4月28日、党子ども・子育てPTと厚生労働部会合同会議で、政府提出の「こども家庭庁設置法案」の検討にあたり、関係団体からヒアリングし意見交換を行いました。

(1)公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンからは、特に子どもの意見表明について、国連子どもの権利委員会から(1)子どもの意見の尊重、(2)データの収集と分析(3)普及・意識啓発及び研修――の3つの指摘について説明があり、子どもの権利を守る仕組みと子どもが意見を表明、尊重、反映する仕組みが必要との話がありました。

(2)認定特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレンからは、教員の中に子どもの権利の正しい意識が欠けており、子どもの権利条約を聞いたことがない大人が約4割もいること、権利は何かの対価としてあるのではなく、本来持つものであり、権利と義務をセットで考えることは間違いと指摘しました。さまざまなツールで子どもの声を集めてほしい、秘密を厳守してほしい、個々が尊重される学校運営を実現してほしい、生きることに役に立つ授業をしてほしいといった子どもたちからの声を紹介し、子どもと接するプロの大人には子どもの権利条約への理解などの研修をすべきだと提案しました。

(3)日本教職員組合(日教組)では、「Edufare教育福祉」という言葉で取り組んできているとの紹介があり、子どもを保護の対象から権利の主体として位置付ける必要があり、子ども視点を重視する意味でも「子ども庁」とすべき、十分な予算の確保、こどもコミッショナーの設置を盛り込むべきといった提案があり、子ども権利保障の道すじをつけてほしいとの要望がありました。

(4)日本弁護士連合会からは、子どもコミッショナーが、監視の役割だけでなく個別救済機能、調査機能があること、43の自治体で条例に基づいて設置されており、条例に基づいて調査ができ、子どもの権利を守るものとして効果があると実感しているとの話がありました。

 参加議員からは、学級委員が学校の問題点を指摘して解決していく仕組みや、フランスでは子どもたちからの提案が実際に議会で審議されるといった海外の事例について紹介がありました。その後、政府案について討議しました。