西村智奈美幹事長は3月31日、衆院本会議で岸田総理が行ったG7首脳会合報告対して質問に立ち、総理の見解をただしました。質問後、記者団の取材に応じ、アジアへの日本政府としての働きかけ、ウクライナ避難民の渡航費の支援などについて「いまだに検討するという言葉で終わっている」「答弁は不十分で残念だ」と語りました。

 さらに「わが国は北方領土の返還交渉も含めて固有の領土であるという原理原則でやってきたが、それを捻じ曲げてきた」と述べ、クリミア侵攻後の友好姿勢を維持してきた安倍政権の対ロ外交に関して、「その当時、岸田総理が外務大臣だった」と指摘し、その総括と考えを岸田総理にただしたが、「それもなく残念だと思った」と語りました。

 また、日本維新の会、国民民主党から、「核共有についての議論をすべき、原発再稼働をすべきとの質問があったこと」に驚きを示すとともに、自民党の議席から2党の質問に対し拍手があったことにも「非常にショックを受けている」と述べました。

 西村幹事長は、わが国は世界で唯一の戦争被爆国であるとして「核共有の議論は、そもそも日本国内ではあり得ない」と指摘。この危機に乗じて議論すべきと発言したことが、今後の安全保障に影響が出るのではないかと懸念を示しました。原発再稼働についても、東京電力福島第1原発事故を経験したこと、チェルノブイリとザポリージャの原発がロシア軍の攻撃対象になったことを挙げ、「脱原発に向けて加速をしていくのが日本政府のやるべきこと」だと述べました。