(2022年4月19日更新)
立憲民主党は7日、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」(通称「オミクロン・感染症対策支援法案)」)を衆院に提出しました。衆院から中島克仁、長妻昭、山井和則、柚木道義、階猛、野間健、早稲田ゆき、青山大人、中谷一馬の各議員、参院から川田龍平、打越さく良の各議員が出席しました。
立憲民主党は昨年6月、新型インフルエンザ特措法改正案を国会に提出し、緊急事態宣言下において、都道府県知事が医療機関に対し、設備、人員の配置の変更等の要請・指示をできるようにすること等を提案しました。一方で、岸田総理は昨年10月の所信表明演説で「医療資源確保のための法改正」を明言したにもかかわらず、今国会での感染症法改正案の提出を見送りました。そうした中、オミクロン株の感染が急拡大し、医療機関等に対するさらなる支援が必要となる事態となっています。
本法案は、医療機関に対する財政支援により、感染状況に対応した取組みをスピーディーかつ着実に推進すること等を目的とするものです。
本法案には急増する自宅療養者等への対応として、(1)自宅療養者等に対する健康観察等を行った医療機関に協力金を支給すること、(2)パルスオキシメーター、経口薬、検査キット等の物資の必要量を予測し、機動的に確保して適切に配分すること等を盛り込んでいます。
また、病床不足時の対応として、(1)医療提供体制(病床など)確保のため、都道府県等は医療機関と協定を締結でき、協定を締結した医療機関に、協力金を前払いで包括的に支給すること、(2)都道府県知事は医療機関に設備・人員の配置変更等を要請・指示でき、要請・指示に従った医療機関に協力金を支給することを盛り込んでいます。
さらに、国が司令塔としての機能を発揮して、新型コロナ対策を強力に推進するため、(1)政府対策本部長(総理大臣)は都道府県知事に、必要な情報の提供を求めることができること、(2)政府対策本部長は、医療提供体制がひっ迫している都道府県知事からの要請により、他の都道府県と医療提供体制を調整することができることを盛り込んでいます。
法案提出後のぶら下がり会見で、中島克仁筆頭提出者は、「オミクロン株による感染急拡大に歯止めがかからない状況」であるとし、与党に対し、立憲民主党案の「修正協議にも大いに臨みますので、一刻も早く成立させていきたい」と述べました。
さらに党新型コロナウイルス対策本部の長妻昭本部長も、「この法案の条文を一行たりとも変えない姿勢ではない」とし、「自民党と一緒に速やかに成立させる準備はできている」と述べました。
2022年4月19日、自民党、公明党等の反対により否決されました。