西村智奈美幹事長は6月14日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)常任幹事会の報告(2)物価高への対応(3)自民党を離党した吉川赳衆院議員(4)健康危機管理庁の創設(5)議員立法の提出数――などについて発言しました。

 西村幹事長は、常任幹事会でカジノ問題対策本部を設置したこと、参院選比例代表で5人(河野麻美さん、木村正弘さん、沢邑啓子さん、菅原美香さん、田中勝一さん)の公認を決定したことなどを公表しました。これにより、選挙区の公認候補者が31人、うち女性が16人で女性比率が51.6%。比例の公認候補者が18人うち女性が8人で女性比率が44.4%となったことを発表しました。

 昨日発表された世論調査で岸田内閣の物価対策を評価しない、日銀の黒田総裁は不適任と回答しているのが過半数を超えていることに触れ、「政府、日銀の物価高対策に対しては国民は大きな不満を持っている」と指摘。「こうした民意の受け皿になることが野党第一党の立憲民主党の責務だ」と述べ、「物価高と戦い現政権と異なる選択肢を国民に示したい」と意欲を示しました。

 自民党を離党した吉川赳衆院議員に自民党内でも議員辞職の声が上がっていることに触れ、「総理に身近な議員であれば、総理自身が吉川氏にまずは説明責任を果たすように説得をすべきだ」と述べました。

 岸田総理が明日15日に「健康危機管理庁」の創設を発表すると報道されていることについて、「参院選を目前にした時期にとってつけた対策を公表するのは、姑息ではないか」と述べました。参院選対策と疑う理由として、有識者会議での検討から期間があまりに短く、病床確保策も同じように議論されてきたのに見送られたことなどをあげ、「国民の命や暮らしよりも選挙対策が優先されるような政治であってはいけない」と厳しく指摘しました。

 明日15日で国会閉会となり、今国会で立憲民主党が提出した法案が54本となったことを報告しました。政府提出法案への賛成率が87%となったことも話しました。このことから西村幹事長は、「批判ばかりとかいろいろ言われていますが、その批判は全く当たらない。わが党が果たした行政監視実績を丁寧に国民の皆さんに説明をし、いまの国会の中で緊張感のある行政監視を行うためには野党第一党である立憲が、これからもしっかりと力を発揮しないといけない」と強く主張しました。さらに「今回の選挙で何としてもそうした状況をパラダイム転換し、本当に庶民の感覚、生活者の視点でしっかりと緊張感のある政治を、国民の皆さんが主権者として取り戻すことができるように全力を尽くしていきたい」と述べました。

 こども家庭庁設置法案が15日に成立する見込みであることについて、政府提出法案への評価を記者団から問われると、「箱を作って魂が入っていない」と述べました。立憲民主党が求めた子どもコミッショナー(子ども達の権利が守られているか調査・勧告する機関)の具体的な制度設計がないこと、教育予算や子育て予算を増やすと岸田総理は言っていたが明確になっていないこと等、評価できない理由を具体的に話しました。