立憲民主党は27日、安定的な皇位継承に関する検討委員会準備会を国会内で開催しました。政府の有識者会議が22日に取りまとめた最終報告書が、2017年6月に議決された「皇室典範特例法」附帯決議からかけ離れた内容であったため、国会決議の本旨に沿った考え方を取りまとめることを目的にしています。準備会には、同附帯決議の作成に深く関わった野田佳彦衆院議員、長浜博行参院議員、馬淵澄夫国会対策委員長が出席しました。
冒頭、あいさつに立った野田議員は、附帯決議が2019年4月30日の特例法施行後に速やかに検討するよう求めていたにもかかわらず、有識者会議が立ち上がったのが今年の3月、取りまとめが12月22日と施行から2年半もかかったことに「非常に遅かった」と政府の対応に苦言を呈しました。
報告書の内容では、国会決議が要請した「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」「女性宮家の創設等」に関して、「(前者を)整理もしていないで、先送りし」、後者では「『女性宮家』という言葉が報告書に全く出てきていない。女性皇族が結婚した場合、皇籍に残るという1つの案が出ているが、ストレートに答えていない」と疑問を呈しました。
会議後、記者団の取材に応じた馬淵国対委員長は、「私たちは、愛子様が成年皇族となられたこと、また眞子様が結婚されて皇族を離脱されたことを含めて、もはや時間はない」という認識に立ち、「安定的な皇位継承に向けての取り組みを加速させるという強い決意のもと、進めていきたい」と述べました。
党が新たに設置する「皇位継承に関する検討委員会」については、代表直轄の組織で、委員長に野田衆院議員、委員長代行に長浜参院議員、事務局長に馬淵国対委員長、事務局次長を若干名置くと説明しました。新年早々、第1回会議を開催し「有識者会議の報告書をしっかり精査するとともに、これまでの経緯を整理しながら党としての考え方、さらには立法府の総意へとまとめていく方向に、私たちがしっかり後押しをしていく」と決意を示しました。