衆院予算委員会で31日、2022年度総予算案の集中審議(統計問題・政府の規律等)が行われ、立憲民主党・無所属の1番手として江田憲司衆院議員が質問に立ちました。江田議員は政府の(1)オミクロン株対策(2)緊急事態宣言(3)3回目のワクチン接種(4)経口薬(5)休校、休園対策(6)保健所の負担軽減――等について質問しました。
冒頭、江田議員は、与野党協議会が再開したことに触れ、「立憲など野党から種々の政策提案をした。総理の聞く力を発揮してほしい。政府与党を監視する役割を担っているので、新型コロナウイルスから国民の命と暮らしを守る共通の目的のもと議論を重ねていきたい」と述べました。
【オミクロン株対策】
江田議員は、岸田総理の新型コロナウイルス対策を「嵐の真っ最中に屋根を修理しているように見える」と評し、政府のオミクロン株への対応について、「11月の基本的対処方針では、感染が比較的落ち着いていた昨年秋頃に、しっかり備えておくべきだった。特に検査キットの不足はかつてのマスク騒動を思い起こさせる。本当に防げなかったのか。反省のあるところに教訓が生まれる」と述べ、政府の見通しが甘かった点を認めるよう総理にただしました。しかし、総理は「基本的対処方針に基づいて用意した体制が本当に機能するかどうか、今に堪えうるかどうかが問われている」と述べるにとどめました。
【緊急事態宣言】
緊急事態宣言について、江田議員が「都道府県から緊急事態も要請があれば政府は認めるのか」と質問すると、総理は「病床の状況も踏まえ、まん延防止重点措置の効果を見極め総合的に判断する。現時点で発出は検討していない」と答えました。
【3回目のワクチン接種】
江田議員は「1月末までの政府の目標である1470万人に対して達成率は4分の1もいっていない。もっと早く自衛隊接種センター等を増設し、接種数を増やすべき」と訴えましたが、総理は「政府としても後押ししていきたい」と述べるにとどめました。江田議員はまた、3回目接種は(2回目接種からの間隔が)当初8カ月だったのを2度にわたって変更。自治体は年末から接種したかったのを厚労省に止められてきた。悪平等。2回の変更で自治体の準備は混乱している。ここまで接種が進まないのは国の責任」とただしました。総理は「しっかりと拡充していきたいと考えます」とだけ答えました。
【経口薬】
江田議員はまた、治療用の経口薬の確保を進めるよう訴え、特に治験の不足により国産の開発が遅れていることについて、政府の協力を強く促しました。総理は、「治験のデータの収集において何ができるか、国産の経口薬の開発に向けて後押しすべく努力する」と述べました。
【学校・保育園の休校休園問題】
江田議員は、オミクロン株の感染拡大に伴い、学校や保育施設の休校・休園が増え「本当に困っている親が多い」ことを取り上げ、「保育士等も医療従事者並みに、濃厚接触でも、検査とセットで待機期間の短縮等が可能か」をただしました。総理は「そこまで広げることは考えていない。今後考えていく」と答えました。また、下水道検査を江田議員が求めたのに対しても総理は明言を避け、江田議員は「総理はなんでも引き続き検討としか言わない」と問題視し、厳しい状況下にあっては総理がリーダーシップを発揮すべきと強く求めました。