立憲民主党は20日、新型コロナ対策本部(本部長・長妻昭衆院議員)を国会内で開き、基本的対処方針の変更(まん延防止等重点措置の実施等)内容や、前回・前々回の会議での質問案件への回答などについて、関係省庁からヒアリングしました。
長妻本部長は、新型コロナのオミクロン株が猛威を振るい、感染が急拡大している現状をふまえ、「昨日も過去最多の感染者数ということで国民の皆さんも大変心配されています。われわれ立憲民主党の最大の眼目は、去年8月のような、入院すれば助かったはずの命が入院できずに失われるといった事態は絶対に繰り返さないということ。医療ひっ迫を起こさせないということです」と冒頭で述べました。
そのうえで、既にPCR検査が混乱をきたし、結果が出るまでに2~3日かかる状況が起こっている点に懸念を示すとともに、東京では一昨日18日には救急搬送困難事案が過去最高となったことに言及し、「既に一般の病気、心筋梗塞等で入院する病院がなくなり、お亡くなりになる方も出る深刻な事態となっています。政府ではいまだに、(オミクロン株による)重傷者が少ない、一月末には頭打ちになるのではないかといった楽観論が浸透している点が大変で心配です」と語りました。
また、小池知事が「外出自粛」を呼び掛ける一方で、基本的対処方針分科会の尾身茂会長「ステイホームや店を閉めること、外出自粛などは必要ない」と言及し、対処方針がちぐはぐである点を問題視。「東大グループの研究によれば、従来株に比べて重症化率は確かに4分の一程度低い可能性がある。しかし逆に言えば、4倍以上になったら絶対数の重傷者数は去年8月と同じになるということで、去年8月の東京のピークが6000人ですから4倍以上になる可能性は出てきています」との危機感を示し、参加議員に有意義な議論を呼びかけました。
ヒアリングでは、13都県に「まん延防止等重点措置」が適用され、当該都県では飲酒が禁止となるなか、米軍基地内では酒類の提供が続いている点について問題視し、感染が広がっても米軍内で飲酒を禁じることはないのか尋ねたところ、ルールとしては可能だが基地内の判断は「司令官の権限に属するもの」と説明。「都道府県の県知事などから要望があった場合は政府として検討することもあるが、まずは都道府県連の判断を見たうえで」とあいまいな答弁にとどまりました。立憲民主党が求める日米地位協定の見直しの必要性が浮き彫りになりました。
また、現在確認されている新型コロナ患者重症者のうち、デルタ株・オミクロン株の内訳数の提示を求めたのに対し、株ごとの患者数の集計は行っていないとの回答がありました。オミクロン株感染による重症化者数や死亡者数に関しても「それを回答できる情報はない」との説明があり、対策を整えていくにあたって必須の感染実態調査の解明が進んでいないことが判明しました。こうした回答はオミクロン株による重症化率は低い、重症化しないとしてきた発言の根拠がなくなる事態といえ、立憲民主党は引き続きただし、求められる対応策を整えることを提案していきます。