衆院本会議で4月7日、内閣提出法案「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案」について、会派を代表して本庄知史議員が登壇し、法案の問題点を指摘しつつ「賛成」の立場から討論を行いました。
冒頭、本庄議員は、今なお続くロシアによるウクライナ侵略について、無辜の民間人の殺害は、重大な国際人道法違反であり、戦争犯罪であるとし、ロシア軍による無差別攻撃、無差別殺人について、その真相究明と責任追及、戦争犯罪人への厳正な処罰を求めるとともに、立憲民主党が提出したウクライナ避難者らへの特例法案の「戦争等避難者」への更なる支援の拡充が必要と訴えました。
■立憲民主党の基本的スタンス
本庄議員は、立憲民主党がかねてから経済安全保障の重要性と必要性を訴えてきたと述べ、今回の法案審議でも、「自由で開かれた経済」、「民間活力と経済成長」を基本としつつ、「経済安全保障の実効性」とのバランスを図っていくかという観点から検討してきたと立憲民主党の基本的スタンスを明らかにしました。
■藤井経済安保法制準備室長の非違行為等
藤井敏彦・前経済安全保障法制準備室長の一連の非違行為について、他の法律や制度以上に、政府には厳正・厳粛な姿勢が求められること、政府の真相究明、説明責任が十分に果たされていないこと等を強く批判しました。
■内閣提出法案の問題点
本法律案の問題点として、(1)法律の前提となる「経済安全保障」の定義が法文上明示されていないこと(2)法律全体に通底する基本理念がないこと(3)新設する4つの制度に関する重要事項が法律ではなく今後の閣議決定や政令・省令に委ねられていること(4)政府の規制措置が「合理的に必要と認められる限度」とされており「必要最小限」としている外為法などと比べて広範であること(5)国会報告など事後的な検証の仕組みが不十分であること(6)これらの結果、政府の権限や裁量が過大になるおそれがあること――等と指摘しました。
■立憲民主党の修正案
立憲民主党が内閣委員会に提出した修正案について、本法案の問題点を補完し補強するものだと説明。(1)法案全体に通じる基本理念を定め、基本理念には、自由で開かれた経済活動と国家・国民の安全確保の両立、事業者の自主性の尊重、公正な競争、事業者と国民に対する十分な説明、行政の肥大化を招かないこと、国際約束の誠実な履行、などを掲げていること(2)政府の運用を国会がコントロールするため、重要な政令や省令を制定・変更する場合に、外部専門家の意見を聴取することを法律上明記するとともに、事業者への影響が大きい措置に当たっての要件を厳格化すること(3)政府の運用を事後的に検証するため、政府による国会への報告を義務付ける――などです。衆議院において修正は否決されましたが、その大部分が附帯決議の中に盛り込まれたと報告しました。