泉健太代表記者会見

2022年4月8日(金)10時30分~11時25分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://cdp-japan.jp/news/20220407_3439


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「生活安全保障のための緊急経済対策」を発表

【代表】
 きょうは、まず、立憲民主党がこのほどまとめました緊急経済対策について皆様にご紹介したいと思います。早速パネルをごらんいただきたいと思います。「生活安全保障のための緊急経済対策」ということで銘を打たせていただきました。「コロナ禍と物価高騰と闘う!」ということですね。
 かねてから立憲民主党は、エネルギー価格、食料品・日用品価格を含めて、この物価高と戦うという姿勢を強く示してまいりました。改めて、政府の経済対策・対応が小規模、国民生活の危機あるいは事業の事業環境の悪化に対応し切れていないということを感じております。我々は予算審議の中でも予算の対案を出してきましたが、その16兆円という予算の対案をベースにして、今回この緊急経済対策をつくらせていただいています。
 このパネルにあるように、我々としては、まず消費税の時限的5%への引き下げ、こちらを入れさせていただいています。この消費税の引き下げについては、今、各種物価が値上がりをして、4月1日以降もさまざまな品目が値上がりをしています。ガソリンも高い状態が続いております。そういう中で、しかしながら、製造過程においてさまざまに経費が値上がりをしているのだけれども、まだまだ小売価格への転嫁ができていない、こういう事業者もたくさんおります。こういった事業者がより価格転嫁をしやすくするために、そして最終的には適正な価格転嫁が行われることによって賃上げに結びつく。我々は、可処分所得をふやす、賃上げを目指すということをこれまでも強く言ってきましたので、この消費税の5%への引き下げというのは、そういった価格転嫁をしやすくして、賃上げ、企業内賃上げに結びつけることができるようにするための手立てでもあるということを訴えたいと思っております。
 また、ガソリン減税についてはこれまでも主張してきたことでありますし、既に法案も出しております。
 その下の、ワーキングプア、低年金者、低所得子育て世帯の方々に5万円を給付というところを、改めてですが強く訴えたいと思います。これは低所得者への給付が必要だということで、昨年末からも言われてきたことですが、そのときにワーキングプア層が抜けているということは問題だと我々は強く指摘してきましたが、結局そこは対象になってまいりませんでした。あのときは10万円給付ということでありましたが、我々は今回、この消費税率5%への引き下げということも含めておりますので、それと相まってということであればということで、これを今回5万円給付という形で訴えをさせていただきたいと思っております。
 また、パネルの「2.事業を守り抜く」、こちらは7兆円ということになります。「1.暮らしを守り抜く」が14兆円、「2.事業を守り抜く」は7兆円ということですが、その「事業を守り抜く」のところの二つ目、中小企業のコロナ債務の減免。これは先日も法案を出させていただいていますが、中小企業の中でも、やはりこの(新型)コロナが、政府も同じだと思いますが、こんなに長期化すると思わなかったというのは、これは日本国民誰しもが共通した思いだと思います。その意味では、借り入れをしても短期間のうちに環境が元に戻り事業活動も再開されると、そう踏んで借り入れを行った事業者もたくさんあると思う。しかし、市場の環境、社会の環境、経済活動の環境が引き続き停滞を続けているということで言えば、本来予定されていた返済ということが不可能であるという事業者はたくさん出てきていると思います。その意味では、この中小企業のコロナ債務の減免、これを我々としては法案として提出しておりますので、今回の緊急経済対策の中でも盛り込ませていただきました。
 以下、さまざまな政策について、ここに書かせていただいているとおりのものがありますので、ぜひ皆様にもこの必要性を理解していただいて国民の皆様にもお伝えいただきたいと、我々としてもこれをさまざまな形で政府に訴え一つでも多くの実現を図っていきたいと、このように考えているところであります。
 経済対策についても含めて、後ほどまた皆様からの質疑を伺いますので、まずはほかの項目についても、これから記者会見の冒頭発言というふうにしていきたいと思います。

○参院石川補選について

【代表】
 参議院の石川補選、始まりました。我々としても、この補選において、今お示しした緊急経済対策、「生活安全保障のための緊急経済対策」も訴えていきたいと思います。
 石川でも、物価高に苦しむ方々、低所得であえいでいる方々がおられると思いますので、そういう皆様に訴えたいと思いますし、また、この中にも含まれていますが、教育の無償化や、そして石川は今、県選出女性国会議員がいないということも含めて、我々がこの男女共同参画、女性の活躍、女性の政界進出を促進する、こういう観点も訴えていきたいと思っております。
 各演説会などには、党のベテランも含めて積極的に入っていきたいと思っております。

○衆院小選挙区「10増10減」について

【代表】
 「10増10減」に関してですが、細田議長は「10増10減」の提案者の一人でもあったわけです。その細田議長が、また、その議長であるという立場を考えれば、議長として極めて不適切だというふうに考えています。
 今、我が党からは、国対委員長からも議運に対して、議運の場での議長からの説明、あるいは発言の撤回、こういうものについて与党と協議をしているというふうに聞いていますので、その様子を見守りたいと思いますが、改めてですが、議長として極めて不適切ということを自覚していただきたいと思います。

○自衛隊に関する共産党委員長発言について

【代表】
 きのう共産党の志位委員長が、「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守り抜くのが党の立場だ」という発言があったと伺っております。
 自衛隊の存在というものは、もう多くの国民というか、全国民が、大変大切な存在であると既に認識をしていると思います。何らか、改めてですが、当然ながら我が国の国防を担う、それが自衛隊であるということを多くの政党が認識することは、基本的によいことであると思っております。
 たしか共産党さんも、これまで個別自衛権はあると言ってきていると認識もしています。また、自衛隊をなくすこと、日米安保条約を破棄することというのは我々とは違いますが、それも従来から国民合意なくしてできないとは言っていたわけですから、改めてですが、この我が国の国防において自衛隊や日米安保というのは国民共通の前提であるというところの認識を多くの方々が持っているということを、今、共産党も踏まえつつあるのではないのかなと。私はそう感じております。
 改めてですが、その意味では、いろいろな導入する武器などについては、これは例えば防衛白書でも、攻撃型空母の保有はだめだとか、長距離爆撃機はだめだとか、こういう武器について当然我が国政府も、何でも持てるわけではないと、憲法や専守防衛に照らしても、という姿勢はあるわけですから、共産党さんもある意味そこは、武器においてそれが違憲であるとか違憲でないということはあろうかと思いますが、自衛隊そのもの、自衛官そのものが違憲かといえば、やはりそういうことではないのではないかと私は思いますので、明確にその意味では自衛隊そのものは合憲であるという理解をされてもいいのではないのかなと思っています。もちろんそれぞれ政党の考えることですので、これは私の見解ということになりますが、そのようなことを感じたところであります。

○石油備蓄法改正の必要性について

【代表】
 続いては、過去最大級の備蓄石油の放出ということですが、きょう早速我が党の山岡達丸衆議院議員、経済産業の筆頭理事が委員会でも質問をしていますが、備蓄の放出というのはあくまで石油供給が不足する事態か災害の場合に限られるというふうに石油備蓄法では書かれています。
 今回、市場の安定化ということにおける放出というのは我々も理解をするわけです。だからこそ、法律が実態と合っていないのではないかと思いますので、至急、この石油備蓄法の改正をすべきだということを求めていきたいと思っております。その場合には我々も協力をしたいと思います。当然必要な法改正だと考えていますので、協力をしたいと思っております。

○ウクライナ情勢 ロシアの戦争犯罪について

【代表】
 ウクライナ情勢は、キエフ(キーウ)近郊は少し平穏を取り戻したやの情報もありますが、次第に被害の深刻さが明らかになってきているということ。また、東部や南部でまだまだ戦闘が続いているということ。決して予断は許しませんし、戦争犯罪、これは絶対に許されないということで、国際的に究明・解明が求められるということであると思います。
 改めて国連の改革については、私はおそらく日本の政治の中では、2月25日ですが、ロシアに安保理常任理事国の資格があるのかということを一番最初に言った政治家だと思います。そういったことからも、改めて今それが主要な課題になってきているわけですので、国連改革、これを日本としても強力に推し進めるべきだと。主導権を持って進めるべきだということも改めて主張したいと思います。


■質疑

○「生活安全保障のための緊急経済対策」について(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭発言でもあった緊急経済対策だが、政府にこちらを求めていくとなると、補正予算の編成を求める形になると思う。今、立憲としては集中審議等も求めているが、今後どのように補正予算の編成を含めた経済対策を政府に求めていくか。今後の国会での対応も含めてどうお考えか伺いたい。

【代表】
 当然この緊急経済対策ということで我々は補正予算を求めていきます。国民の皆様からも、そして与党からも補正予算の声というのは上がっていますから、これは与党・野党関係なく、国民的課題というか要求・要望だと思います。国対、そして予算委員会、さまざまなルートを通じて、我々としてその審議に入るように求めていきたいと思います。

○安全保障政策について(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭発言で共産党の自衛隊に関する考え方に触れられたが、「市民連合」が安保法制の違憲部分の廃止等については政策要請に求めないというような一部報道もある一方で、共産党としては、その違憲部分の廃止についてはこれまで強く主張しているところでもある。こういった共産党の自衛隊に対する考え方も含めて少し変化が出ている中で、今後、野党での選挙区調整等もしていくわけだが、もちろん政策的な合意を得るかどうかというところはまだ予断を持って言えないところではあると思うが、こういった安全保障についてはしっかりと一致点を持つべきではないかという意見もある中で、今後の野党連携において、あるいはその調整をしていく中において、今回の共産党の姿勢をどう見ているかと、安全保障について、違憲部分の廃止については衆院選での公約にもあったわけだが、ここについての考え方をいま一度どうしていくかというところを伺いたい。

【代表】
 まず、「市民連合」が今どういうふうに動いているのかというのは、私は直接は見ていませんので、報道があったということは認識していますが、今はまだそこについて何か、実際のものを見ているわけではないので、お答えをすることはないということですね。何か答えがあるわけではないということです。
 共産党の今回の発言、志位さんの発言については、先ほどコメントしたとおりということになります。
 私たち立憲民主党としては、立憲民主党は、自衛隊、そして日米安保、これが我が国の国防政策・防衛政策の基本ということを掲げている政党でありますし、そういう政党として各党に候補者調整の申し入れをして、候補者調整についてはおおむねその協議に入ることを合意していただいたということまでですので、今、何かそれ以上があるということではありません。

【毎日新聞・宮原記者】
 日米同盟や自衛隊のそういったものを前提とした場合に、安保の違憲部分の廃止というところについては、そこは矛盾なく今後とも示していくということになるのか。それとも、少し主張する面においては微修正が必要だと考えているのか。そのあたりはいかがか。

【代表】
 どこが主張していくということですか。「市民連合」とか、何か野党全体とか、立憲民主党とか、いろいろあると思うのですが。

【毎日新聞・宮原記者】
 立憲民主党として。

【代表】
 それは、今、党の中で参議院選挙に向けた政策をつくっているさなかにありますので、現時点ではまだ明確にお答えする段階ではないということです。

○「生活安全保障のための緊急経済対策」について(2)

【時事通信・眞田記者】
 経済対策の関係で、細かいところも含めて確認したい。先ほど政府に対して補正予算の審議入りを求めたいという話があったが、確認だが、参院選後に補正を編成するみたいな話もあるが、立憲としては今国会での補正予算ということでよろしいか。

【代表】
 今国会です。

【時事通信・眞田記者】
 経済対策の中で、ワーキングプア層、低年金者、低所得者への5万円給付の話だが、これは大体どれぐらいの方が対象になると見積もっているか。また、その対象になる基準というか、年収何万円以下の方が対象になるとか、そういった基準がもしあれば少しご説明いただきたい。

【代表】
 対象者は、今は、ここには書いていないかな。全体の額ということについては、4315億円という算定の仕方をしています。ワーキングプアの方々については2780億円。そして低年金者については1500億円。低所得の子育て支援世帯は、ごめんなさい、これですね、すみません、改めて正確な説明をしたいと思います。

【時事通信・眞田記者】
 消費税の時限的減税だが、これは1年とか2年とか、期間はどれぐらいか。

【代表】
 これは現実的に、我々としては今、6カ月想定をしています。法改正と施行までの期間が一定どうしても必要だということで、今回、今国会でこの消費税の引き下げということが実現した場合、今年度の下半期を想定して、10月から3月までの間ということで算定をまずしています。

○参院選に向けた取り組みについて(1)

【時事通信・眞田記者】
 参院選の関係で、東京選挙区の関係でお尋ねしたい。自民党が先日2人目の擁立も決め、ファーストの会から荒木代表が出馬し国民民主党が推薦を正式にするということも決まり、まだ正式に決まってないところもあるが、大体東京選挙区の構図というのが見えてきたと思う。改めて現状に対する代表のご所感と、立憲民主党は2人立てると思うが、それぞれどういう戦いを期待したいか、意気込みと、東京選挙区という首都の位置づけについて代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 よく「首都決戦」とか言われますよね。6議席、定数6の中で2議席をとるというのは本当に大変なことですが、立憲民主党として、その2議席確保に向けて全力を尽くしたいと思います。
 蓮舫さんは前回トップでありますし、知名度も高い方ですので、引き続きそれを生かして、また国会での数々の質問等々で、その切れ味は多くの方々が見ていただいていると思いますので、そういったものも生かして活動を行いながら、新人の松尾さんについては、都連所属の自治体議員などが中心になって地域に根を張って票を獲得していくと。この両方、双方で、何とか2議席をとりにいきたいと思っています。

【時事通信・眞田記者】
 松尾さんは地方自治体議員の総力を挙げてという形だと思うが、連合東京、連合としては松尾さんを推薦するという形になると思うが、ファーストの会の荒木さんも、おそらく連合東京、連合が推薦するという形になると思う。そういう中で、東京選挙区で連合票が割れてしまうというか、支援が割れてしまうことに対する懸念や見解をお聞きしたい。

【代表】
 国民民主党を応援する組合と立憲民主党を応援する組合が元々ありますので、そのとおり、想定どおりということではないですかね。

【神奈川新聞・三木記者】
 先ほどの質問に少し関連して、参院選の関係で伺いたい。首都圏で神奈川選挙区だが、立憲民主党から2人目となる女性候補、水野素子さんを擁立する方針という報道があった。女性進出を促進する立場から、この水野さんの擁立に関する所感をまず伺いたい。

【代表】
 まだ私のところに何か2人目の候補について話が届いている状況ではありません。以上です。

【神奈川新聞・三木記者】
 その前提で、神奈川選挙区は全国でも屈指の激戦となるということと、さらに改選定数4と欠員1を争う合併選挙という形になっている。東京に次ぐ首都圏の激戦区である神奈川選挙区の位置づけ。また、上位4人の中に立憲民主党の候補者を当選させるために、どのような戦いを行っていくのか。そうしたお考えについて伺いたい。

【代表】
 神奈川の皆さんは、横浜などではカジノを撤回させて、そして、自民党の政治だけではだめだという思いを持った住民の方、県民の方が多い地域だと思います。だからこそ、立憲民主党も攻めの姿勢で、県連としては2人擁立をしていきたいということであると私も聞いてきていますので、今、そこに向かって全力で作業を進めているのではないかと思います。
 そういう県連の方針に基づいて、ぜひ戦い抜いて、競い合いの中で2議席、「4.5」とよく言われますが、その中での2議席確保を目指すということに今取り組んでいると思いますので、それをしっかりと我々としても認識をして支援をしていきたいと思います。

○「生活安全保障のための緊急経済対策」について(3)

【NHK・坂井記者】
 経済対策について伺いたい。今回のメニューの中に、ワーキングプアや低所得子育て世帯への給付金など、社会的弱者の方に対する手当が盛り込まれているが、こういった支援を盛り込んだ狙いについてお聞きしたい。

【代表】
 前回、昨年末のときの10万円給付というのは、住民税非課税世帯でした。ただ、私も昨年末、東京・新宿で食料支援等々を行っている団体を見に行ったり作業をお手伝いしたりということがありましたが、一定の収入はあった人が、非課税世帯まではいかないけれども、コロナで仕事が激減して、そして食べ物を受け取りに行かなければいけない状況に陥っている。今お話ししたワーキングプア状態の方々が、もう新たな仕事が入らなくなる、飲食店の仕事があったのだけれども休業ばっかりになってしまうとか、会社に籍を置いているのだけれども給料が全然入ってこないと。そういう方々がたくさんおられるということを伺って、だからこそワーキングプア層にも給付をということを言ってきた。しかし、それがまだ実現をしていないということで、その皆さんに対するこの給付が必要であるという考え方に至ったということになります。

【NHK・坂井記者】
 重ねてだが、今のそういった社会的弱者の方に対する政府の施策、支援というのが十分であるかどうかというところの評価と、今後党としてこういった視点をどのように訴えて実現に向けてつなげていきたいかお聞きしたい。

【代表】
 ちょっと不思議なというか、「Go To イベント」を、「ワクワク割」ですか、変えると言っていたのは、どうやら昨年の11月ぐらいらしいのですね。ですから政府も、先ほど中小企業の債務減免の話もしましたが、政府は昨年の11月ぐらいには「いずれコロナはおさまるだろう。だからワクワクと言っても問題ない」という認識だったのだと思うのです。
 しかし、コロナ、改めてですが第6波がかなり深刻になって、そこではさまざまな事業もとまらざるを得なくて、そうすれば働き口を持っている方でもお給料をもらえない環境がやはり引き続いたわけです。
 ですから、政府の当初想定していた環境と実際の環境が大きく異なっていて、生活がかなり傷んでいるということを直視しなければいけないと思います。その危機感とか現場感が足りないということではないかと思います。

○衆院小選挙区「10増10減」について(2)

【NHK・坂井記者】
 「10増10減」に関する細田議長の発言について伺いたい。先ほど代表から、議長として不適切だというご発言があった。これまでも「10増10減」の実現については予定どおり行うべきだというふうにご発言されてきているが、改めてこの「10増10減」をどのように実現していくべきだとお考えかお聞きしたい。

【代表】
 区割り審が6月25日までと聞いています。そういう意味では、国会閉会はそれよりも早いわけですし、しっかりこの区割りの法案も今国会中に対応しなければならないということであるはずだと思いますので、その前提で政府・与党には当然対応していただかなくてはいけないと思っています。これを求めていきます。

○「薬害C型肝炎」「大阪の災害対応体制」について

【「フランス10」・及川記者】
 大阪のトップがドバイ視察に行ってしまったことに関して、4万3000再生回数になっているので、きょうもドバイ視察について伺いたい。吉村知事・松井市長がドバイに行かれたとき、3月31日23時41分、京都発生の地震が起き、大阪も震度3から4の揺れがあった。大阪府の災害対策・防災情報グループに確認したところ、知事と連絡がとれないので登録者にメールをしたと。大阪府は880万人の人口だが、登録者はわずか17万人。大阪市は、市長から指示がなかったので何もしなかったということだ。2泊3日できのうまで大阪に行っていたので、これは確実な情報だ。3.11のときに与党だった、そして責任ある立場だった泉さんからして、この大阪の有事に対する対応をどうお考えになるか。
 あと、C型肝炎、宿題になっていたので、お願いしたい。

【代表】
 まず、C型肝炎のほうからお話ししたいと思います。前回の記者会見のときに宿題になっていましたので。
 B型肝炎の給付金というのは国が全額給付ということで国の予算に計上されるということなのですが、C型肝炎の場合は、肝炎の原因となった血液製剤を製造した企業が拠出金を出しているということで、その場合、国の予算には計上される形にはならないということですね。それで、B型肝炎、C型肝炎、それぞれ特措法によって医療費の減免ですとか給付金の支給が行われるということになっているのですが、これは裁判での和解が前提になるということになっています。ただ、カルテがないとかいうことで和解に至っていない方々がおられて、厚生労働省の想定に比べ遥かに和解の件数が少ない、支給の件数が少ないということになっています。
 こういう状況はやはり看過できないということで、今週の6日、おとといですね、C型肝炎救済法の請求期限の延長を求める集会が開かれて、我が党からは山井和則衆議院議員が参加して、ぜひ来年1月が期限となっている請求期限の延長を行いたいということを我が党としては表明しています。山井衆議院議員も、これを自民党の田村元厚生労働大臣にも話をして、田村(前)厚生労働大臣もその認識を持っているというところまで確認をしていますので、引き続きこれは超党派で、何とかその請求期限の延長というもので、まずはできる限り対象の方が一件でも多く支給に至るようにというところを努めていきたいと思います。
 維新の大阪の知事と市長がということと、大阪の災害対応について今お話がありました。もしそれが本当ならば、ちょっと驚いた、びっくりしています。というのは、例えば政府は、震度5強以上ですか、であれば情報連絡室を設けるとか、別に総理がいてもいなくても、官房長官がいてもいなくても、自動的に組織として立ち上がり、必要な情報は国民に提供する、共有する、当然そういう仕立てになっていると思います。行政ですから、災害が起きたときには、知事、市長、あるいは総理も含めて、トップがどうなっているかわからないのは大前提ですから、組織として国民に情報伝達、また組織の対応が遅れないようにしなければいけないと思いますので、松井市長の指示がなかったから市民に情報が届かなかったというのはちょっと考えられない失態になってしまうのではないかと思います。ぜひ早急に、自動的に、いついかなるとき、24時間災害が起きても対応できる、市民・府民に情報が届く、そういう仕組みに変える必要があるのではないかと思います。

○「生活安全保障のための緊急経済対策」について(4)

【朝日新聞・神澤記者】
 経済対策について2点伺いたい。まず、こちらのスピード感、規模感について教えていただきたい。政府は5.5兆円の予備費を使って月内を目指すという方針でまとめようとしているが、この政府の動きの評価、また、裏表になるかもしれないが、立憲がこの時期にこの規模で発表できたことの意義というのはどのようにお考えかお聞きしたい。

【代表】
 政府が、規模が小さく、かつ、月末、月内、それは果たして本当にこの通常国会で成立させるつもりがあるのか。それとも、ただ国民に(対して)やっている感を出すための見せ金なのか。そういうことが問われるのではないかと思いますし、それにしても予備費だけでの対応というのは、これだけコロナで疲弊をして、かつ急速な物価高という国民生活に照らすと、非常に規模の小さい、国民には届かない対策になってしまうのではないかと思います。
 ですから、我々は、できる限り早くこの経済対策の議論を予算委員会で行い、そして補正予算を成立させるということが国民のために最善だと思っています。

【朝日新聞・神澤記者】
 国民民主党も経済対策を発表し、公明党も補正予算を求めるなど、各党動きがあると思う。冒頭と少し重なるところがあると思うが、立憲民主党ならではの独自色として、改めて必要性を強調したい部分を伺いたい。

【代表】
 先ほど強調したところが、数ある項目の中から、消費税の5%への時限的引き下げ、ワーキングプア層等々を含めた5万円給付、中小企業の債務の減免、ここが特に皆様にお伝えしたい項目ということになります。

【朝日新聞・神澤記者】
 最後、細かく2点確認したい。消費減税、先ほど6カ月というお話があったと思うが、これは何らか状況を見て場合によってはその後も延長というようなことをお考えなのか、6カ月だけとお考えなのか。財源については今回どのようにお考えなのか。この2点を伺いたい。

【代表】
 これは、まず今年度の話ですから6カ月ということであって、もちろんその後、必要であれば状況を見て判断をしていくということになります。
 財源については、当然さまざまなやりくりですとか、必要であれば国債の発行ということも視野には入ってくると思います。

【朝日新聞・神澤記者】
 消費減税をしている期間というのは、何か指標にしているものはあるか。

【代表】
 今回は6カ月ですので、それは何か指標がどうのこうのということではないです。

【北海道新聞・袖山記者】
 経済対策について伺いたい。「事業を守り抜く」のほうだが、事業復活支援金の拡充とあるが、こちらの規模感と、最大の金額はどれぐらいを想定されているのか。もう一つが、中小企業のコロナ債務の減免について、先日立憲民主党は法案を出したかと思うが、いわゆるゼロゼロ融資の返済期限が間もなく始まるので中小企業にとっても負担が大きくなるかと思うが、改めての狙い、規模感、どういったものを減免する対象にするのかということを、この間の法案でも示されていたかと思うが、改めてお聞きしたい。

【代表】
 事業復活支援金は上限250万円を倍増するというイメージになります。この事業復活支援金は、企業の規模に比べて、例えば不十分、上限が低いとか、そういう話は多く全国から聞こえてきていますので、規模を拡大して、本当に事業が復活することを支援するに足るものにしていかなければいけないということが一つです。
 中小企業のコロナ債務の減免、これは法案の中では必要な財源は実施5年間で5兆円というふうに踏んでおりまして、それが今回のこの補正と経済対策ということで言うと半年間で5000億円という試算の仕方をしているということになります。

【北海道新聞・袖山記者】
 それぞれの事業の規模感は、6.8兆円のうちどれぐらいとか、試算は今お手元にあるか。

【代表】
 事業復活支援金が4兆円弱になります。そして、コロナ債務の減免が5000億円になります。

○衆院小選挙区「10増10減」について(3)

【フリーランス・宮崎記者】
 「10増10減」に関して、2倍以内で、法の下の平等、アダムズ方式ということになれば、「10増10減」というのは当然だが、ただ、東京30区ができて山口県は3区までで和歌山は2区までだと、あくまでも数字・数学ではなくイメージとして、何か逆に格差が広がっているのではないかと、一票は平等でも日本の政治は平等ではないのではないかというイメージを持つ国民は間違いなく多いと思うが、その辺に関して、例えば2段階方式とか、そういった「10増10減」のその先の考えは今お持ちか。

【代表】
 「10増10減」はまず決められたことなので、公平に行う、実施をするということがまず大前提です。
 当然その先というのはいろいろな考え方があると思いますし、今おっしゃったような、本当に人口だけで各都道府県の選挙区数にこれだけ、都道府県ごとで言えばある意味の格差が生じるということでよいのかという論点は当然あると思いますので、それはまさにこの「10増10減」をやって、その後の議論として出てくる論点だと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 国対委員長のほうから若干話があったかもしれないが、その後に細田議長の発言があったかと思うが、今後、政党の協議体といったものを立ち上げるとしたら、それは「10増10減」よりも後の段階というふうにお考えか。

【代表】
 とにかく「10増10減」までいじるとか、何かないがしろにされるということはあってはならないわけだと思いますので、それはしっかり今国会でやり切るということは、信頼感、政党間の信頼ということにおいても、まず大前提ではないかと思います。
 そういった選挙制度にまつわっては、どこかの政党だけで勝手に進めるとか、どこかの政党だけが賛成するものではないと思いますので、だからこそ、ちゃんとした信頼関係を築いていけば、さまざまな今後の議論というのはあり得るのではないかと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 あくまでも確認だが、原則の話をされたと思うが、今国会でやり切るとおっしゃった。ただ、区割り案は6月25日と。

【代表】
 まで、ですね。だから早く出すことはできるということですね。

【フリーランス・宮崎記者】
 それは区割り審にもお願いしたいと。

【代表】
 はい。過去、そういう形で早く出たものもあると聞いています。

○「安保政策(2)」「緊急経済対策(5)」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 共産党の独自の立場、憲法の中で自衛隊が合憲ではないと、違憲であると。そこにきょう言及されたという意味では一歩踏み込んだのではないかと私は思う。旧民主党・民進党の時代から歴代代表が共産党の9条を含めたその部分についてここまで言ったことはなかったと思うが、そこの事実関係を伺いたい。きょうあえてそうおっしゃった背景というのは、この世界情勢に照らして現実路線に共産党は変わるべきではないかと。他党の綱領に基づくものだからそこは難しいのだろうけれども、これまで曖昧にされていた共産党との関係について、今回新代表としてやはり一歩踏み込んだ。選挙協力ということを考えたらやはり支障があるんだと、そういう認識のもとにおっしゃったことなのか。この辺をもう少しはっきり伺いたい。踏み込んだ発言だったと私は思うから。
 もう一つは、これは後藤さん(後藤役員室長:会見陪席)に伺ったほうがいいかもしれないが、もともとゼロゼロ融資には信用保証協会の莫大な保証がついているが、それ以外の部分で5兆円、銀行が債務免除した場合に救うとなると、モラルハザードとか、その辺がよくわからない。徳政令に徳政令を重ねているような印象がある。たぶんこれが次の選挙での一つの柱になると思うが、その辺の検証というのはどうなっているのか伺いたい。

【代表】
 まず、1問目のお話、1問目のことについては、先ほど述べたことにある意味尽きます。そこから重ねて何か今お話しするということは特段ございません。私としては述べることを述べたということになります。
 二つ目のところは、モラルハザード、当然心配をされる向きというのはあると思いますので、これまでもこういったものの減免に至る過程の中には、リスケということも当然考えられることだと思いますので、そういうことも踏まえながら進めていくということになろうと思います。

【読売新聞・北村記者】
 消費税の時限的な減税について伺いたい。これは野党を中心に各党主張していく中で、再度の引き上げに政治的なエネルギーを使うということもあってか、実現したことがない政策かと思うが、この消費税の時限的な減税ということについての実現可能性というか、どの程度可能な政策であるというふうに泉代表自身はお考えになるか。加えて、泉代表の就任以来進んでこられた現実路線と、その点で矛盾というのはないのか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 現実路線であるからこそ、時限的というふうに提案をしているわけです。この時限的というものが強調されればされるほど、恒久的ではないという国民の理解も進むということになると思います。当然、下げるとき、上げるときというのは、さまざまな変化が生じるわけですが、それでも国民にとって必要なものであると。そう判断しています。

【読売新聞・北村記者】
 もう一点、聞き漏らしだったら申しわけないが、「付記」のほうに、あくまで緊急の経済対策で、年金の最低保障機能の強化、金融政策の見直しなどの抜本的な改革案は別途取りまとめるということで書かれているが、これは参院選に向けてまた別途打ち出しがあるというふうに考えてよろしいか。

【代表】
 そこは今まだお答えする段階ではありません。

【フリーランス・小山記者】
 きょうこちらの資料をいただいて安心したが、けさのテレビのニュースでは立憲の経済対策が子育て世帯に5万円給付という言葉でとどまっていたので、泉代表が以前からおっしゃっていたワーキングプア、低年金者、こちらのケアがないのかなと一瞬心配したが、こちらは段階的な発表とか、そういうことでこうなってしまったのか。

【代表】
 いや、特段私が発表する前に発表はしていないです。たぶん何かの情報で報道のほうが選んだものではないかと思います。

○JR連合・サービス連合・航空連合からの合同要請について

【フリーランス・小山記者】
 立憲ニュースのほうで、JR連合・サービス連合・航空連合から合同要請ということがあったと思う。私も前職で航空会社にいたこともあり、大変心配している。国債の発行もありとおっしゃったので、今、高市さんのほうでどの程度のお考えなのかわからないが、こういった産業への対策というのは、その場で何か決まったということはないと思うが、代表の頭の中ではどういったことを思い浮かべていらっしゃったか。例えば産業の再編のような、ちょっと重いが、この産業はこれからもう少し縮小していくという念頭に何かお考えになっていくとか、自民党のほうも財政政策本部長のほうで、3月に、財政破綻はあり得ないと、国会の質疑で日銀の回答も引き出しているので、もう救うという形で積極的に国債を発行していくということで補填していくとか、どういった対策を思い浮かべられたか。

【代表】
 まずは、3組合というか3産別からの要望を受けとめるというのが趣旨ですので、その中の要望では、雇調金の財源も少なくなってきているけれども、航空業界を初め、まだまだ雇調金を使わなければいけないので、そういうものを継続してほしいという話もありました。
 我々はちょうど法案としては、観光産業の給付金、正式名称は「観光産業事業継続支援金」、これを今回の我々の緊急経済対策の中にも入れていますが、そういうもので、特に落ち込んでしまっている、しかし飲食店ではない、そういう事業所もたくさんありますので、観光産業を支援するというものも我々として考えたいということを訴えています。
 さらに、その三つの産別から要望があったのは、公租公課。税金ですね。固定資産税などの減免をしてもらわないと本体に相当影響が及んでいるという話であったり、航空会社も本当にかなり莫大な赤字に陥っていますので、燃料費について、このトリガーの絡みで言うと航空燃料だけが除外されているという話もありますので、そういうことで航空燃料についての何らかの支援を行ってもらえないかという話もありました。そういったことができる限りできないかということを模索しながら、今、私が話をしたように、我が党の給付金なども使いながらと。
 あと、そこでも言われていたのが、「Go To」キャンペーンなのですが、今これだけ国民の社会経済活動が制約を受けていて、政府のほうもまだまだ「動くな」「動くな」というメッセージがある中で、一方で「県民割」から「ブロック割」みたいな形になってきているわけですが、一気呵成に大波が来てほしいわけではないんだと。割引をして、どっとお客さんが来て、予算がなくなったから打ち切りですということでは、むしろ持続性において不安があると。細く長くでいいので支援を継続してもらいたいという声がありましたので、そういう現場の声を踏まえた政策が必要になってくるのではないかと思います。
 例えば、もし今後感染がおさまってくれば、まずは旅行に行きたい方は割引がなくても旅行に行くという時期もあるでしょうし、その後の閑散期においてこそ対策をしてほしいと。繁忙期にこの「Go To トラベル」などが重なると、ある意味もったいないという声も寄せられていますので、そういうことも踏まえた政府の政策を実施していただけるように、我々も求めていきたいと思います。

○「生活安全保障のための緊急経済対策」について(6)

【産経新聞・澤田記者】
 経済対策について伺いたい。政府の方針に関連して、代表は見せ金というふうにおっしゃったが、補正予算が成立した後の国政選挙は自民党が苦戦しているケースも見られた。そういったことを踏まえ、与党内には、補正予算は今国会中にやらずに方針だけ決めて選挙に突入しようという発想があるみたいだが、そういう発想についてはどのようなご所見をお持ちか。

【代表】
 その何かジンクスみたいなものを国民生活よりも前に持ってくる考え自体があり得ないです。当然国民生活のほうが先に考えるべき話であって、何か補正予算を選挙前に組んだら負けるというジンクスがあるからみたいな、そんなものはどうでもいいんじゃないかと思います。国民生活がまず優先だと思います。物価対策がまず優先です。

○参院選に向けた取り組みについて(2)

【フリーランス・堀田記者】
 参議院の一本化について伺いたい。現在石川でやっている、これに共産党も出ている。京都北区の府議補選も戦っている。今週の日曜日から始まる練馬区長と区議補選では、区議選挙は2人だが、立憲も出している、共産党も出している、自民党も出している。戦いが続いているわけだが、どれくらいの気持ちを持って、また希望を持って、一本化というのを進めるか。

【代表】
 可能な限りという希望を持って進めております。