だ。岸田総理が具体的に何をしたいのか、予算案の中から全く読むことができない。メリもなければハリもない」と評しました。

 看護・介護・保育・幼児教育従事者の給与3%引き上げについて、来年9月分までは令和3(2021)年度補正予算案で手当されたが、10月以降は恒久財源で手当しなければいけなくなっていると説明し「今回の予算案でそれが本当に手当できるかというと、極めて曖昧(あいまい)」と指摘し、予算委員会審議の中でただしていく考えを示しました。

★会見 DSC04764.jpg