泉健太代表記者会見

2022年4月22日(金)10時30分~11時21分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/-e4SG01bBy4


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○緊急経済対策について

【代表】
 まず、緊急経済対策ですが、結局補正予算を編成すると。しかも、燃油対策と予備費の積み増しだけということであれば、3月29日に総理指示をしていたわけで、そのときに決断をすればゴールデンウィーク前には補正予算を通すことができたのではないかと思います。その意味では、これはきのうも言いましたが、遅い。また、小規模。そして、この1カ月間の間に円安は進行したということです。
 そもそも、もっと言えば、この燃油対策はもう1月段階から始めていたわけです。そのことからすると、本来は本予算を修正して燃油対策の積み増しをしておけば、これは4月頭から執行できたということになります。これは我が党ももう2月の段階で指摘していることでもありますので、この経済対策だけで言っても3週間遅いということですが、燃油対策ということで言えばもっと遅い。本予算成立前から取り組むことができた、そして4月頭から執行できたということであります。
 また、きょう皆さんに紙を配っています。これがきのう少し紹介した閣議決定の文書、「予備費の使用について」というものです。これを見ていただくと、「2 国会開会中は、前項の経費及び次に掲げる経費を除き、予備費の使用は行わない」。国会開会中は予備費の使用は行わないという大原則です。財政民主主義、大原則です。ですから、この下に(1)から(4)までありますが、政府として何に該当するということでこの国会開会中に予備費を執行するのか、これを明確に説明してもらわなければいけない。例えば「予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費」という除外規定もありますが、先ほど話をしましたように、燃油などについてはもう1月からわかっていること。ただ決断をしてこなかっただけのことです。それをここに該当させようというのはかなり無理があるのではないでしょうか。ですので、この予備費使用が閣議決定違反ではないかということも当然指摘をさせていただきたいと思っています。
 そして、この予備費、これまでも「コロナ予備費」ということでぎりぎり認めてきたものでもありますが、これをさらに衣替えをして、コロナ、油、物価高、「何でも予備費」にしてしまっているということですね。これはもう政府のつかみ金になってしまうと思います。財政民主主義違反ということで、このことについてもただしていきたいと思っております。

○自民党の安全保障提言について

【代表】
 自民党の安保提言です。これは自民党の安全保障調査会がまとめた安保提言ということであります。
 現在の国際情勢、また、軍事面でのさまざまな変化。そこは私たちも同感の部分があります。認識を同じくするところはあります。ですから、宇宙、サイバー、電磁波や情報戦など、戦い方が変化し領域横断的な能力が求められる。こういったところは同感する部分です。
 そして、武力攻撃に至らない侵害、グレーゾーンですね。これは尖閣の文脈でも書かれていたと思いますが、「法制度を含め早急に検討する」と書いている。我々は既に領域警備・海保強化法案を出しているということですから、自民党はまだ「法整備を含め早急に検討する」ということで、むしろ自民党のほうが遅い。早くこの領域警備法案の成立を求めていきたいと思っています。
 一方で、もう既に問題として報道でも指摘されていますが、指揮統制機能等の発揮を妨げる能力ということで、「敵基地攻撃能力」が「反撃能力」になっていくという言葉。私もこれは国会の質疑の中で、「敵基地攻撃能力」が何を指すのか、これが果たして本当に有効なものなのかということは指摘してきましたし、名称はこれでよいのかと言ってきましたので、名称を変えていくというのは一つのあり方ではあると思いますが、名称以上に実態が大事です。特に、この自民党の提言の中で書いてありますが、「反撃能力」の対象に「相手国の指揮統制機能等も含む」と。「指揮統制機能」を頭出ししつつ「等も含む」となると、これが何を指すのか。この説明責任を果たしていただきたい。
 これは自民党の提言の中で少しそこをあえて曖昧にしているんだと思うのですね。そして「専守防衛の考え方の下で」という注釈をつけた上で、このことについて「相手国の指揮統制機能等も含む」ものとすると書いているわけですが、ではその専守防衛とは何かというところで、「必要最小限度の自衛力の具体的な限度は、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件を考慮し決せられる」ものであると言って逃げているわけです。しかしながら、「必要最小限」という言葉があるわけですから、改めてこの「指揮統制機能等」とは何を指すのか明確にする必要があると思います。場合によっては、例えば日本で言うところの首相官邸のようなところも該当するのかしないのか。それが「必要最小限」と言えるのかどうか。また、ほかに手段がないと言えるのかどうか。ここについては、場合によっては憲法に違反するということになりかねないと思いますので、改めて具体的にどのようなものを指すのか明確にする責任が自民党にはあるということだと思います。
 また、防衛費GDP比2%以上については、提言にある「防衛力を抜本的に強化する」というものの具体的な内容を明確にしてもらわなければいけない。きのう、あるいは先日も言いましたが、数字ありきで、ただその数字を追いかけるという防衛政策はおかしいと思います。2%以上となれば11兆とも言われるわけですから、無理やり積み増しをしても仕方がないわけです。真に必要なものが何なのか、それがどのような効果をもたらすのかということを十分慎重に検討した上で防衛費が成り立つわけで、先に数字ありき、NATOの真似をすればよいというのは間違いだと。それは全然周辺環境が違いますから。NATOと日本の置かれている周辺環境は違うし、そして日本は日米安全保障条約がありますし、この2%に増えた防衛費、今後5年間で2%になっていくとすれば、じゃあその財源はどのように捻出し、また、他の分野を削るのか削らないのか。ここも当然説明が求められると思います。

○ウクライナ支援(1) NGOの活動について

【代表】
 きのう我が党のウクライナ対策本部でNGOからヒアリングをしました。我が国のNGOが活躍をしている、周辺国で活動しているというのは非常によいことだと思いましたが、幾つか、まさに現場で活動している方とオンラインでつながりながらお話を伺いまして、課題が見えてまいりました。
 例えば、ODAの予算で周辺国でウクライナ避難民を支援するという取組をしていて、今、ヨーロッパ、周辺国のウクライナ避難民の支援の主要なメニューであり、もう常識になっているのは、避難民に対して現金を給付するというメニューであります。これは何も珍しいとか新しいというものではなくて、今もヨーロッパでは普通に行われている支援のメニューの一つ。しかしながら日本政府は、ODA予算を使っているのでということで、私もびっくりしたのですが、例えば5000人に幾らずつ支援をしましたということの使途の報告ではなく、支援をした避難民がそのお金を何に使ったかの報告まで求めるというのが外務省・日本政府だと聞いて驚きました。パンを買った、お菓子を買った、服を買った、靴を買った、そんな報告を受けてどうするんですかという話でして、これは余りに形式的に過ぎると思っていますので、早急に政府には改善を、対応を求めていきたいと思っております。
 また、ここは一つ非常に難しい問題でありますが、ウクライナ国内が、キーフ周辺も一時期に比べれば少し落ち着いた。まだ予断は許さない状況ではありますが、徐々にウクライナ国民も自国に戻り、西部を中心に国連機関やNGOもウクライナ国内での拠点を作り始めているという話がありました。一方で、我が国のNGOは現在もウクライナ国内への入国を許されていない。日本政府によってですね。
 私も聞きました。他国で、例えば韓国のNGOがウクライナに入れないなど、やはりその現地の危険性に基づいて国際NGOに対して入国を規制している国があるのかと聞いたら、自分たちが知る限り日本だけだという話もありました。
 もちろん、邦人の安全確保、邦人保護は、NGOの方であっても当然必要ではあると思います。一方で、国際機関に勤務している日本人についてはウクライナへの入国が可能になっているということでありまして、やはり国際NGOも位置づけは、従来よりも、より準公的な立場というか、確立をされてきていると思っていますので、そういった意味で、日本においてもかつては災害ボランティア団体というのはなかなか位置づけが難しかったという時代がありましたが、社会福祉協議会と連携をして災害拠点でも半行政的な、半分行政のような支援活動を行うケースも出てきていると考えると、この国際NGOについても、一定の団体、基準を設けるなり国際機関の承認を得るなりしながら、何らかウクライナ国内でも活動できるようにしていくということも考えるべきではないかと。このようにも思っています。

○ウクライナ支援(2) インドへの自衛隊機派遣先送りについて

【代表】
 続いて、自衛隊機がインドで拒否をされるという案件です。これはUNHCRの支援物資をインドからポーランドやルーマニアに運ぶということで、日本政府も協力しようと思ったら、インド政府は民間機だと聞いていたと、自衛隊機だとは思わなかったということで、拒否をされたという事案であります。
 来月Quadも行われる、東京で開かれるという中で、なぜこんな失態が起きたのか。日本政府・外務省、インド政府とのやりとりが、全く意思疎通に欠けていたということで、こういった形で顕在化するというのは外交上もダメージだというふうに言わざるを得ません。
 なぜ自衛隊機なのか。民間機ではいけなかった理由は何なのか。そういったことも含めて精査をする必要があると思います。改めてですが、自衛隊機を使用する場合は当然当事国の同意が必要というのは基礎の基礎ですので、このようなことで失態を起こすというのは非常に不安な状態、我が国の政府の信頼性が失墜するということだと思います。
 改めてですが、我々は今後、有事における邦人保護というものを考えていかなければいけません。有事における邦人保護も民間機を使うこともあれば自衛隊機を使うことも当然出てくるわけですので、当事国との意思疎通、ここに乖離があることは絶対に許されない。それは命に関わることだと思っておりますので、今の政府に本当に台湾有事や朝鮮半島有事の際の邦人保護の能力があるのかということが問われると思います。

○刑法改正案 侮辱罪の厳罰化について

【代表】
 きのう本会議で趣旨説明がありましたが、刑法改正の侮辱罪の厳罰化ということですが、これは政治に対する批判にも適用されるかもしれないということで、個別具体には答えないという政府の答弁でありましたが、言論の自由を侵しかねないと、我々心配をしております。
 改めて、我が党はネット上で加害の目的がある誹謗中傷のみを対象とすべきだということで対案を提出しておりますので、その考え方、ぜひ皆様にも報道していただきたいと思っております。


■質疑

○緊急経済対策について(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭発言でもあった補正予算について、自民党は提言案でも予備費を主張していて、公明党は補正予算の編成をと言っている中で、その綱引きの中で決まった部分も大きいと思う。ちょっと国民生活を見ているのかという部分もあると思うが、そういった経緯についての評価をお願いしたい。

【代表】
 きのうも言いましたが、遅い、時間をかけ過ぎ。そして、玉虫色というか、妥協した補正予算案ということだと思います。
 ないよりまし。しかし、小規模、遅い、ということですね。

【毎日新聞・宮原記者】
 補正予算案、ないよりましといったようなものになったことについて、参院選ではこちらも争点になってくるのかというところは、いかがお考えか。

【代表】
 補正予算というか、経済対策の考え方として、国民の皆様に、必要な方に届くのかどうか。そこは当然争点になってくると思います。

【朝日新聞・神澤記者】
 今回の予備費を中心とした取り組み、国会軽視と受け止めていらっしゃるか伺いたいのと、予算委員会に改めてどのように臨んでいかれるか伺いたい。

【代表】
 当然予算委員会で明確に、財政民主主義、予備費のあり方、そして、この経済対策が十分かどうか、こう問いたいと思います。また、先ほど述べたようなウクライナ対策ですとかコロナ対策ですね。こういうことについても問うことになっていくと思います。
 先ほど言いましたように、何でも予備費になっていると思いますので、当然国会軽視という批判は受けることになると思います。

○参院選に向けた取組について(1)

【時事通信・眞田記者】
 参院選の候補者調整の関係で伺いたい。前回・前々回の参院選では全選挙区で野党候補一本化ということができたと思うが、今回の参院選では、国民民主党が予算に賛成したり、維新の会との相互推薦をするなど、そういった環境の変化があったかと思う。また、国民民主党と維新との相互推薦に関しては共産党も反発をしている中で、立憲民主党として国民民主党・共産党との候補者一本化に向けてどのように進めていきたいか。また、候補者調整をして一本化することで参院選では野党としてどのような成果を得たいか、改めて伺いたい。

【代表】
 私はこの間ずっと、代表になってから、改めて立憲民主党が立憲民主党としての政策をしっかり掲げて、主体性を持って候補者調整をしていく、これが大事だと言ってきました。ですから、どの党とくっつくとかくっつかないとか、こういうことが大事なのではなくて、立憲民主党として明確な姿勢を持つ。
 ですから、ぶれて与党にすり寄るとか、あるいは立憲民主党と違う政策を掲げているということであれば、それは慎重にしなければいけないというか、基本的には立憲民主党の政策を我々としては各党にもご理解をいただいて、そして、その各政党が許す範囲でさまざまな候補者調整を行っていっていただければということで、こちらからは要請、申入れをしていますので、あまりどの党がどういうふうにどうするということについて一つ一つ言うというよりも、我々立憲民主党はこういう政策を掲げている政党ですと。
 国民の生活を守るための「生活安全保障」を掲げて、そして我々はこの緊迫した国際情勢の中で、自衛隊と日米安全保障条約に基づいて我が国に対するいかなる侵略にも対抗していくという立憲民主党ですので、その立憲民主党と一緒に候補者調整をしていくという政党があれば、それはしっかり承って候補者調整をしていきたいということです。

【時事通信・眞田記者】
 現状、国民民主党とは3選挙区で競合していて、今も調整が進んでいると思うし、共産党とも10個ぐらいの選挙区でたしかぶつかっているかと思うが、その状況についての、現状の評価についてのお考えを伺いたい。

【代表】
 いや、全然、各政党が候補者を例えば出した上でさまざまな話合いをするケースというのもあるので、別に今の数というのは何か気になるものではないです。

○「プーチン大統領は戦国武将」安倍元首相発言について

【フジテレビ・伊藤記者】
 ウクライナ情勢に関連して伺いたい。自民党の安倍元総理大臣が昨夜の講演の中で、ロシアのプーチン大統領について、「力の信奉者であって、戦国武将みたいなものだ。織田信長に人権を守れと言っても通用しないのと同じだ」という指摘をしているが、こうした発言についての受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 その戦国武将と27回会談をし、「同じ未来を見ている」というのが安倍さんなんですね。ですから、安倍さんもまた戦国武将なのでしょうか。そうすると安倍元総理に人権を守れと言っても全然通用しないということになってしまうのかどうかわかりませんが、そのプーチン大統領と「同じ未来を見ている」と、「ゴールまで、駆けて、駆けて、駆け抜けよう」と言ったのが安倍さんですから、むしろというか、安倍さんからプーチンを止める。それだけの盟友関係があるのであればメンタリティもよくわかるでしょうから、止めていただきたいと思います。

○参院石川補選について

【読売新聞・北村記者】
 週末に投開票を迎える参議院の石川補選について伺いたい。代表就任後初めての国政選挙とよく言われるが、改めてこの選挙戦の位置づけと、代表自身2度にわたって入られた手応えがどうだったのか。この2点を伺いたい。

【代表】
 よく、代表就任後何々とか、前哨戦とか、これまで何十年と繰り返し選挙の前には言われてきたことなので、あまりそういうよく使われてきた言葉は私にとっては意味は持ちませんが、7月の参議院選挙を控えているという意味で言えば、立憲民主党としてあの石川で候補者を擁立したということの意味は非常に大きいと思います。やはり自民党にちゃんと対峙をして候補者を出していく政党であるということですね。これが一つ。
 そして、新しい執行部というのは、これまでの経験豊富な執行部に比べれば何かと、まだまだ、さまざまな荒波を乗り越えるという機会は少なかったわけですが、そのメンバーが力を合わせて戦ったときに、まず我々の力量というものをどれぐらい示すことができるのか。そういう戦いではないかと思います。
 県内の所属自治体議員が7名という、大変厳しい中での戦いですが、候補者は、ぎりぎりではありましたが、非常によい候補者を擁立することができたと思いますので、そういう厳しい状況を克服しながらどれぐらいの結果を出せるかというところに注目していきたいと思います。

【読売新聞・北村記者】
 関連で、代表を含め党幹部の皆さんは何度も現地に入られ、党を挙げての戦いを展開されてきたと思うが、この選挙戦を通じて見えてきた立憲民主党として選挙に臨むに当たっての課題のようなものがもしあれば教えていただきたい。

【代表】
 それはもう、今、選挙中で、課題を語っている暇はありません。全力で戦います。

○参院選に向けた取組について(2)

【神奈川新聞・三木記者】
 政党略称問題について改めて、15日の会見に引き続いて伺いたい。神奈川県連などは、この略称問題に関して、いまだ納得いかないと、反発する声も一部で上がっている。これは神奈川県内だけでなく全国のさまざまな所属議員からも異論が出ているというふうにも聞いている。この略称問題は既に決定した事項とはいえ、国民民主党も「民主党」を軸に検討しているという一部報道があり、有権者にまた混乱を招くのではないかという懸念の声も上がっている。改めて、この政党略称問題、「民主党」という名称を決めたことに対して、有権者に対してどのように説明されていくのか教えていただきたい。

【代表】
 本来は昨年の総選挙のときに略称「りっけん」という方向で行こうという意思もあっただけに、本来それで行っていれば今のような問題は起きていないと思います。
 しかし、さまざまな経緯の中で、前回「民主党」という略称になって戦った結果、362万票の、立憲民主党に投票したいという方が「民主党」と書いた経過があって、例えば私も先日千葉県に洋上風力発電の視察に行きましたが、掲示板などを見ると、立憲民主党と書かれている旧立憲民主党のロゴというか、それでも「立憲」よりも「民主」が大きい形になっているのですね。ですから、ぱっと見で「民主党」という打ち出し方というのは2017年以降もそれなりにしてきた経緯があって、やはり立憲民主党の略称が「民主党」だというふうに認識をしている方も一定層おられるから前回それだけの票が出たわけです。
 我々新執行部としては、今後やはり「立憲」という言葉を我が党として普及させていきたいというか、浸透させていきたいと思います。いつまでもこの状態を続けるというつもりはない。しかしながら、やはり急激には、その浸透させていくという過程がどうしても必要で、その意味で、今回この参議院選挙においては、我々としては、前回、まだ半年前の総選挙で362万、そのうちの多くが立憲民主党と「民主党」という略称を結びつけて略称を書いていただいた方々がおられますので、その皆様に説明を尽くしつつ、まず、この来るべき参議院選挙はこれまでどおりの略称で戦っていくということになったということです。

【静岡新聞・青木記者】
 参院選の静岡選挙区について伺いたい。立憲民主党の県連が既に独自候補の擁立についていろいろな意見を党本部に提出されているかと思うが、きのう日本維新の会と国民民主党の相互推薦を静岡選挙区でということもあった。その辺の受け止めも踏まえた上で、静岡選挙区での党本部の方針について、どのようにお考えかお聞きしたい。

【代表】
 静岡選挙区は、今こういう形で少し環境の変化が出てきていますが、それもまた少し、聞くところによると混乱がどうやら、国民と維新の間での、あるいは、もっと言うと国民民主党の中でのさまざまな動きがあると聞いていますので、何が確定しているのかはちょっとまだ不透明なのかなと思います。
 一方で、この今回の国民と維新のことが生じる前から静岡県連からは声もいただいていますので、改めて、こういうきのうのような動きがあった後に静岡県連がどう考えているかということもあると思いますので、それは早急に県連の声も聞いて、また対応を考えていきたいと思います。

【時事通信・眞田記者】
 国民民主党の関係で伺いたい。先ほどの質問の中でも、「与党にすり寄る」と、国民民主党を念頭に置いた発言があったかと思うが、現状、国民民主党への評価というのは、与党か野党かという評価は代表はどのようにお考えなのかと、今後、会期末に向けて不信任案というのも選択肢の中に入るというお話もあったかと思うが、その際、国民民主党に対して不信任の呼びかけをされたりは現時点でお考えなのか。また、仮に不信任案を立憲民主党が出して国民民主党が乗らなかったとき、国民民主党は野党と呼べるのかどうか。その辺のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 他党のことなので、こちらがどうこうと言うことはまずないということと、今後の国会の対応・戦略は、まだ何かを明確に決めたわけではないので、たらればの話は今する状況にはないです。

○緊急経済対策について(2)

【朝日新聞・神澤記者】
 きょう、この後12時半から、政府の補正予算案などについてヒアリングを立憲民主党として行うかと思うが、これは一体どういったことを明確にしたいと、どういったことをヒアリングで明らかにしたいとお考えか伺いたい。

【代表】
 それは現場に聞いてください。

○参院選に向けた取組について(3)

【北海道新聞・袖山記者】
 維新と国民の相互推薦の動きについて伺いたい。連合はかねてから立憲と国民民主が一つになってほしいという考えを持っているかと思う。先日の相互推薦のときの文書の中に、維新と国民の両党は、政権を一緒にとは書いていないが、政権交代をという文言が入っていた。維新に関しては連合は距離を置いているかと思うが、この相互推薦の動きが立憲から見て国民との関係に何らかの影響があるとお考えになるか。

【代表】
 現時点で、まさにその三つ目の項目、政権交代云々辺りが国民民主党内で不協和音を呼んでいると聞いているので、どこまで確定したものなのかどうかも定かではないので、何か今の時点でというのはないです。

【北海道新聞・袖山記者】
 この相互推薦で、福山さんがいらっしゃる京都選挙区に関しては、国民は維新の候補を推薦するという結果になった。協力関係を築けてはいないかと思うが、こういうことに関連して、例えば山形選挙区に立憲が立てるなど、そういった対決姿勢を示していくお考えは現時点であるか。

【代表】
 その江戸のかたきをどこどこでという、それはそれぞれの県民にとっては関係のない話ですので、我々はそれぞれの県で県民と向き合っていくということがまず大前提です。その中で、その県内それぞれの我が党の県連があり、また、応援をしようとしている候補者があり、それが応援するにふさわしいかどうかということを判断していくということになりますので、それをあくまで原則にしていきたいと思います。
 京都については、例えば国民民主党の自治体議員さんなんかも、いわゆる連合京都の議員フォーラムというところにも所属していて、その連合京都は福山哲郎さんを推薦しているわけで、そういったところも含め、我々としては立憲民主党公認であり連合推薦である福山哲郎さんに対する理解をこれからも広げていきたいと思います。

○経済政策・エネルギー政策について

【フリーランス・小山記者】
 ニュージーランドの研究機関がこのたび地熱発電で日本に参入ということがNHKのニュースに出ていた。日本は地熱発電がなかなか進まない状況があったが、これについての見解と、この間、洋上風力を見てこられたということで、自然エネルギーの利用拡大に関する泉代表の理想的ビジョンをお聞きしたい。

【代表】
 まず、もったいないなとつくづく思うのは、千葉銚子沖の洋上風力発電も全て資材は輸入ということで、本来であれば我が国の企業がつくった風力発電が並ぶとなれば国際的な競争力も高まっていくのになと思いながら、この10年間、自民党政権がこういった再生可能エネルギーに力を入れてこなかった、再生可能エネルギー市場を育ててこなかったということのダメージは、各社がこの風力発電の開発から撤退するということでも明らかだったと思いますので、そこは極めて残念です。
 地熱発電については、これまでもずっと、日本はある意味火山列島であり、温泉地も数多くあって、自然豊かで、国有公園、国定公園、国立公園、こういうものも数多くあるので、なかなかその熱源を地熱発電に利用するということの許しを得ることが難しい。温泉が枯渇したらどうなるんだとか、自然破壊にならないかとか、非常に難しい。しかしポテンシャルは高いということはよく言われていますので、何とかクリアできるところを一つでも多く見つけることができればと、地熱発電についてはそのように思います。最近は、この再生可能エネルギーでも、環境とか災害とかと当然調和をして、両立をしてというか、単に開発をすればいいということではない時代に入ってきていると思いますので、そういうものにも配慮した形でできるだけ実現をしていけばよいなと思います。
 少なくとも我々立憲民主党は、このウクライナ情勢を見ても、化石燃料に依存し続けて、そしてウクライナ情勢から物価高だとか物流の乱れだとか燃料価格の高騰というものが出てきている中で、いつまでもこの化石燃料に国富を流出し続けるという立場ではなく、できる限り国内産の安全なエネルギーを増やしていく。そういう意味で重点的な位置づけを我が党としてはしています。

【フリーランス・小山記者】
 テレビ出演された甘利さんなどを初め、選挙対策かと思うが、化石燃料の会社にまた予算を流していきたいというような巻き返しの姿勢というのを与党・自民党側は隠さないと思うが、そういったところを国会のほうで指していくというか、そういったご意思はあるか。

【代表】
 エネルギー問題というのは大事な争点だと思っていますので、我々もチャンスがあるごとに、それをしっかりとらまえて論戦をしたいと思います。事実、経済産業委員会ですとか環境委員会ではかなり具体的な議論をさせていただいています。
 当面のすぐの燃料価格とか補助金だとかというのは当然必要な部分がありますので、今、喫緊の、このロシア産のガスや石油・石炭というものを使用していかないということであれば、まずは国内の安定供給を優先させていかなければいけませんが、いつまでもその状態を続けるという立場には立たないというのが立憲民主党の立場です。

【フリーランス・小山記者】
 2点目だが、経済政策を今回わかりやすい見やすいパネルにして、アピールをホームページやニュースでされていると思うが、まだまだ全国では、やはり野党が経済政策をきちんと持っているというイメージが低いと思う。こういったところを力のある立憲民主党が、選挙対策も兼ねて、シンポジウムなどを地方で開いていくといった、そういった具体的なキャンペーンというか、そういったご計画はあるか。

【代表】
 計画はまだないのですが、とても大事な問題だと思います。立憲民主党が、我々がやはり経済政策を語っているというのをもっと伝えたいと思っていますので。
 ですから、まずは一つ、国民の生活者の目線に立って、可処分所得、所得をちゃんと増やしていくという方向性が一つです。よく「分配」「分配」と強調されますが、その所得を増やすということも大事ですから、我々として、この生活者目線の経済政策、物価高にどう対応していくかということをまず訴えていきたいし、投資ですよね。投資というのは、民間あるいは個人の投資の意味ではなくて、政府として先ほど言ったような成長分野に積極的にお金を投じていくんだということは立憲民主党も考えていることで、特に教育ですとか環境ですとか防災、こういった分野にはむしろ自民党よりも、しっかり産業を育てていく意味でも投資をしていきたいと。このあたりも伝えていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 れいわ新選組のほうで、山本さんが抜けることによって櫛渕万里さんが繰り上がりで議員室のほうに今度入ることになる。彼女も自然エネルギー政策に強くて、地方に新しい産業を興していくということで、れいわニューディールというのをうたっている。櫛渕さんの政策だが。立憲民主党も同じように新しい産業としてという政策を読ませていただいた覚えがあるが、これは現実的なものだと思われるか。

【代表】
 はい、思います。特に我が党の環境エネルギー調査会は、それこそ自民党の防衛費ではないですが、まず最初に数字ありきではなくて、積み上げを、多くの環境エネルギーの専門家と議論を重ねて積み上げ型の目標を作っていますので、これは実現可能だと思います。

○練馬区議補選の結果について

【フリーランス・堀田記者】
 練馬区議補選で勝って、おめでとうございました。その意味では選挙に弱い立憲民主党で、選挙に勝ったのは何カ月前の八街市長選以来で、それ以外では出ると負けていた。このときに、区長はどうでもいいが、自民党の人たちは共産党にだけは負けたくないと言っていた。つまり、ウクライナに関してご都合主義で自衛隊のことを言っていた共産党をある程度目標にしていた。立憲民主党公認の渡辺照子さんは格差とかそういったものを訴えて、共産党の人に2万5000票も差をつけて2位になった。私、ずっと1週間取材していたが、自民党の人は、とにかく共産党にだけは負けたくないと、自衛隊員を人を人とも思わない、そういったリーダーがいるところには負けたくないと強く言っていた。立憲民主党を相手にしていたのではない。そういった皆さん、自民党の人たち、あるいは一般の人たちがこういった考えを持っている共産党と、泉さんは手を組んでやれますか。

【代表】
 たぶん全国いろいろなケースがあって、自民党が共産党と組むような地域も散見はされるわけですね。だから、それというのはいろいろな、どの政党がどの政党とどうこうというのは、地域課題が何かということであったり、その地の政治事情だと思いますので、一つ一ついろいろあるのかなという受け止めです。

【フリーランス・堀田記者】
 それは昔もあったが、はっきり言って志位さんがご都合主義に言ってからの練馬区議の補選だった。それについてどう思うか。

【代表】
 先ほど立憲民主党の考え方をお話ししましたが、各政党に我々が申し入れをしているのは、立憲民主党とはこういう政党ですと。立憲民主党という政党は、先ほども話しました、例えば外交・安全保障で言えば、自衛隊は当たり前ですが合憲ですし、日米安保条約を前提にして、この自衛隊と日米安全保障条約でいかなる我が国に対する侵攻についても対抗するということを、もちろん多国間の協力も得ながらですが、そういうことを我々の党の方針としている政党ですので、それを十分ご理解くださいという前提で、我々は各政党に対して、候補者調整が可能であるというのであればそれはやりましょうという話であると。だから、我々の姿勢が何か変わるものではないということです。

【フリーランス・堀田記者】
 それをご理解するのはいいが、分厚い本を2冊も出して、我々を呼びつけて、フォトセッションまでやって、そのフォトセッションの写真は全然載らない。そういった党とはっきり言ってつき合えますか。

【代表】
 自民党さんもつき合っているのだと思いますし、公明党さんも、じゃあ国会でつき合っていないかと言えば、つき合ってはいるのでしょうし、政党と政党というのはつき合いはしているのではないですかね。
 我々立憲民主党も、そういった意味ではというか、私が総選挙が終わった後に一旦白紙にして、立憲民主党は立憲民主党としての主体性をしっかりもう一度再確認をしていくというような過程を今たどっていますので、殊更どこかの政党ということを今やっているわけではありません。
 むしろ、まず、立憲民主党が立憲民主党として最初に党内で自分たちの政策や理念・綱領をよく共有して、そして他党に対して立憲民主党の考え方を説明していくということが先ではないかなと思います。なので、今、殊更どこかの政党と協力をしているという立場には立憲民主党はありません。

【フリーランス・堀田記者】
 協力しているのはないと。

【代表】
 立憲民主党は、今、どこかの政党と殊更協力しているということはありません。

○参院選に向けた取組について(4)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 2月27日に党大会があり、そこで三つの分配とか優先的な政策の順位をつけて、ゴールデンウィークの前後にはパッケージとして、ある意味で泉ビジョンというのか、そういうのが出てくるのだろうと期待しているが、この進捗状況を含めて、参院選に向けてどうなっているのかが一つ。
 それから、さきの衆院選のときに泉さんは政調会長だったが、枝野さんは月に1回しか会見を開かずに、その後ばらばらと政権公約だけ出してきて、やはりあの広報戦略で立憲民主党は非常に大きな有権者を失ったんだと、私はそう思っている。ご自身は政調会長だったわけだが。この2カ月間の広報戦略を含め、どういう形で参議院選挙のプレーアップをしていこうと思っておられるか。党大会から2カ月経ったので、その辺を伺いたい。

【代表】
 まず、ゴールデンウィーク前後の参議院選挙政策については進捗しております。もうじきという状況だと思っています。
 前体制においては、もちろん体制ごとに当然考え方というのがありますので、前体制の下においては、私はよく言っていたのは、私は第1次産業として政策を供給すると。そして、当時の執行部では、その供給された政策を調理するのは、総合選対ですとか広報戦略本部とか、そういったところで一義的に行うという体制でしたので、政調としては各部門の政策をそれなりの時期に提示して、あとは委ねますという形になりました。その発表の仕方というのは政調というよりも広報的な観点からの発表の仕方になりましたので、それは当時、当然これが最善だと思って、自民党総裁選も行われる中で、どのようにして立憲民主党の情報を発信していこうかと検討していく中での進め方だったというふうに理解をしています。
 新しく体制が変わって、いろいろと党内の、改めて新しい体制でどのように発信をしていくか。そこには一定の時間がかかるというのは想像もしていましたし、今、私に与えられた任期ということで言えば、当然まず最初、参議院選挙があるわけですが、この参議院選挙のときにまず大きな流れをつくっていけるように最大限努力をしているということになります。