党フリーランス支援プロジェクトチーム(PT)は4月7日、国会内で会議を開き、映画業界におけるフリーランスの現状と課題について関係者から話を聞きました。
冒頭、小宮山泰子PT座長は、「フリーランスと言ってもいろいろな業種があり、課題は多岐にわたると痛感している。少しでも前に進めるよう取り組んでいきたい」とあいさつしました。
会議では、日本芸能従事者協会がインターネットで実施した「フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート2022」(調査期間2022年2月27日~3月31日、調査対象期間21年4月1日~22年3月31日)について同協会から報告を受けた後、映画業界関係者(監督・脚本家・俳優・スタントマン)からヒアリングしました。アンケートでは、さまざまなハラスメントや、過酷で不安定な労働実態があらためて明示されました。監督、スタントマンの方からは安全な労働環境が守られていないこと、ハラスメントや著作権・著作者人権問題があること、正当な契約書が交わされているため問題が生じても声を上げられないことなど、多くの課題が浮き彫りになり、悲痛な声が上がりました。「表現の現場調査団」が行ったジェンダーバランス調査にも触れ、映画分野の多くの賞の審査員や、最高賞の受賞者に男性が多い傾向があるとも指摘。参加した映画監督自身の現場でも、スタッフやプロデューサーは圧倒的に男性が多いと話し、女性がフリーランスとして働くことの難しさを訴えました。
強調されたのは、こうした課題は、個人の資質ではなく映画業界全体の問題だということ。フリーランスが多く、ルールが徹底されず、自分で自分を守るというより業界が守るというインフラがないことなどから、暴力やハラスメントをあらかじめ防ぐ措置が必要だとして、具体的に(1)制作会社などに任せて個別の案件として対処するのではなく、ホットラインとして電話で相談ができる第三者機関の設置(2)ネットの誹謗中傷に対し声を上げた人が二次被害に遭わないよう、被害者を守るシステムづくり(仕事の保障かつ、加害者になるかもしれない外部からの接触を断ってくれるしくみ)――が提起されました。
現場からの報告を受けて、意見交換。今後も連携しながら取り組みを進めていくことを確認しました。