参院本会議で4月22日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」(薬機法等改正案)についての趣旨説明・質疑が行われ、川田龍平議員は、(1)緊急承認制度の適用判断(2)電子処方箋のセキュリティ対策(3)対面調剤の重要性(4)「わくわく割」――などについて、政府にただしました。

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■緊急承認制度の適用判断について

 「本法案の『緊急時』とは、感染症のアウトブレイクに加えて、原子力事故、放射能汚染、バイオテロ等の時が想定されるとのことですが、「緊急承認制度の適用を正当化するパンデミックだという判断は、誰がどう判断するのか」と質問しました。

 岸田総理は、「パンデミック下での緊急事態宣言の発出や、解除といった具体的状況を含め、厚労大臣のみではなく、政府として総合的に判断していく」と答えました。

■電子処方箋のセキュリティ対策について

 「待ち時間を短縮したり、薬剤の不正取得を防ぐなど利便性があるものの、個人情報の漏洩など大きな懸念が複数ある」として、対策について質問しました。

 岸田総理は、「総合的な対策により高いセキュリティレベルを確保している。また本年秋ごろから、システムのセキュリティに脆弱性がないかを確認する運用テストを行うこととしている」と述べ、具体的な対策には言及しませんでした。

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■対面調剤の重要性について

 「システムが効率化すると、取り違えや、飲み忘れ、飲み合わせの間違いなどを対面でチェックする重要な機能が失われるリスクがある。対面調剤とは対人ケアに他ならない」として、後藤大臣にただしました。

 後藤大臣は、「厚労省として、かかりつけ薬局、薬剤師を推進しているところであり、今後、対人業務の重要性も高まっていくことと考えられることから、対面による調剤の重要性は変わらない」との考えを示しました。

■「わくわく割」について

 「今回、政府が実施しようとしている、ワクチン接種者または検査陰性者を対象に割引が受けられる『わくわく割』は、ワクチン未接種者を差別する仕組みになっている。コロナ感染症で再び国民を分断する愚策をなぜ繰り返すのか」と厳しく指摘しました。

 岸田総理は、「ワクチン接種者だけではなく、検査陰性者も対象としている。消費者が安心してイベントに参加できる環境を醸成することを目的とした事業であり、ワクチン未接種者を差別するものではない」と強弁しました。

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 川田議員は、「薬もワクチンも、デジタル化も、医療に関わる安全性確保については、緊急時であるほどに、国が丁寧に設計しないといけない。いのちに関わる事は、取り返しがつかないことになる」と述べ、質問を終えました。

 なお、質問に先立ち、ウクライナへの日本の人道支援について、「防衛装備品ではなく、わが国の支援は非軍事人道支援に限るべきではないか」と指摘。また、日本の在来品種の種を守る重要性については、「種を守り農業をまもり、そして食料供給を守る、『ローカルフード法』のような法律が急務だ」と訴えました。