泉健太代表記者会見

2022年4月1日(金)10時30分~11時17分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/mPFd9dG6WE4


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○物価高対策 追加経済対策について

【代表】
 新年度、皆さんもまた新しい気持ちで頑張ってください。私も頑張ります。
 まず、新年度で、よく各報道でも言われていますが、物価の上昇です。いろいろな物の値段が切り替わるということで、食料品、日用品、国民生活に影響がさらにあらわれていると思っています。
 我々が指摘をしてきた小麦の価格、これも17.3%、きょうから(政府売渡価格の引き上げ)ということになります。我々としては引き続き、そのマークアップ分と言われる、この小麦の値上がりを抑えていくという方向で、既に小川政調会長には「この物価対策に立憲民主党が取り組む」ということで経済対策を組むように指示をしておりますし、早ければ来週、もう少しかかれば次の週も入るかもしれませんが、それぐらいの時系列というかスケジュール感で立憲民主党の経済対策を出したい。早ければ来週、立憲民主党の経済活動を出したいと思っています。先ほど言った麦価については、既に我が党の農水部門で、この小麦価格については対策の中に盛り込むべきということを部会として了承を得ていますので、党全体の経済対策の中にもこれは盛り込まれていくと思っています。
 一方で、政府のほうは4月末ということですね。この4月末に組むものも、果たして今後どうなっていくのかというのがまだよくわからない。規模もよくわかりませんし、それが補正予算としてどう出てくるのか、こないのか、予備費を使うレベルのものなのか、ここもまだよくわからないということでありますが、参議院の審議の中でも問題になりましたが、この予備費がなし崩し的にコロナ予備費が物価高対策に使われると、これはおかしいのではないかと思います。こういったなし崩しの予備費の使用ということになれば、これは予算総則違反ということだと思います。こういったあたりも、我々、3月29日に我が党の予算委員会ヒアリングを行いましたが、この中で政府からも、予算総則を変更するなら国会審議が必要という、当然ながら、当たり前なのですが、答弁を受けていますので、改めてこの点をはっきりさせていく必要があると考えています。

○アダルトビデオ出演強要問題に関する緊急要請について

【代表】
 今週は我が党、かなりさまざまな法案を提出しています。医療関係、かかりつけ医の法案。あるいは、戦争避難者の支援をする法案。そして、成人年齢の引下げに伴って、さまざま、これはまだ法案という形になっていませんが、いわゆるアダルトビデオに出演する18歳・19歳問題ということについても法案策定の取り組みを進めています。
 ちなみに、この18歳・19歳のアダルトビデオ出演契約の問題については、我が党の塩村議員がかねてから取り上げて、予算委員会でも取り上げてきた問題ですが、改めて、政府の言うような、岸田総理の言うような、注意喚起とか相談ということでは被害は防げない。不十分だということ。これを我々としては強く訴えたいと思います。
 そういった意味も含めて、本日の午後、我が党から野田男女共同参画担当大臣に申し入れを行います。皆さんにも、きょうペーパーをお配りしています。申し入れの際にも、このペーパー、「緊急要請」は配られると思いますが、この申し入れを我が党としてはぜひ政府に対応していただきたいと思っております。
 この契約無効や契約取消しにすることですとか、たしか政府は金融庁に対して、貸金の関係で、その事業者の18歳・19歳の貸金が多ければ、その実態を把握してさまざまな指導を行っていくということもしていると聞いていますので、であれば当然、この18歳・19歳のアダルトビデオ出演問題ということについても具体的に取り組むべきだと思います。ぜひ、この緊急要請についても皆様に関心を持っていただきたいと思っております。

○ウクライナ避難民支援に関する緊急提言について

【代表】
 我が党の、先ほどお話しした戦争等の避難民の支援をする特例法案ですが、こちらのほうは、今、チャーター便の話もありますが、渡航費の支援や、日本に来てからのワンストップ窓口、こういったものを設置するということを我々として提言しています。
 きのうちょっとツイッター上ではやりとりがあって、自民党の河野太郎さんが、4月6日に外務委員会の予定が国会に入っているので、林大臣が外交で(ポーランドに)行っていて、一度6日に帰ってきて、また7日からのNATOの外相会議に出席しなければならないのは余りにつらいのではないかということの話がありまして、私も我が党の国対に確認しながら、そういうことであればわかりましたということで、対応します、協力しますとお答えしました。
 一方では、そもそもこの日程は自民党の側から、政府・与党の側からこの日程でやってほしいという要請があったようでして、結局のところ、我々は対応しますよという話だったのですが、おそらく一時帰国をするというときに、何らかその避難民の方々をチャーター便に乗せてくるとか、そういうこともあるのかもしれないなと思っていまして、そういうことで、むしろというか、政府側・与党側が大臣の帰国を求めているということもどうやらわかってきました。
 ですので、今後も、日本を代表して世界で発信をしていただく外務大臣、非常に重要な役割だと思っていますから、国会日程は我々引き続き配慮、最大限対応していきたいと思いますが、今回の場合においては、政府側の要求というか政府側の希望する日程として、どうやらこの日に戻ってくるということのようであります。現時点で私が知り得ている情報というのはそのような感じかなと思っています。

○新型コロナ対策 「コロナかかりつけ医法案」を提出

【代表】
 続いて、(新型)コロナ対策です。感染者の状況も、今、高止まりという状況から、次第にまたぶり返しに来ている。第7波の可能性もあると専門家からも随分指摘が相次いでいるという状況です。
 一方で政府は、3月25日から、いわゆる「県民割」をブロックに拡大するということを言っています。この辺、花見がありますとか、歓送迎会がありますとか、人事が動く時期なのでとか、いろいろ注意喚起をしている一方で、この「県民割」を拡大しているという、これは国費で行われることですから、政策の方向性としてばらばら感、ばらばらではないかということは指摘しなければいけません。改めて、この点をしっかり政府全体として整理をしていただく。
 我々はもちろん観光産業をぜひ何とか支援していくべきだと考えていますので、観光産業の給付金の法案も出していますし、そして観光産業の支援の仕方ですよね。国民の側に例えば「Go To」キャンペーンですとか「県民割」あるいは「ブロック割」ということを全体として呼びかければかなり大きな動きになってしまうということと、各宿泊施設の感染対策を十分に行って許される範囲でお客様を呼び込むということ、その辺のバランスがまだとれていないのではないのかということを感じます。
 それと、もう最近はある意味当たり前になってしまっているようなところもありますが、自宅放置死、これを何とか変えていかなければならないと思います。政府はまだまだ、この第7波に備えた医療体制の整備や危機管理の抜本強化策を6月に先送りしてしまっていますので、出せていないわけです。これまでの対応の継続で行っているということで、医療にたどり着けない方々が出てきているということが大変問題だと思います。困ったときにかかりつけ医に相談をというふうに言っていますが、実際にはそのかかりつけ医の定義ですとか法的な位置づけがない。これが今の日本の問題でして、我々、今週の火曜日に、このかかりつけ医に関する「コロナかかりつけ医法案」を国会に提出しました。関連3法案という形で提出しています。
 これは政府法案への対案として本会議でも審議入りしましたし、来週から厚労委員会で実質審議に入りますので、このかかりつけ医ということについて我々としてぜひ注目をして、スポットを当てて、国民に行き渡る医療、これを実現していきたいと思っています。

○経済安全保障法案 修正案を準備

【代表】
 続いて、経済安全保障です。国会での審議が続いていますが、どうもやはり政府の法案が抽象的で、経済界からもかなり不安が上がっていると思います。
 我々として、基本的な考え方、これは民間による自由な経済活動を守るということです。この経済安全保障ということの中で、多くの企業が萎縮をしたり捜査を恐れてしまったりということで技術の発展にも影響が起きるということがあってはいけないと思いますので、その点をはっきりさせていかなければいけないと思いますので、我々として修正案を出します。
 その修正案の中身というのは、経済安全保障の基本理念というものを明確にするということで、基本理念の新設。
 そして、特定重要物資。これは今、マスクや半導体ということが言われていますが、特定重要物資の指定ということについては事業者の意見を聞く規定を設けるべきだということを我々として言っています。
 これは修正案を出すという意味からも、立憲民主党はこの経済安全保障、当然反対ではなく前向きに今捉えて審議をしているわけですが、だからこそ、この修正はぜひ、経済界にとっても必要な修正だと思っております。引き続き我が党の案が実現するように努力していきたいと思っております。


■質疑

○参院選に向けた取り組みについて(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 選挙に絡む話になるが、一部報道で、山形県において自民党が候補を立てない方針になったという報道がある。国民民主党の現職の議員が立候補を予定しているわけだが、そこへの配慮なのではないかという見られ方もしている。これについての受けとめと、一方で、きのう国民民主党と連合との懇談があり、連合のほうから一本化について要請があったということだが、今の話だと二つがちょっと方向が違うような話になっているのかなと思うが、そこら辺を受けてどう立憲として整理していくか伺いたい。

【代表】
 自民党流の陽動作戦かなと思います。自民党流の陽動作戦。ですから、そういったものには乗るつもりはありません。
 立憲民主党山形県連として、山形でこれまでつくってきた枠組みがありますので、その枠組みともよく意見交換をしながら、また、現場で戦える態勢というものを今後そのまま続けていけるかどうかということについても、当然それは自民党がどう言ったかということは関係なしで我々としては議論していますので、そういうものを大前提にしながらこれからも進めていきたいと思います。

【毎日新聞・宮原記者】
 一本化について連合のほうから要請があったということについては、どう受けとめるか。

【代表】
 国民民主党に、ですね。

【毎日新聞・宮原記者】
 はい。受けとめを。

【代表】
 それは我々としても国民民主党に求めてきていることですし、国民民主党も応じている部分はあるのかなと思います。しかし、確かに幾つか重なっているところもありますし、重なっているところについて、やはりそれを解消して、できる限り一本化、できる限り候補者調整ということだと思いますので、それは我々も連合と同じ意見です。

【毎日新聞・宮原記者】
 山形についてもう一つ。地元の枠組み、これまでの経緯も考えてということだが、一方で自民党のほうが立てないと、もしかしたら暗に舟山さんを自民が応援するような形になるかもしれないという中で、そうすると、与党なのか野党なのかと、これまで泉さんがおっしゃってきたような経緯もあると思う。そうなった場合に立憲としては候補者を立てるという選択肢もあるのかどうかというところについてはいかがか。

【代表】
 今おっしゃったように「かもしれない」とか「なった場合」というところの状況がもし近づくようであれば、さまざまなことは考えなければいけないと思います。

【IWJ・木原記者】
 立憲民主党山口県連は、夏の参院選山口選挙区に安倍晋三元総理の私設秘書であった秋山賢治氏を擁立する方針を発表した。秋山氏は、自民党政治に対する危機感を持ち、それゆえに立憲民主党からの候補を決めたと述べているとのことだが、秋山氏自身、これまでの安倍政治を肯定的に考えているのか、それとも否定的あるいは批判的に受けとめているのか。立憲民主党はそれを見極めた上で候補として選んだのか。また、仮に秋山氏が安倍政治について肯定的であったり意見をはっきりさせなかった場合、これまでに安倍政治を批判してきた立憲民主党として党の公認を与えて選挙に擁立することは妥当な判断だとお考えになるか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 たぶん何かの仮定に基づかれているご質問なのかなと思ったのですが、我々が聞いているところでは、当然、立憲民主党で、これまでの安倍総理の政治については納得をしていないと批判をする立場で戦うというふうに認識しております。
 割かし長く、確か5年以上勤められた方だと思うのですね、安倍晋三さんの事務所で。辞められたときも円満退社というか円満退職であったと伺っています。ですから、仕事は真面目で、それなりにそのときには仕事として貢献はしてきた人物なのかなと思います。その人物が「おかしい」というふうに声を上げて立憲民主党の今回の候補者擁立というところで話が進んできたというふうに聞いておりますので、まだこれは党本部としては決めていない段階ですが、我々とともに戦う、そういうことをしっかり持った人物であると認識しています。

【共同新聞・奥山記者】
 参院選に向けた候補者調整における政策の扱いについて、特にさきの衆院選でも共通政策に盛り込まれた安保法制の違憲部分の廃止という項目についてお聞きしたい。共産党は、野党共闘の原点であり一丁目一番地だとして、参院選でも堅持されるべきだという認識を明らかにしているが、立憲民主党としては、この安保法制の違憲部分の廃止という項目をどのように扱うべきとお考えか。現時点でのお考えを伺いたい。

【代表】
 現時点では、候補者調整の申し入れを行ったということです。その他の政党とも含めて、政策の具体的な話、そういったことをこちらのほうから提案はしていないという状況です。

○大阪知事・市長らのドバイ万博視察について

【「フランス10」・及川記者】
 15名、大阪の知事・副知事・市長らがドバイに行ってしまっている。きのう地震が東京でもあり、そして泉さんの京都、大阪でも震度4。こういう事態でトップ3がいなくなっていることをどうお考えになるか。維新はほかにも、コロナ以外にも、何かあったら有事が起きるかもしれないとおっしゃる。何かあったら停電するかもしれないとおっしゃる。そういう不規則な状況があるにもかかわらずトップ3が行ってしまうことについて、どうお考えになるか。

【代表】
 これは例えば小池都知事だったら行くだろうかとか、黒岩知事だったらこの時期に行くだろうかとか、北海道知事だったら行くだろうかと考えたときに、この今のコロナの状況で行政のトップが、大阪で言うとトップ3、ちょっと考え難いと思うのですね。あり得ないのではないかと思います。
 これは前から思っていたことでもありますが、小池都知事がずっと情報番組に出て例えばコロナのことを語るだろうか。これはやはりないのだと思うのですね。あったとしても記者会見ですとか会議の映像が流れてくる。ただ、大阪の場合はそうではなくて、なぜか情報番組にずっとトップが出続けていて、本当にコロナ対策で陣頭指揮を執れているのかというところが問われている中で、確かに万博はみんなが楽しみにしていることだとは思います。ただ、まさにウクライナ情勢だとか、そういうことであれば、いかにして難民を支援するか、和平に貢献するかということで、直接対面のトップ会談とか国際会議ということであれば、それは役割として今の政府の外務大臣だとかが行っているように、必要だと思います。ただ、私もちらっとですが「今、万博会場に着きました」みたいな動画を見ましたが、これは緊急性・緊要性が高いのかというと、それはまさに職員として担当する大阪府なり市の職員が行けばわかることだと思いますし、今トップが行かなければ発信力として弱いという話でもないと思いますし、オンラインでできることもたくさんあるはずですし、今この時期に、これ地震が起きたのはたまたまですからここは仕方がないと思いますが、この時期に大阪の市長と知事がいない、副知事もいないというのは、大阪の府民の皆さんはどう思っているんでしょうかという気はします。

【「フランス10」・及川記者】
 職員10人と秘書2人も。

【代表】
 当然一団になればお金もかかるということでもありますし、この時期に、今このコロナで特に大阪がこれまでも感染者が多く死者が多くと言われている中で、トップ3がみんな万博のほうに意識が向いていてコロナ対策のほうに意識が向いていないという姿勢であるのは残念です。よくないと思います。

○参院選に向けた取り組みについて(2)

【朝日新聞・神澤記者】
 先ほどの質問にあったが、連合の芳野会長が昨日、玉木代表に一本化の要請を改めてした。こちらの呼びかけによる、期待する変化などがあれば教えていただきたい。また、この呼びかけによって、改めて泉代表から、表の場所というか正式な申し込みみたいなことを、3月8日のようなことをお考えか伺いたい。

【代表】
 いえ。

【朝日新聞・神澤記者】
 期待する変化についても伺いたい。

【代表】
 候補者調整が加速することを期待しています。

【朝日新聞・神澤記者】
 国民民主党は、比例票の積み増しも狙って、東京選挙区で都民ファーストの会との連携をするとのことだ。立憲は2人の候補者を擁立しているわけだが、この影響をどのように考えるか。また、このことが1人区での調整に何か影響することはあるか。

【代表】
 ないです。

【朝日新聞・神澤記者】
 東京のほうも、ないと。

【代表】
 はい。

○「子ども・子育て政策」「後半国会」について

【朝日新聞・神澤記者】
 国会のことだが、「子ども国会」というふうにおっしゃっていて、先日、子ども支援の具体策で争っていきたいとおっしゃっていた。この11時からは子どもへの直接のヒアリングみたいなこともPTで行うと予定表では出ていたが、どのような政策で争っていきたいか。また、中心となる政策や、争い方というか、後半国会の戦い方の考え方を伺いたい。

【代表】
 子ども政策については、まず「子どもコミッショナー」です。これは与党の中でも考え、検討されていたにもかかわらず、法案から落ちるということでして、大変な問題だと思います。どういう発想で落とすことになったのかを、ぜひ国民に明らかにしていただきたいと思います。子どもの意見表明権、非常に重要だと思っていますので、我々は、例えば虐待事件でも、子どもが先生や親や、場合によっては近所に、もうSOSを出している場合があっても、そういうものを全てまず親に聞いてしまうということをこれまでしてきていますので、それでは子どものSOSを守ることができないということから、「子どもコミッショナー」の制度が必要だと考えています。それが抜け落ちているのが与党案ですので、我々としては、この「子どもコミッショナー」がまず重要であるということ。
 そして、これまでも言ってきましたが、学校給食の無償化。児童手当の高校卒業までの拡充、所得制限の撤廃。高校授業料無償化の一層の促進。給付型奨学金の拡充。大学についても授業料の軽減。こういう具体的なメニューが数多く我々にはありますので、それを一つでも多く実現していきたいと思っています。そこでぜひ戦っていきたい。与党のほうには具体策がないのではないかと思いますので、そこで戦っていきたいと思います。
 その他の政策ということでは、これまでも言ってきましたが、物価対策や生活関連の政策。こういったところが一つの焦点だと思いますし、もう一つは安全保障政策で、昨今、ウクライナ情勢ということの中で、日本の安全保障の政策についての議論がなされていますので、立憲民主党としての考え方を明確にして訴えていきたいと思います。

○参院選に向けた取り組みについて(3)

【朝日新聞・神澤記者】
 候補者調整についての基本的な考え方を伺いたいが、1人区では、比例区の積み増しを求めて立てたいという気持ちは各党にあると思うが、ここはどのような考え方を持って調整を進めていこうとお考えか。

【代表】
 国会で、与党ばかりが勝って、議論ができる環境がなくなっていく。論戦の国会がなくなっていく。総与党化する。これではいけないというところで一致をして、論戦できる、論戦のある国会、疑問点がしっかりと主張され提起される、そういう国会にしていくということをまず大きく旗印として掲げて、賛同する方々と調整をしていきたいと思います。

○参院石川補選について

【時事通信・眞田記者】
 4月7日に石川県で参院の補欠選挙が告示され、立憲も新人の方を擁立されている。泉代表が代表になられてから初めての国政選挙になると思うが、改めて、意気込みを含め、党としてどのように取り組みたいかと、今回共産党も候補者を出しており、そういった意味で野党で候補者一本化という形ではない構図で戦うことになると思うが、その辺についてのご所感もいただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 まず、非常にこの石川というのは、全国でも自民党が強い地域。たしか党員率がかなり上位だということですね、47都道府県の中で言うと。自民党の非常に強い地域であり、我が党も国会議員が今1名ですか。ですから、相当力量の差はあります。
 しかしながら、この石川県でも、自民党の今の政治が決していいとは思っていない、地方もやはり徐々に衰退をしてきているというふうな疑問や不満を抱えている方々、当然おられると思います。「新しい政治をつくってほしい」という声もあると思いますので、そういう声をできる限り糾合していきたい、形にしていきたいと思っています。
 その意味で、小山田経子さんは非常にはつらつと、前向きに、新しい選択肢を訴えてくださる候補ではないかと思っていまして、大変期待をしています。私も3日に石川に入って、全力で応援をしていきたいと思います。
 共産党さんも候補者を出しているということは、それはそれで一つの考え方なのかなと思っています。それぞれの政党の戦略もあるでしょうから。我々としては、自民党にかわり得る選択肢として、一人でも多くの県民の皆さんにご理解をいただけるように訴えをしていきたいと思います。

【時事通信・眞田記者】
 重ねて石川補選の関係だが、夏の参院選挙の前哨戦とも位置づけられると思うが、この石川補選の結果が次の参院選にどのように影響を与えるのか。戦い方も含めて、その勝敗も含め、どういう影響を与えるとお考えになるか。

【代表】
 「前哨戦」というのをどういう意味合いで考えるかですね。それは勝ち負けで言えば相当、我々が勝つためには、もう大きくジャンプをして勝たなければいけないような戦いですから。ここで、しかし、どういう戦い方ができるかというところが我々問われていると思いますので、そこに向かって全力を尽くすということです。

○参院選に向けた取り組みについて(4)

【「FACTA」・宮島記者】
 きょうは4月1日で、新しい年度。代表初の国政のチャレンジという意味では、もう100日を切る。改めて今、初陣で先頭に立つ、湧き上がる闘志というか、これを争点にやろうというのがあれば、やはり4月1日なので伺いたい。もう一つ、私は泉先生の最大の売りは、やはり若いこと。当選8回で調べても、小渕優子さんが一番若いと思ったら、泉さんのほうが若い。ゼレンスキーは44だ。日本にはロストジェネレーションというのがいるわけだが、ある意味では若い代表が率いる政党というのが伸びてもいいと思うが、そういう意味でやはりみずからの若さというか、その辺をどう考えておられるか。戦い方、それと若さということについて伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 戦い方は、しかるべきときに、我々として出す時期が来ると思っています。今その準備をさせていただいていますので、ぜひご期待をいただきたいと思います。
 若さというのは、これはもう私が改めて若さを出すというよりも自然体として出てくるものだと思っていますので、まさに年度も変わって、いよいよ我々立憲民主党としてさらに全国で訴えていく準備ができつつあるなと。私も代表をしていてその実感を持っていますので、これから、もう4月の段階でもかなりいろいろな活動が見えてくるのではないかと思っております。
 もちろん先ほどお話ししたように、この物価高ですとか、人口減少ですとか、地方の衰退というところに我々としては焦点を当てていきたい。これは間違いなくそう思っていますし、子ども・子育て政策、教育政策において、自民党が中身がないということも明確になっていますし、今こそ教育にしっかり投資をしなければ日本の将来はないということも我々として訴えていきたいと思います。そして、安全保障政策です。随分このウクライナ情勢にかこつけて前のめりな政策がどんどん出されていますが、つまるところ守らなければいけないのは国民の平和。戦争しない、戦争に近づかない、我が国を近づけさせないという、そういう取り組みをいかに政治家たちが努力できるかということも問われていると思いますので、そういった点で論陣を張っていきたいと思います。
 ありがとうございます。

【朝日新聞・神澤記者】
 先ほど国民民主党と都民ファーストの連携について伺ったが、それについて立憲民主党としては特に影響はないというお話だった。東京で2人をどのように当選させていくかというところでお考えを伺いたいのと、影響がないということであれば、この都民ファーストと国民民主の連携についてはどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 それは都民ファーストと国民民主党の考えですね。それに何かこちらがコメントするものはありません。
 当然我々は2人当選に向けて活動しますので、「どのように」と言われても、それは2人当選するように頑張るということです。蓮舫さんと松尾さんというのは、その意味で持っている特徴が大きく異なるのかなと思っていますので、蓮舫さんは、やはりより都民の皆さんと直接つながって多くの方々からご支持ご支援をいただいていくということを考えていますし、松尾さんについては、都連に所属する多くの自治体議員さんが支えながら、その組織力をしっかり生かして当選に結びつけていきたいということを想定しています。

○インボイス制度廃止法案について

【フリーランス・小山記者】
 インボイス制度に反対する法案を提出されたということだが、以前から私もちょっと疑問に思っていたが、わざわざ1000万円以下の年収の方に、今まで国のほうが配慮をしてとっていなかった消費税をとることになるということで、岸田さんとか自民党の方々、与党の方々が何を考えてこういった制度を導入されるというふうにお考えになるか。弱い者からとるという意味で、一般にはちょっと理解に苦しむと思うが、何を考えてこういった制度が導入されるものなのか。

【代表】
 何も考えていないからこそ、かもしれませんね。中小事業者、そしてスタートアップをしたい、小さいところからこつこつと頑張りたい、それでご飯を食べている、そういう方々に対する現場感覚というよりも財務省の理屈をうのみにしていると思います。

○公務労協からの要請について

【フリーランス・小山記者】
 公務員の公務労協ときのう話し合いをされたかと思う。記事を読ませていただいたが、これだけでは感覚的にわからなくて、どういったお話があったのか教えていただきたい。

【代表】
 記事は、立憲民主党の記事。

【フリーランス・小山記者】
 そうです。

【代表】
 ちょっと私自身も見られていないのであれですが。
 基本的には、これまでずっと自律的労使関係が公務員において保障されていなかったということで、これまでILOからも幾度にわたって、日本の公務員、公務労働の現場に、争議権や団結権、こういうものがないというのはおかしいという指摘、勧告がずっとされていたわけです。ILOから勧告があるにもかかわらず日本政府が改善をしてこなかったということについて、本気で考えてもらいたいし、与党側にも呼びかけてほしいということを、きのうの公務労協からの要望では受けとめました。
 消防職員、例えば皆さんもイメージとして思い浮かべられると思うのは、アメリカで9.11のテロがあったときに消防士たちが本当に危険な現場で駆けつけていますよね。そのアメリカの消防士の皆さんは、ちゃんと職場職場で労働組合があって、待遇改善のために当局と交渉をしているわけです。それが(消防職員などの)当たり前だというふうに思うべきなのですが、日本はなぜか、公務の現場において、その団結権が保障されていない。そういう問題があると思います。
 こういったことは例えば刑事施設の職員の皆さんも同様だということで、国際機関からは、世界中はちゃんとこういった公務労働で働く方々も当局との交渉をする自律的な労使関係がありますよということのお話がありましたので、それをぜひ前に進めていきたいというふうに要望がありましたので、我々としても受けとめてやっていくということであります。

【フリーランス・小山記者】
 私たちですぐ思い浮かぶのは、国家公務員の方のとんでもない長時間労働だが、そういう話は出たか。

【代表】
 出ました。霞が関のブラック労働というか長時間労働の問題もやはり出ました。そういったことについても、こういう労使がしっかり話し合いをできる環境をつくる中で解決していけるし、それを望んでいる現場の職員は非常に多いという声もいただきました。
 これは我々の仲間たちからも届いているのですが、霞が関の労働時間の長時間化というのは国会対応だけではないのですが、例えば国会対応の中でも、よく仲間たちから今届いているのは、その委員会の日程が決まるのがぎりぎりだと。そうなると質問通告がどうしても遅れざるを得ないという声を聞いているので、やはり国会日程をもっと早く決めていく、前々日の正午までに質問通告ができるような日程の決め方をしなければいけない。急にあした質疑が決まったとか、急にそこで質問者になることになったとなってしまうと、どうしてもそこから質問を考えざるを得ないので、そうすると玉突きのように、夜からその質問通告に対応する職員の方々が多くなってしまうというのがありますので、こういったこともやはり国会として改善をしていくべきだと思います。

○薬害C型肝炎について

【「フランス10」・及川記者】
 先週木曜日、薬害のC型肝炎の方たちのデモを取材した。B型肝炎のほうは補償金が予算としてついているが、C型肝炎のほうはついていない。救済法があるが、カルテがなくなったりとか、それを証明することができず苦しんでいらっしゃる方がいる。C型肝炎の薬害についてどうお考えか伺いたい。

【代表】
 非常に大事なお話だと思いますが、ちょっと今のお話のところ、私のほうもしっかりと一度事実関係を伺って、また来週にでもお話しさせていただければと思います。

○経済情勢・経済対策について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 現状認識として、今の日本経済がどういう状況なのかというと、「悪い円安」で、経常収支も赤字になって、スタグフレーション、そういうことの問題について、かなり速いスピードで何か手を打たなくてはいけない状況だという危機感をお持ちになっているか。それについて立憲はどのような形で、どれぐらいの規模で、何をしなくてはいけないというアイデアがあれば、今お考えのことを伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 党内でも、この「悪い円安」、急激な円安、このことについて議論をさせてもらっています。
 前回我が党が出した三つの政策のペーパーの中でも、これまでの長く続いた超低金利、金融緩和、これは見直しをしていかなければいけないという形のことを書かせていただいています。あとは、タイミングとか、経済全体を見てどう判断していくかということが問われます。
 非常に、今、日本は長く続いたアベノミクスで、低金利でがんじがらめになってしまっているというところで、抜け出したくても抜け出せない環境をアベノミクスがつくってしまったということは間違いないと思います。そこからどのように足抜けができるのかということを本当に考えないと、国民生活がもう潰れてしまいかねないという危機感は非常に強く持っていますので、我々としても今、この経済対策の中でということも含めて、最終的な議論をしているというところまでをきょうはお伝えしたいと思います。