立憲民主党 厚生労働部会長 山井和則
障がい・難病PT座長 早稲田ゆき

 旧優生保護法に基づく強制不妊手術を巡る訴訟で、大阪高裁が2月22日、東京高裁が3月11日、相次いで国の賠償責任を認める判決を言い渡しました。

 旧優生保護法に基づき、重大な人権侵害である不妊手術等が強制され、身体的、精神的に耐えがたい苦痛を経験された方々に対して、心から深くお詫びします。

 これまでの判決では、「除斥期間」が壁となり、賠償請求が棄却されてきました。しかし、被害に遭われた方々が、社会的差別や偏見がある中で、旧優生保護法に基づいて行われた手術の違法性を認識し、訴訟を提起して被害回復を図ることは困難であったと考えられます。2つの高裁判決が「除斥期間」の適用を制限し、賠償を認めたことは画期的であり、評価しています。被害に遭われた方々は高齢化しており、いたずらに時間を費やすべきではありません。それにもかかわらず、政府が大阪高裁判決で上告したことは極めて遺憾です。政府に対し、今度こそ、判決を重く受け止めて、上告を断念することを強く求めます。

 被害に遭われた方々に、一刻も早く救済を行うことは立法府及び国に課された責務です。私たちはそのような考えの下、迅速さを優先し、一律一時金を支給する法案の起草に参画しました。しかし、法律の施行から約3年が経ちますが、一時金の支給申請が伸びていません。地方自治体と連携し、対象者への周知に取り組んでいく必要があると考えます。一時金の請求期限も近づいており、検討すべき課題が山積していることも重く受け止めなければなりません。

被害に遭われた方々の救済とともに、強制不妊手術が進められた背景・原因を検証することや、優生思想の問題点や社会の多様性の重要性について啓発を進めることもしっかりと取り組んでいくべきです。

 立憲民主党は、あらゆる差別に対し、断固として闘います。障がいの有無などによって差別されない社会の構築に全力を挙げて取り組んでまいります。

以上